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仮想通貨botの開発記録#99(2024/9/3)「コードジェネレータの作成①」

前回の記事に引き続き、今回も仮想通貨botの開発状況をまとめていきます。

今回は「コードジェネレータの作成」についてまとめました。

Yodaka

自動取引bot自体を生成するプログラムを作成したいと考えているため、その実現に必要なことをまとめました。

ゴール

自動取引botのロジックを複数書かせてそれらをバックテストとフォワードテストにかけた上で実行戦略毎に最も勝率の高いコードを提案するコードジェネレータ的なプログラムを書く

【条件の限定】
使用する言語はPython。各ステップは別のプログラムとして実行する。システムトレードで用いられる代表的なトレード戦略を10種類選んで使う。Dockerで仮想環境を構築する。

具体的なステップ

  • ロジックの生成:ランダムに、またはある決まりごと(例えば遺伝的アルゴリズムなど)に基づいて、複数の取引ロジックを生成する。
  • バックテストの実施:過去の市場データを使ってそれぞれのロジックのパフォーマンスを評価する。
  • フォワードテストの実施:リアルタイムの市場データまたは最新の市場データでテストを行い、バックテストの結果と比較する。
  • 評価と選択:テストの結果に基づいて最も効果的な戦略を選択し、提案する。

プロジェクト全体の構成

プロジェクト構成

  1. ロジック生成 (strategy_generator.py):様々な取引戦略を自動で生成するスクリプト。
  2. バックテスト (backtester.py):過去データに基づいて生成された戦略のパフォーマンスをテストするスクリプト。
  3. フォワードテスト (forward_tester.py):リアルタイムデータまたは最新データを用いて戦略をテストするスクリプト。
  4. 評価と選択 (evaluator.py):テスト結果を評価し、最も成功率の高い戦略を選択するスクリプト。

Docker化

  • Dockerfile:Python環境とプロジェクト依存関係をセットアップするためのファイル。
  • docker-compose.yml:サービスの構成と、必要なボリュームやネットワーク設定を定義するファイル。

取引戦略

代表的な10種類の取引戦略を選んで、それぞれのロジックをstrategy_generator.pyに実装する。例として以下の戦略が考えられる。

  1. 移動平均クロスオーバー
  2. RSI(相対力指数)
  3. MACD(移動平均収束拡散)
  4. ボリンジャーバンド
  5. パラボリックSAR
  6. ストキャスティクス
  7. フィボナッチリトレースメント
  8. ケルトナーチャネル
  9. ADX(平均方向性指数)
  10. モメンタム

実行フロー

  1. strategy_generator.pyで取引戦略を生成。
  2. backtester.pyforward_tester.pyでそれぞれの戦略をテスト。
  3. evaluator.pyで最も効果的な戦略を選択し、その戦略を出力。

基本的なコードの概要

Yodaka

このプロジェクトを実行するために必要な基本的なコードの概要を以下に示します。この例では、プロジェクトをシンプルに保ちつつ、必要な構成とファイルの内容を説明します。

1. ロジック生成 (strategy_generator.py)

import numpy as np
import pandas as pd

def generate_moving_average_crossover(data, short_window, long_window):
    signals = pd.DataFrame(index=data.index)
    signals['short_mavg'] = data['close'].rolling(window=short_window, min_periods=1, center=False).mean()
    signals['long_mavg'] = data['close'].rolling(window=long_window, min_periods=1, center=False).mean()
    signals['signal'] = 0.0
    signals['signal'][short_window:] = np.where(signals['short_mavg'][short_window:] > signals['long_mavg'][short_window:], 1.0, 0.0)
    signals['positions'] = signals['signal'].diff()
    return signals

# 他の戦略も同様のパターンで関数を定義

2. バックテスト (backtester.py)

import pandas as pd
from strategy_generator import generate_moving_average_crossover

def backtest_strategy(data, strategy_func, *args, **kwargs):
    signals = strategy_func(data, *args, **kwargs)
    initial_capital = float(100000.0)
    positions = pd.DataFrame(index=signals.index).fillna(0.0)
    portfolio = positions.multiply(data['close'], axis=0)
    pos_diff = positions.diff()
    portfolio['holdings'] = (positions.multiply(data['close'], axis=0)).sum(axis=1)
    portfolio['cash'] = initial_capital - (pos_diff.multiply(data['close'], axis=0)).sum(axis=1).cumsum()
    portfolio['total'] = portfolio['cash'] + portfolio['holdings']
    portfolio['returns'] = portfolio['total'].pct_change()
    return portfolio

# データ読み込みと関数呼び出し
data = pd.read_csv('historical_data.csv')
portfolio = backtest_strategy(data, generate_moving_average_crossover, 40, 100)
print(portfolio)

3.フォワードテスト (forward_tester.py)

# バックテストと同様の構成で、最新のデータまたはリアルタイムデータでテストを行う

4. 評価と選択 (evaluator.py)

