こんにちは、ぼっちbotterよだかです。
今回は multi_market_probe のリードラグ研究について、構造があるかどうかではなく、それが本当に金になるのかという視点で考え直した話です。実際、mid ベースではそれっぽい動きは見え始めていました。ただ、そこで素直に前進とは思いませんでした。mean return の薄さを見て、「見えていること」と「取れること」は別だと改めて認識したからです。今日は、実装そのものよりも、これ以上掘るべきかどうかを立ち止まって判断できたことに意味があったと思っています。
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🛠️開発記録#493(2026/3/25)multi_market_probe開発ログ ― リードラグ研究の土台を分離し、最小fact観測を通した話
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1. リードラグっぽい構造は見え始めたが、今日はそこを深掘りしすぎないことにした
今日やったこと自体はそこまで大げさではなく、主に「見えているものをもう少し比較しやすくする」ための観測軸を足した、というくらいです。ALL / GOOD / BAD で母集団を分けたり、時間帯や horizon ごとに future facts を見やすくしたりして、いま出ているシグナルの中身を少し細かく読めるようにしました。

実際、それによって見えてきたものもあります。
[GOOD] Future Win Rate % のパネルを見ると、少なくとも mid ベースでは「lead っぽい動きのあとに、bf_fx 側が同方向へ動きやすい局面がある」という雰囲気は出始めていました。完全に何もない、という感じではありません。リードラグっぽい構造候補が、観測上は少しずつ見え始めている。そこまでは言ってよさそうでした。
ただ、今日はそこから先をあまり勢いで掘り進めないことにしました。
というのも、私は最近こういう場面で、「何か見えてきた」という感触だけで前進しないようにかなり意識しています。観測上それっぽく見えることと、それが主戦場で執行可能な収益構造であることはまったく別だからです。むしろ、少し手応えが出たときほど危ない。そこに意味を見出したくなるし、続きを作りたくもなります。でも、実際に金になるかどうかを考えるなら、その一歩手前で一度止まる必要があります。
今回もまさにそうでした。
リードラグっぽい構造は少し見え始めていた。比較軸を増やしたことで、「どの時間帯で」「どちらの方向で」「どの horizon で」出ているのかを、以前よりは落ち着いて眺められる状態にもなりました。けれど、その時点で私が強く意識したのは、「これをさらに綺麗に分解することに、本当に意味はあるのか?」という問いでした。研究として整理できることと、トレードとして前に進めることは同じではありません。だから今日は、構造らしさが見えてきたこと自体よりも、それをそのまま前進材料にはしなかったことの方が大きかったと思っています。
2. mean return の薄さが、今回いちばん重要な事実認識だった
今回いちばん大きかったのは、リードラグっぽい構造が見えてきたことそのものではなく、mean return の絶対量がかなり薄いという事実を、ちゃんと判断材料として受け取れたことでした。

実際、[GOOD] Future Win Rate % を見ると、mid ベースでは方向性が揃っているように見えます。
だから、ぱっと見では「これは少し掘る価値がありそうだ」と感じてもおかしくありません。実際、私も最初はそういう手触りを持ちました。少なくとも、完全にランダムで何も起きていない、という感じではなかったからです。
でも、そこで一歩引いて [GOOD] Future Mean Return bps の方を見ると、印象が変わりました。
horizon ごとの差はあっても、見えていた平均リターンはだいたい数bps程度で、最大でも 3bps 前後にとどまっていました。ここで重要なのは、これが「数字として小さい」というだけではないことです。私の主戦場は bitFlyer FX で、実際の執行を考えるならスプレッドや滑り、注文の遅れや板状況の悪化を跨がないといけません。そう考えると、mid ベースで数bpsしかない優位は、執行時点では簡単に消えてしまう可能性が高い。
