前回の記事に引き続き、今回も仮想通貨botの開発状況をまとめていきます。
2024年にやったことを振り返ってみました。今回は、bot開発以外のトピックも少しだけ混ぜています。
1年間bot開発に継続して取り組む過程で行った勉強・開発の記録とそこから得た気づきをまとめました。これらの気づきをもとにして今後の自分の開発を更に加速させていきます。
bot開発を始めて1年ちょっと経つ。攻撃力を上げたければ主に論文、防御力を上げたければ主に書籍が役立った。(実弾投入でbotを動かすことは大前提)
論文からは戦略実装のヒントが得られるし、書籍からは先達の犯してきた失敗を体系立てて学ぶことができる。今後の開発で遠回りしないで済むようにメモ。— よだか(夜鷹/yodaka) (@yodakablog) December 28, 2024
2024年に達成したこと
- 家を購入して、住める状態までリフォームした
→総計300万円以内で収まったので、満足している。 - 仕事を辞めることが決定した
→bot開発や本業以外の事業に集中するため。また、かねてより自分に課していた「本業を辞めるための条件」を全てクリアしたため。 - bot開発の土台を固めた(開発環境、資料、マインドセット、計画、住まい、設備など)
→太い収入の柱の一つとしてbotを確立させていくつもりなので、ここが整ったのはありがたい。元々、本業以外の収入の柱を3つ作ることが目標だった。botで3つ目の柱になりそう。 - 大きな体調不良もなく、健康体だった
→個人で稼いでいくからには、己の肉体こそが資本。食事・睡眠・運動の中で、特に十分な睡眠時間の確保に気をつけた。 - 少なく見積もって150冊以上の本を読んだ(電子書籍、紙、Audibleなど)
→bot開発に関わると判断した本はすぐに購入して目を通している。今後も継続する。技術系の本は電子書籍で購入すると開発中にモニターで確認できるため、使い勝手が良い。 - インデックス投資での資産評価額が目標数値を超えた
→本業を辞めるために自分に課した条件の一つでもあった。期限以内に達成できたことに満足。
1年間の歩み
普段の開発状況は本ブログにまとめてあるので、学んでいたことや意識して過ごしていたことなどをまとめます。稼ぐためのリサーチや基本的なbotのコードを書くことは常時やっているため、ここでは割愛します。
1月
デプロイと開発のインフラ構築
→通信技術の仕組みやプログラムがなぜ動くのかなどを勉強していた。YouTubeや書籍、個人のブログなどを読み漁りながら手当たり次第に学んでいた。途中で効率が悪いことに気づき、学ぶべきものを必要なものだけに絞り込んだ。
Pythonの学習
→開発の基盤となる言語の学習をYouTubeや書籍などで学んでいた。これも不要な部分まで丁寧に学んでいることに気づかず、非効率な学び方をしていた。
この時期は起床後から出勤までの2時間と帰宅後から就寝までの4時間は勉強にあてていた。
2月
エディタの見直しと外部環境構築を見越した開発環境の勉強
→複数台のbotを同時展開する際に、リソースが不足する問題に直面し、外部サーバーでの運用でも工夫が必要なことに気づく。効率の良いbot運用を見越して、プログラムの環境構築について深く調べ始めた。
botterの必読書をおよそ全て読み切った
→ネットで検索して発見したおすすめ書籍の全てにほぼ目を通し終えたので、自分の開発に使えるものを熟読してマインドマップにまとめ始めた。ここで作ったマインドマップは今でも活用している。
ブログでのアウトプットの際に、「学んだこと」&「発展課題の完了」というテンプレートで書き始めた
→自分なりに考えてまとめることで、手を動かしながら学ぶ癖が磨かれた。
pybottersを触り始めた
MMbotをはじめとしてもっと速度を出したいのでpybottersに手を出した。同時に非同期処理(Asyncioなど)についても勉強を始めた。
3月