# 最もパフォーマンスが良い戦略を評価するためのコード

5. Docker設定ファイル (Dockerfile)

FROM python:3.8-slim
WORKDIR /app
COPY . /app
RUN pip install pandas numpy
CMD ["python", "strategy_generator.py"]

6. Docker Composeファイル (docker-compose.yml)

version: '3'
services:
  app:
    build: .
    volumes:
      - .:/app

プロジェクト実行のための改善案

Yodaka

プロジェクトをさらに強化して、より効果的で効率的な取引botを作るために、以下の改善案を考えてみました。

1. 戦略の多様化とパラメータの最適化

  • 遺伝的アルゴリズム機械学習アルゴリズムを用いて、戦略のパラメータを動的に調整し、最適化する。これにより、市場環境の変化に応じてより柔軟に対応できるようになる。
  • 様々な市場条件での戦略のロバスト性を評価するために、モンテカルロシミュレーションを導入する。

2. リアルタイムデータ処理の強化

  • リアルタイム取引においては、データフィードとの連携を強化し、データの遅延や欠落に強い設計を行う。
  • イベント駆動型アーキテクチャを採用し、市場の新しい情報が入るたびに戦略を評価し直す仕組みを作る。

3. リスク管理の強化

  • 取引戦略にリスク管理パラメータを組み込むことで、損失リスクを抑えつつ利益を最大化する。
  • バックテストとフォワードテストにドローダウンシャープレシオなどのリスク評価指標を導入する。

4. パフォーマンスの監視と評価

  • 実行した取引の結果を記録し、ダッシュボードを通じてパフォーマンスをリアルタイムで監視する。
  • 定期的にパフォーマンスレビューを行い、必要に応じて戦略を調整する。

5. 開発と運用の自動化

  • CI/CDパイプライン(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)を設定して、コードの変更があるたびに自動でテストとデプロイが行われるようにする。
  • DockerとKubernetesを利用して、スケーラビリティと管理の容易さを向上させる。

トレーニング方法と期間

Yodaka

以下は、提案された改善項目ごとの必要な知識やスキル、およびそれらを身につけるためのトレーニング方法と期間をAIに算出させてみました。

1. 戦略の多様化とパラメータの最適化

必要な知識・スキル

  • 統計学と機械学習
  • 遺伝的アルゴリズムと最適化技術
  • プログラミング(Pythonが主流)

トレーニング方法

  • オンラインコース(例:CourseraやedXの統計学、機械学習コース)
  • 専門書籍(機械学習、遺伝的アルゴリズムに関する書籍)
  • 実践的なプロジェクトや競技プログラミング

習得期間

  • 初心者: 約6〜12ヶ月
  • 中級者: 約3〜6ヶ月

2. リアルタイムデータ処理の強化

必要な知識・スキル

  • リアルタイムシステムの設計
  • ネットワークプログラミング
  • イベント駆動アーキテクチャ

トレーニング方法

  • 専門のプログラミングコース(リアルタイムシステム、イベント駆動設計)
  • ワークショップやセミナー
  • オープンソースプロジェクトへの貢献

習得期間

  • 初心者: 約1年
  • 中級者: 約6ヶ月

3. リスク管理の強化

必要な知識・スキル

  • 金融工学
  • リスク管理ツールの使用
  • データ分析と解釈

トレーニング方法

  • ファイナンスやリスク管理のコース
  • 専門書籍や業界のレポートの研究
  • 実際の市場データを使用したケーススタディ

習得期間

  • 初心者: 約1年
  • 中級者: 約3〜6ヶ月

4. パフォーマンスの監視と評価

必要な知識・スキル

  • パフォーマンス監視ツールの使用
  • データビジュアライゼーション
  • 分析スキル

トレーニング方法

  • ITダッシュボードツール(Grafana, Kibana等)の利用法を学ぶ
  • データビジュアライゼーションコース(Tableau, PowerBI等)
  • 実践プロジェクト

習得期間

  • 初心者: 約3〜6ヶ月
  • 中級者: 約1〜3ヶ月

5. 開発と運用の自動化

必要な知識・スキル

  • CI/CDツール(Jenkins, GitHub Actions等)
  • DockerとKubernetes
  • 自動化スクリプトの作成

トレーニング方法

  • DevOpsに関するオンラインコース
  • 専門書籍とハンズオンラボ
  • 実際のプロジェクトでの経験

習得期間

  • 初心者: 約6〜12ヶ月
  • 中級者: 約3〜6ヶ月

まとめ

今回は「自動取引botを生成するプログラムの作成」についてまとめました。

Yodaka

長期的には「最適な戦略を自動生成しながらそれらを切り替えて稼働するbot」を作りたいので、bot開発の合間に勉強を進めます。

その土台として、勝てるbotの開発を続けて"有効な戦略"と"そのロジックが有効に機能した状況"などを蓄積していきます。

今後もこの調子で開発の状況を発信していきます。

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