この認識は、今回かなり重要でした。
というのも、リードラグ研究を続けるかどうかを考えるうえで、本当に見るべきなのは「勝率が高そうか」ではなく、その優位が執行コストを跨いでも残るくらい厚いのかだからです。勝率がそれなりに見えていても、平均の厚みがなければ、実運用ではほとんど意味を持たないことがあります。むしろ、そういう構造は「観測としては面白いけれど、トレードとしては使えない」という形になりやすい。
今回の mean return の薄さは、別にネガティブな感情を呼ぶようなものではありません。
「期待していたのにダメだった」という話ではなく、この先を掘る価値があるのかを判断するための、いちばん重要な事実が見えたという感覚の方が近いです。ここで平均の絶対量をちゃんと見ずに、「勝率が出ているから前に進もう」と考えていたら、かなり危なかったと思います。研究としてはきれいに進んでいるように見えても、実際には金にならない構造を細かく磨いているだけかもしれないからです。
アルゴリズムトレーダーとして大事なのは、こういう場面で「何か見えてきた」という手応えに乗ることよりも、その見えてきたものの厚みが本当に足りているのかを冷静に見ることだと思っています。
今回でいうなら、mean return が薄いという事実は、単なる補足情報ではありませんでした。むしろ、それこそが今回の観測で得られた中心的な事実であり、このあと掘り進めるに値するテーマなのかどうかを見極めるための基準だったと思います。
3. 構造があることと、金になることは別
今回あらためて強く思ったのは、構造があることと、金になることは本当に別だということです。
これは頭では分かっていたつもりでしたが、実際に自分の観測結果を前にすると、その違いをもう一段はっきり認識できた気がします。
リードラグっぽい構造が見えてきた、という言い方自体は間違っていないと思います。
少なくとも、lead 側の動きに対して lag 側が同方向へ動きやすい局面が、mid ベースではそれなりに観測されていました。勝率だけ見れば、それっぽい反応が出ているようにも見えますし、完全に何もないノイズだけの世界とも言い切れません。観測装置としては、ちゃんと市場の何かを捉え始めている感じはありました。
ただ、そこでそのまま「じゃあこれは使える」とはならない。
なぜなら、私が最終的に欲しいのは説明できる構造ではなく、執行して金が残る構造だからです。
ここは似ているようで、かなり違います。
たとえば、mid ベースで future return がプラスになっているというのは、「価格の中心値としてはその方向へ寄りやすい」という意味ではあります。でも、実際のトレードでは mid では約定しません。買うなら ask、売るなら bid にぶつかるし、その瞬間にスプレッドも払います。しかも、見えてから注文して、注文が通って、実際にポジションができるまでには時間差もあります。さらに、板が薄ければ滑るし、急いでいる局面ほど約定条件は悪くなりやすい。そう考えると、mid 上で数bpsしかない優位は、実運用の世界ではかなり簡単に消えます。
つまり、観測された方向性と執行後に残る利益のあいだには、思っている以上に大きな距離があります。
今回の lead-lag は、少なくとも今見えている範囲では、その距離をまだ跨げていないかもしれない。だから私は、ここで「構造が見えた」という事実だけを前進材料にはしない方がいいと思いました。
この点は、研究を続けるうえでもかなり重要です。
市場観測をやっていると、どうしても「何かありそうだ」という感触そのものが前進に見えてしまうことがあります。実際、そこからさらに条件を増やしたり、分解を細かくしたり、より綺麗に説明できるようにしたりはできます。でも、その作業が必ずしも収益に近づいているとは限りません。むしろ、金にならない構造を、より綺麗に理解してしまうことすらあります。
今日はそこをかなり強く意識しました。
リードラグっぽい構造があるかもしれない、というのは研究上の一歩としては事実です。でも、私が今ここで白黒をつけたいのは、「構造として面白いか」ではなく、「主戦場で金になる可能性があるか」です。だから、今回の観測結果に対しても、まず見るべきは勝率や説明のしやすさではなく、平均の厚みが執行を跨いでも残りそうかどうかでした。