「1日1個以上botのアイデアを出してコードを書く」訓練を始めた
→アイデアを出すこと自体は苦ではなかったが、そのアイデアをコードに落とし込むことには非常に苦労した。
MMbot作りに注力していた(動いても安定して勝てるものができるのは稀だった)
→特に発展的な課題を解決するためのアイデアが浮かばず、基本的なことを突き詰めることに拘ってbot作りをすることになった。
DeFibot開発にも手を出し始めた
→EVMの勉強やweb3.pyを触り始めたのもこの頃。
開発のログを見直すとともに1%改善案を蓄積するようになった。
4月
バックテスターの自作
→ライブラリを使ったり、ソースコードを読み込んで自作したりした。また、個人の開発ブログなども手当たり次第に読んで、コードの一部を書き写したりもした。pythonに拘らなくても良いかも、と思い始めたのもこの時期。
HFT系のbot開発に注力していた
→最小ロットで回せる戦場を探しては実弾投入して弾き飛ばされるみたいなことを繰り返していた。
web3.pyに慣れるために清算botを作った
→結果的にまともに動くものはできなかった。再戦を誓って、ひとまず開発断念。
VS Codeで開発することに慣れてきた
→目的に応じた開発ができれば、エディタ自体は拘らなくても良いかもという気持ちになってきた。
5月
HFT系botの開発に集中していた
→高頻度取引の仕組みそのものやその歴史についても深く調べて開発を行なった。また、「ファイナンス機械学習」で学んだセオリー通りに一段階ずつ丁寧にbot作りをすることの重要性にも気づいた。
6月
HFT系botの開発に集中していた
→この頃はもはや意地になって開発を続けていた。しんどくてもとにかく続けることが目標になっていて、他の収益機会があったにも関わらずそれらを拾わずにHFTbotの開発に躍起になっていた。執着を捨てきれずに拾いやすい収益機会を逃してしまったことは反省点。開発自体にもサンクコストバイアスが発生することに気づいた。
この時期は本業でやるべきことが多くて、思ったようにbot開発が進んでいなかった。
7月
楽な気持ちでHFT系botの開発を継続
→肩の力を抜いたら別の戦場や横展開できる発想にも気づけるようになり、開発に集中できるようになってきた。
「トレード」「プログラミング」「数学」の3つの観点に絞って勉強のローテーションを組んだ
→1週間ごとに大まかな勉強テーマを決めて、それらを回し続けることで円滑に勉強ループが回る仕組みを整えた。特に「数学分野の基礎」が疎かになっていたことが開発のボトルネックであると気づけたのは大きな収穫だった。
8月
休暇をとってbot開発に集中していた。仕事を辞めた後のルーティンを考え、その通りに行動していた。
→結果的にbotterの生活をシミュレートしたルーティンが自分に合っていることが実感できた。
思いつく限りのアイデアをAIで出力させて、そのコードを雛形にして実際に動くbotにするということをひたすらやっていた。
→午前中の空き時間は全てこの練習に費やしていたので、コードを書くのが早くなった。また、基本的なロジックでも戦場の選び方が正しければ勝つことができるという実感も得た。私が「試行回数の最大化は正義である」と考える傾向が強いのは、この時期の成功体験によるところが大きいのではないかと思う。
本業を辞めるにあたって、新居の購入を検討し始めた。
→月末に良い物件が見つかったため、購入交渉に入った。(キャッシュ一括買いで即決させた)
9月
仮想環境構築を再勉強&環境構築の沼に嵌りかける(Docker&Kubernetesの勉強)
→環境構築の奥深さに気づき、広げた選択肢をしらみ潰しに試していた。結果的に時間の浪費につながったが、気になることがあると納得するまで取り組んでしまい、それが本来の目的から逸れてしまうことの危機感にも気づけた。環境構築は、極めておくと後々レバレッジを効かせやすいので、時間を作って最後まで理解し切ってしまうことを決めて、学習を一旦中断した。
ラジオの更新頻度を週3回から週4回にペースアップさせた
→更新頻度を上げることで、学習の密度を無理やり上げようという試み。結果的に上手くいったが、目的と手段が逆転したような作戦でもあったように感じるため、おそらく今後はやらない。目標設定に対して、正しく手立てを打つことができるように自分の取り組みをよくよく見直す必要があることに気づいた。自分自身に「目標を立てること」や「それを達成することそのもの」に重きを置き過ぎる傾向があることにも気づいた。
新居の購入完了&リフォーム作業開始
→ガス工事は業者に依頼し、水回りは自力で進めた。早朝にリフォーム作業をして、出勤。その後帰宅してbot開発というルーティンだった。作業しながら、自分のラジオの録音を聴き直して次回の放送回の内容を喋る練習もしていた。
10月
MLbotの開発を始めた
→初めて学ぶことが多かったため、Cursorを使った開発に切り替えた。
複数戦略の組み合わせやライバルがやっていることを自分なりに予測してコードを書くことを始めた
→「botが対人ゲームである」という実感を得たため、有効な戦略やロジックを採用する時に「誰を相手にしているのか」「どうすればその相手を上回ることができるか」ということを念頭において開発に取り組むようになってきた。
ラジオは週4回の放送に加えて、週末の振り返り回の追加で配信することを始めた
→「週末の振り返り回」は今でも続けている。喋る中でアイデアが出てくることもあるので、今後も継続する。
次に購入する物件の検索
→引っ越し手続きとリフォームを進めながら、リフォーム完了までの流れを掴んだ。リフォームを見越した新物件の購入ハードルが格段に下がった。「ボロ物件でもなんとかできる」という自信がついた。
この時期には、本業がらみで大きな仕事を抱えていて、開発が思った通りに進んでいなかった。
11月
MLbotの開発継続
→諸々の手法を組み合わせることによって生じる弊害や計算リソースの確保など課題山積だった。まともに使えるようになるまでは実践を伴った訓練が必要。手動で取れる収益機会を全て無視してMLbotの開発にコミットするつもりだったが、バブル相場も相まって手動取引もある程度行なっていたので、MLbot開発には完全に集中することができなかった。
基本的なトレードロジックの見直し
→MLbotを作る中で、現在採用しているロジックやbot全体のアーキテクトをもっとシンプルなものにできることに気づいてコードの修正をした。
環境構築の見直し
→計算リソースを潤沢に確保した上で、戦略実行部分の稼働を部分的に高速になるようとしてみたり、取引執行部分はRustを採用候補にしてみたりとあれこれ試していた。課題山積のため、これは今後の課題として保留して開発を一旦断念。
新居での開発環境(ハード面)を固め始める
→モニターの交換やデスク周りの細かい機材の取り替えなど、細々したメンテと出費が面倒だった。今度引っ越すときは、bot用のオフィスを丸ごと作るか、新機材を一切合切購入するようにしようと決めた。ハード面がお金で解決できるのであれば、それに越したことはない。前回の物件は賃貸だったので、機材の運び出しをしなくてはいけなかった。しかし、今の住まいは持ち家なので、今使っている機材を全て置いていくことができるという点でもメリットは大きい。
12月
自分のブログを再読して、既存botの改良をした
→既に中身を理解しているbotも1から作り直すことで、より深く理解することに繋がった。開発初期に拘っていなかった実装部分にも気づくことができた。
新居のリフォームが完全に完了した
→本業に注力する必要があり、bot開発に費やせる時間を生み出すことが難しかった。また、空いている時間は新居のリフォームがメインで、bot開発はほとんどできていない。
意味があったこと・有効だったこと
- 一人でじっくり考える時間を確保したこと(特に早朝〜午前中)
- 自分で調べながらコードを書いたこと(手を動かすと身につく)