この違いをはっきりさせておかないと、観測機の開発はどこまでも続けられてしまいます。
何かを見つけて、少し分解して、また新しい軸で説明して……という形で、研究としてはいくらでも前に進める。でも、トレードとして重要なのは、どこかで「それで、金になるのか?」と止まることです。今回の私にとっては、それがまさにこのタイミングでした。
だからこの章の結論はシンプルです。
リードラグっぽい構造が見えてきたこと自体には意味がある。けれど、それだけではまだ足りない。構造の存在と収益可能性は分けて扱わないといけないし、今回本当に問うべきなのは後者だった。
今日は、その区別を自分の中でかなり明確にできたことが大きかったと思っています。
4. 今日はこれ以上掘らない方がいいのではないか、と思えた理由
今回、私の中でかなり大きかったのは、**「ここでさらに掘り進めるのは、もしかするとあまり良くないのではないか」**と思えたことでした。
これは気分の問題ではなく、観測結果を見たうえでの判断です。
リードラグっぽい構造自体は、たしかに少し見え始めていました。
だから、そのまま流れで進めることもできたと思います。たとえば、時間帯ごとの差をもっと細かく見たり、GOOD の条件をさらに絞ったり、best tau 的な代表値を作りに行ったり、やれることはいくらでもあります。観測装置としても、まだいじれる余地はかなりある。実際、そういう方向へ進むこと自体は技術的にも研究的にも自然です。
でも、今回はそこでブレーキを踏いた方がいいと感じました。
なぜなら、いま見えている中心的な事実は「構造がありそうだ」よりも、mean return の絶対量が薄いということだったからです。もしこの時点で、さらに条件分岐や集計軸を増やして“見え方”を磨きにいくと、何が起きるか。おそらく、構造の説明はもっと綺麗になります。けれど、その作業が収益可能性の確認につながるとは限りません。むしろ、平均の薄さという根本問題を脇に置いたまま、観測の解像度だけを上げてしまう危険があります。
これは、アルゴリズムトレーダーとしてはあまり良くない進み方だと思っています。
研究をしていると、「まだ見えていないだけかもしれない」「もう少し細かく切れば、太い条件が出るかもしれない」と考えたくなる場面があります。もちろん、それが当たることもあります。でも同時に、そこで自分の都合のいいように分解を続けてしまうと、もともと薄い構造を無理やり延命してしまうこともある。今日の私にとっては、まさにそこが警戒ポイントでした。
特に今回は、勝率の方には多少それっぽさが出ていたので、なおさら危なかったと思います。
勝率が見えると、人間はそこに意味を見出しやすい。しかも、リードラグというテーマ自体が「それっぽい」ので、少し反応が見えただけでも前進している感覚を持ちやすい。でも、そこに mean return の薄さという事実があるなら、本来先に向き合うべきなのはそちらです。つまり、「もっと上手く見る方法」より前に、「そもそもこれを掘る価値があるのか」を問わないといけない。
今日は、その順番を守れたのが大きかったと思います。
先に実装を積み足すことも、先に解釈を綺麗にすることもできた。でもそうせずに、「この時点では、もう少し回して確認はする。ただ、いま無理に前へ進まない方がいいのではないか」と思えた。これは開発を止めたというより、前進の条件を自分で引き直せたということです。
アルゴリズムトレーダーとして重要なのは、進める能力だけではなく、止まる能力でもあると思っています。
特に、多少の手応えが出たときほど、その手応えが本当に金につながるのかを疑わないといけない。今日の私は、まさにそこに立っていました。だから今回価値があったのは、「リードラグっぽい構造をもう一歩説明できるようになったこと」以上に、いまはそれ以上掘らない方がいいかもしれない、と事実ベースで判断できたことだったと思っています。
5. それでも半日〜1日は回してみる
とはいえ、ここで即座に「もうダメだ」と切るのも早いと思っています。
今回見えた mean return の薄さはかなり重要な事実ですが、それだけでこのテーマを即終了にするには、まだ少し材料が足りません。だから今日は、深掘りを進めない一方で、半日〜1日くらいはそのまま回して観測を続けるという判断にしました。