- AIにコードのシステムの雛形を作らせて、それをタイムアタック形式で写経したこと(コードに慣れることができる)
- 分からないことが出てきたら、いちいち立ち止まって分かるまで調べ尽くすこと(理解が深まり、応用が効く)
- 休憩中は本当に何もせず、とにかくゆっくり休むこと(頭を使わないことが良い。散歩や楽器演奏は特に有効。他にも子供の世話をする、人と遊ぶ、絵を描く、工作をするなども有効。bot以外のことでクリエイティブさを発揮できることも良い)
- 細かく時間を区切って、スモールタスクでの達成を積み上げるようにして勉強したこと(達成を実感しやすい)
- 人と競わず、比べず、とても高い目標を設定して、マイペースに粛々と作業と勉強をしたこと(自分は自分、他人は他人。他人を気にしても自分の中の何かが変わるわけではない)
- SNSのフォローを0人にしたこと(理由は上記に同じ)
- 勉強のまとめや達成したことをブログ、ラジオ、SNSでアウトプットしたこと。(①作業→②ブログ→③ラジオのルーティンが有効。人目に触れるものとして加工すると体験と知識が整理される)
→拡散すると信用も上がるが、「品の良さ」を意識しないと痛い目見そう...今後も気をつける - モーニングページとマインドマップ(「紙に書く」は強力。時間を作って毎日必ずやるべき)
- 行動を手帳に記録する(見直すことで自身の振り返りがとてもやりやすくなる)
- 動画を見ながら、コードを書く(ハンズオンで学ぶと身につきやすい)
- 本を開いてコードを書く(電子書籍の場合に特に有効。同じモニター内に文献とエディタの両方が表示されていると作業効率が地味に高まる)
- 技術書を電子書籍で購入したこと(理由は上記に同じ)
- 1%改善案を記録する(自分の反省傾向が分かる。改善できるかできないかにはそこまで拘らなくて良い。続けていればいずれ改善する)
- bot開発をしている個人のブログを読む(手法よりも思考をなぞるという意味で価値が高い。特に長年継続してログが残っているものは、隅までしっかり読み込んだ方が良い)
- 金融系の本、社会学の本、歴史の勉強、トレード関連の論文をじっくり読んで自分の考えをまとめること&アクションプランを立てて実行すること(学んだことを血肉に変えて刷り込むためには、これが唯一最良の手段)
- 何事においても仮想敵や相手の存在を意識し、その姿を言語化すること(相手の姿を正しく認識できれば、正しい手を打つことができる)
◎誰を相手にしているのか
◎収益源はどんな人達か
◎どうすればその人達に勝てるのか - 承認欲求が消えるまで、作業や勉強に集中する(SNSと距離を置く。例えば、マインドマップを描き切るまでSNSは触らないなど)
- ハイパーな前倒し計画を立てる(4倍濃縮くらいのタイムリミットを設けると作業への取り掛かりがものすごく早くなる)
- 週末の振り返りと翌週の計画を見開き1ページの用紙(デスクダイアリー)で行ったこと(ぱっと見で評価できるので、次に繋げやすい)
- 勉強のルーティンを週ごとに作って、3週間でひとまとまりのローテーションを組んだこと(「1週間にひとつ」くらいの目標だと、じっくり取り組めるし、サブのテーマとの切り替えも気楽で、結果的にタスクに集中しやすくなった)
- 「その日にできたこと」はどんな小さなことでも言語化して記録に残しておく(できたことややったこと自体が自信になる)
- 勝負に命をかけている人の声を聴く(特に梅原大吾氏の勝負論などは非常に役立つ。全く領域の違うトッププレイヤーの思考や振る舞い、行動や言葉は丸ごとコピーする価値がある。他にもジム・シモンズ氏やレイ・ダリオ氏、ナヴァル・ラヴィカント氏などの振る舞いも一部が参考になる)
- 原点から学ぶ(クリプトならビットコインのホワイトペーパーやイーサリアム関連の技術的な資料、プログラミングなら公式Docs、トレードなら取引所のAPI仕様書など大元の資料をリサーチの発端にして関連している公開情報は自力で隅まで読む。その過程で安易に人の解説や意見を挟まないようにする)
- 食事、睡眠、健康(個人で戦うには自分の体が資本なので、自己管理を徹底する。具合が悪くなったらすぐに休む)
- 筋トレや負荷の高い運動(シンプルに勝ち癖がつく&頭がスッキリして開発や勉強に集中できる)
- AIを使ってアイデアの壁打ちを行う(思考の欠点や盲点を補うのに有効。特にその領域の初心者のうちは便利。特定のスキルを習得するために何をどのように学んだらよいのかをずらっと並べさせたり、「アイデアを50個出せ」みたいな使い方をして物量に任せて突破したい時や、それを通して手法同士の組み合わせを提案させたりしたい時に役立った。また、システム面での穴を突く作業をさせる時にも、マシンとして抜け漏れなくチェックできるので、コードエディタとして活用すると補助ツールとしてかなり強力だった)
→これらのことから、AIツールを使う本人が強いに越したことはない。いったん極めて仕舞えば、後はツールを手足のように使うだけなので、今後もAIツールについてはガッツリ学んでいく。 - ラジオの録り貯め&予約投稿(毎日投稿をするために10分×◯回という形式で予約投稿機能を活用した。同じ内容を小分けにすると同じ時間帯に同じ温度感で喋ることができるので、思考もまとまりやすい。日を跨ぐと喋っている温度感が変化するので、同じトピックは1日で録り切ってしまった方が良い)
- 強い人が見ているものと全く同じものを見て、自分でじっくり考える&行動する(考え方をトレースするために振る舞いを真似るのは有効。自分なりに考える良い訓練にもなる)
→原初のものまで遡る。文献、データ、現象・事象、現物などいつも同じ姿、同じ味がするものを見るようにする。他人が解釈したもの(意見など)を挟むと、もうそれだけで認識が歪む。論文の元データ、Docs、ソースコード、データそのものなど人の匂いや気配や形跡などが薄まった一次情報まで遡って調べると良い。観測対象が変化しにくいものであればあるほど、その時に観測した自分自身の状態を認識することができる。(受け取り方や感じ方が以前と異なっていたら、それは自分の状態が変化しているということ) - 人の解釈が入ったものは全て疑う(理由は上記に同じ)
→自分が何か意見をもった時には「どうして自分はそう考えるのか?」と自問する。もしも、「誰かが言っていたから」という理由であれば、自分なりの根拠が見つかるまでその意見を自分の行動や意思決定の拠り所としない(一旦、保留しておく) - 論文と書籍の使い分けをする(攻撃力を上げたければ、論文。防御力を上げたければ書籍)
→目的別に主たる使い分けを意識する。論文は未検証の仮説を掘り起こしてエッジ創出のヒントにしやすい。書籍は先人たちの失敗を体形立てて学ぶことができる。
意味がなかったこと・有効ではなかったこと
技術的な細かいこともたくさんありましたが、ここではもっと本質的な部分でのbot開発においてのNG行動や良くない考え方をまとめておきます。
他人の行動に執着する
私自身は「感情的な振る舞いで他人を巻き込む人間」が嫌いなので、そういう類の人とはできるだけ接しないように心がけて過ごしているのですが、仕事の都合上どうしても関わらなければならないタイミングがありました。
私の場合、対策として以下の3つが採用可能でした。
- 脳内で捉え方をユーモア変換して、華麗にいなす(現象の認識方法を変える)
- 相手を言葉の話せる赤ちゃんだと思って接する(期待値のコントロール)
- 2度と立ち上がれないように徹底的に叩きのめす(分からせる)
もうすぐ仕事を辞めるので、これは根本的に解決可能な問題です。
欲望を我慢する・やりたいことを後回しにする
基本的にはやりたいことは先をやるというスタンスが良いです。ざっくり言うと、達成した状態を先に実感しておくということです。