この判断には、ちゃんと理由があります。
いま見えている数字は、まだ観測時間としてはそこまで長くありません。しかも今回のリードラグ研究は、方向・時間帯・母集団・horizon といった軸で分けて見始めたばかりです。つまり、今の平均値は「この構造の本質的な上限」かもしれないし、逆に「いろいろな局面が混ざった結果、全体平均として薄く見えているだけ」かもしれない。ここは、まだ完全には切り分けきれていません。
だから、ここで必要なのは追加実装ではなく、もう少し素直に観測を積むことだと思いました。
たとえば時間帯によって反応の強さが違うのか、short と long のどちらかだけがまだ少し太いのか、GOOD に寄せたときにどれくらい改善するのか、1秒〜30秒のどこに一番厚みがあるのか。このあたりは、もう少し回して母数を積めば、今よりははっきり見えてくるはずです。逆に言えば、その程度の確認すらしないまま切るのも、それはそれで雑です。
ここで大事なのは、「回してみる」ことと「まだ期待している」ことは別だということです。
私がいまやろうとしているのは、リードラグ構造を信じて粘ることではありません。むしろ逆で、本当に切ってよいのかを、もう少しだけ材料を増やして確認するために回しています。もし半日〜1日見ても、局所条件で平均の厚みが大きくならないなら、その時点でかなり気持ちよく次へ行けます。これは「継続」ではなく、「終了判断のための追加観測」に近いです。
この感覚は、たぶんかなり大事です。
研究をしていると、少しでも手応えがあると「もう少し見よう」が延々と続いてしまうことがあります。でも今回の私の中では、その「もう少し」は無限延長ではなく、ちゃんと意味のある確認作業として切り分けたい。つまり、
- 今はまだ切るには少し早い
- でも、掘り進めるには十分な厚みが見えていない
- だから、観測だけ続けて白黒をもう少しはっきりさせる
という位置づけです。
今日ここで止まったのは、後ろ向きだからではありません。
むしろ、事実に応じて「いま何を増やすべきか」を切り替えた、という方が近いです。実装や解釈を増やすよりも、まずは母数を増やす。そこで局所的にも薄いなら切る。今回は、その順番を守るために半日〜1日の様子見を選びました。
なのでこの章の結論はシンプルです。
今日はこれ以上掘らない。でも、まだ即終了もしない。まずはもう少し回して、局所条件でも mean return の厚みが出るのか、それともやはり薄いままなのかを確かめる。
いま必要なのは前進ではなく、その白黒をつけるための追加観測だと思っています。
6. 次に先行情報として何を候補にするのか
ここまで考えて、今回の私の関心はかなりはっきりしました。
それは、「今の binance_perp -> bf_fx の組み合わせをもっと上手く読むにはどうするか」ではなく、そもそも先行情報として何を見るべきなのかです。
言い換えると、今回のリードラグ研究で本当に問いたいのは、「今の構造をどう磨くか」ではありません。
bf_fx に対して、どの情報源が先行情報として意味を持ちうるのか。
ここが本質です。
今回、binance_perp を先行市場として見たのは自然な出発点でした。
出来高も大きいし、価格発見の中心候補としてまず疑うのは妥当です。実際、mid ベースではそれっぽい反応も少し見えました。ただ、ここまで見た範囲では、少なくともそのまま主戦場の執行優位に直結する感じは薄い。だから次に考えるべきなのは、「この構造をさらに細かく分解すること」よりも、先行情報の候補そのものを見直すことだと思っています。
ここで私が考えている候補は、大きく二つあります。
一つ目は、binance_perp 以外の別市場を先行市場として使うことです。
これは一番素直な次の一手です。なぜなら、いまの観測機の枠組みをほぼそのまま使い回せるからです。lead source を差し替えて、同じように future facts を見る。そうすれば、binance_perp がダメなのか、それとも「海外主要市場を先行に置く」という発想自体がダメなのかを切り分けやすい。
この候補で重要なのは、「binance_perp より大きい市場を探すこと」ではありません。
私が欲しいのは、世界でいちばん偉い市場ではなく、bf_fx に対してちょうどよい距離感で先行する情報源です。