私は、ご褒美は最初に与えられた方が精神的に満たされた状態で行動できるタイプなので、その方が結果的によいパフォーマンスを発揮できることが多かったです。美味しいものを食べたいのであれば、先に食べてしまった方が良いです。欲しいものがあれば先に買う方が良いです。出かけたい場所があれば、まずは行ってみるようにしています。
遊びたいことがある時にそれを我慢して、目標達成後のご褒美として設定するという方法は悪手でした。
とは言え、私にとってbot開発はプロセス自体も報酬になるので、この反省はbot以外のことにおいてという意味合いが強いです。
目標を下げる
とりあえず1万円稼ぐみたいな目標だと目標設定の数値が低すぎて、行動化に繋がりませんでした。もっと大きな額を設定するとかその稼いだお金で何をするのか(家を買うとか設備投資をするとか)とか、具体的に大きな数値を設定した方がbot開発に必然性が生まれて行動化が促されました。取引所やプラットフォームそのもののプログラムを組んでみるとか、コードジェネレータとAIを組み合わせてbotで稼ぐというシステムを丸ごと管理するシステムを作るとかも良いです。一見実現不可能そうな目標を立てて、そこから逆算して勉強すると今やっていることのハードルの高さが異常に低く感じられるので、開発がとても捗ります。
また、基本的には設定した目標は達成できないので、私は本気で達成したい目標の10倍くらい高い数値目標を設定して、現在の目標設定を通過点くらいの認識にしています。(1000万円稼ぎたければ、1億円稼ぐ方法を本気で考えてみる、とか)
抽象度が不適切な言葉を使う
私がSNSに投稿する時に陥りがちなことの一つです。例えば、抽象度の高い言葉は多様なイメージを内包できるので、文字数に制限がある時には有効なのですが、自分の行動や思考の具体性を削り取るという弊害もあります。それらの言葉を多用すると「具体的な今」の行動につながりにくいので、結果的に「耳障りの良い言葉」で自分を納得させるだけの状態になってしまいます。
できる限り具体性の高い言葉や解釈にブレのない言葉を使うことで、システムトレードに向き合うマインドが形成されるように感じます。
もう少し掘り下げると、具体と抽象の行き来をしながら思考するということが重要なのかなと感じます。botにおいてはまだまだ知らないことも多いため、具体的な言葉で定義できる範囲を広げながら自分なりの抽象的な理解の範囲を広げていくことが必要な時期なのかもしれないと思っています。(来年の今頃はどんなことを考えられるようになっているのか楽しみです)
無目的なコンテンツ漁り
SNS系のコンテンツ巡りは毒。目的もなく見てしまうようであれば、その現物を買って、本体そのものをじっくり体験するようにした方が良いです。結局、SNSで身体性を伴わない代替コンテンツは満足感が低く、中毒性も高いので、避けられるものは徹底的に避けた方が良いです。
ほとんどのものは所有すれば満足感を得られて、その後のコンテンツ巡りに無駄な時間を取られることが無くなります。それに気づいてからは、お金を払って解決できることは素直にお金で解決すると割り切るようにしています。今後そのコンテンツに浪費する時間を今お金を払って、買い取ったという認識に近いかもしれません。
浪費した時間は戻ってきません。時間と心(注意力)を削り取るようなコンテンツなら、触れないのが一番です。
承認欲求をインターネットで満たそうとする
インターネット上では、人の承認欲求が本質的な意味で満たされることはありません。そもそも、数多のプラットフォームがその仕組みを完成度高く練り上げているので、逆らおうとするのは効率が悪いです。人間の本質や性質から見ても、承認欲求そのものをねじ伏せるのは非常に難しいので、私はそれらと上手に付き合う方法を考えるようにしています。
インターネットは身体性を欠いているので、沼化しやすいです。スキンシップをはじめとした身体性の有無は、コミュニケーションの満足度に大きく貢献します。私のように社会性が比較的希薄な人間であっても、それは同じです。たとえば、SNSのいいね数が増えると嬉しさを感じますが、それは幻想だと思うようにしています。
リアルで接する人間を数人作っておくのが良いです。家族や友人には、この点でとても感謝しています。
SNSや個人連絡ツールの通知も全て切っています。少し極端かもしれませんが、私にとってはこれくらいでちょうど良いのです。
一度やると決めたことをやっている途中で安易に「意味がない」と決めつける
一応自分なりに考えて決めたことであれば、一旦最後までやってみるべきです。(「なぜ、これをやろうとしているのか、やると決めたのか」を一度言語化してから、まとまった時間を投下することが前提ではありますが)
まとまった時間を投下することは、経験を積むという意味でも無駄になりにくいです。
1日かけて本をじっくり読んだり、システムの動きを理解するために基礎的な学習に時間をあてたりすることは、後々レバレッジが効きます。また、初学者のうちは「無駄な努力」と「正しい努力」を見極める力を磨く時間が絶対に必要です。
今は、一ヶ月以上かけても消耗するだけで終わりそうなレベルのことはそもそも選ばないようにしています。
制限時間を設けてリサーチや勉強をする
私は「完全に納得するまでやりたい」性分なので、調べ尽くす時間を半日以上確保できる時でないと、リサーチはしません。
中途半端なリサーチではリスク管理ができないからです。
「中途半端に勉強するor未完了の領域が残っている」ことの原因が「時間のなさ」である状態を避けるようにしています。
休憩中に別のことをしてしまう
SNSを見る、YouTubeを見る、音声学習をする、音楽を聴くなど...。隙間時間を埋めるために別のコンテンツを利用して休憩することは、全く休憩になりませんでした。
「短時間で人の注意力を奪うこと」に特化したコンテンツは、脳が休まらないので開発中には見ないようにしています。SNSに関しては使うタイミングをかなり制限しているのでほとんど問題ないのですが、今の私が陥りやすいことの一つにAudibleでの音声学習があります。脳を休ませるための時間なのに勉強にあててしまうのは悪手なので、料理や家事や運転の時に限定してAudibleを聴くようにしています。
ただし、私の場合、(内容にもよりますが)「映画の鑑賞」は休憩として使えます。おそらく、長時間鑑賞することが前提のコンテンツなので、映画を観るときは脳内でbot開発に使う部分とは違う部分を使っているのだろうと思います。
人の意見を自分の意見の根拠にしてしまう
滅多に起こることではないですが、それでもたまにあります。「その分野の先達である」と認識している相手に対して起こりやすいです。相手が誰であろうと所詮自分以外の他人なので、「どんな意見も鵜呑みにしないで自分でもしっかり勉強して、ブログ記事1本に書ける状態にする&書く」ことで対策しています。
ブログにまとめるのは良い危機管理になるし、思考の硬直もある程度は防げるし、自分の思考や振る舞いを見直すのにも便利です。
アイデアを頭の中だけに留めておく
思いついたことは、一度紙に書き出したり、文字に起こしたり、図や絵で整理したり、喋ってみたりしています。天才ではない私は、アイデアと行動の量(数)で勝負するしかないと思っています。
どんなアイデアも一度形にしないと検証すらできないので、「ほとんどのアイデアはクソ」「アイデアが1,000個あったら、その中でマシなものは3つくらい」くらいの気楽さでアイデアの具現化をするようにしています。
まとめ
今回は「2024年の振り返り」をまとめました。
自分の反省の傾向や苦手としていることを掴むことができました。
また、こまめに行動のログを残していたので、振り返りでいちいち思い出す手間が省けた点も良かったです。
2025年の目標を決める材料集めのつもりで取り組んだので、今後も開発記録や思考のログを積極的に残していきます。
「意味があったこと」と「避けるべきこと」を今一度リストアップして、見直せるようにしておきます。
今後もこの調子で開発の経過をまとめていきます。