ここで言う距離感というのはかなり大事です。
市場が近すぎると、反応は速すぎて結局 HFT 領域になります。これでは私が取りにいくには厳しい。逆に遠すぎると、そのあいだに別の情報やノイズが混ざってしまって、「確かに先に動いてはいるが、それを使って bf_fx を取る」という関係が弱くなる。だから欲しいのは、近すぎず遠すぎず、それでも価格形成の連続性は保っている市場です。
この観点で考えると、候補としてまず見たいのは、たとえば
- Bybit perp
- Binance spot
- Coinbase spot
- bitFlyer spot
あたりです。
Bybit perp は、同じ perp 系でも Binance とは参加者や板の性格が少し違うかもしれない。
Binance spot は、perp 主導で見ていたものを現物側から見直す候補になる。
Coinbase spot はさらに別の参加者層を持っている可能性がある。
bitFlyer spot は主戦場にかなり近いぶん、距離は短いけれど、国内側の連動を見る手がかりになるかもしれない。
このへんは、どれが一番強いかを頭の中だけで決めるのは難しいです。
ただ少なくとも、binance_perp だけを見て「リードラグはある / ない」と結論してしまうのは早い。リードラグ研究の本質が「どの市場が先に動くか」ではなく、どの情報源が自分の主戦場にとって意味のある先行情報になるかにある以上、lead source の差し替えは中心テーマそのものです。
もう一つの候補は、そもそも仮想通貨取引所以外の情報を先行情報として使うことです。
これは少し大きな方向転換になりますが、発想としては十分ありえます。
たとえば、BTC そのものの他市場ではなく、
- USDJPY
- マクロ系のリスクオン / リスクオフ情報
- 金利や先物などの外部市場
- funding や basis、OI のような状態量
- あるいは DEX を含む別構造の価格源
のようなものを先行情報として見る可能性です。
ただし、こちらは面白い反面、かなり慎重であるべきだと思っています。
なぜなら、crypto の外へ出るほど、確かにラグは大きくなるかもしれませんが、そのぶん途中に挟まるものが増えるからです。つまり、「先に動いている」という事実がそのまま bf_fx への伝播を意味しなくなる。これは単にノイズが増えるというだけでなく、因果の見え方そのものが曖昧になるということです。
ここでもやはり、距離感の問題が出てきます。
遠い情報源は、うまく当たれば大きなテーマになります。でも、遠すぎると「何となく関係がありそう」だけで終わる危険も大きい。だから現時点では、外部情報を完全に主戦場候補にするというより、第二段階の探索先として持っておくのが自然だと思っています。
さらに考えているのは、DEX です。
追随市場として DEX を置くことも、観測上は十分ありえます。CEX より反応が遅れて、しかも変化が大きいなら、理屈の上では魅力的です。ただ、ここも実際に執行対象として考え始めると、約定・スリッページ・流動性・チェーンごとの構造リスクなど、一気に話が重くなる。なので、いまの段階では 「観測対象としてはあり、執行対象としてはまだ遠い」 くらいの位置づけです。
つまり、現時点の方向性としてはこうです。
まずは、crypto 市場の中で、binance_perp 以外に bf_fx に対して相性のよい先行情報源があるかを探る。
そのときに大事なのは、「より大きい市場」を探すことではなく、「より意味のある距離感の市場」を探すこと。
そのうえで、それでも厚みが見えないなら、次に crypto 取引所以外の外部情報 を先行情報候補として広げていく。
私にとって今回の気づきは、まさにここでした。
リードラグ研究の本質は、今見えている構造をきれいに説明することではなく、何を先行情報として採用すれば、自分の主戦場にとって意味のある遅れを観測できるのかを探すことにある。だから次に掘るべきなのは、今の binance_perp の構造の続きではなく、先行情報候補そのものだと思っています。
7. 今日の結論:何を掘るかより、何を掘りすぎないかを決める
今回の開発で得た結論は、リードラグっぽい構造が見えたかどうかそのものよりも、それをこのまま掘り進めるべきかを、金になるかという基準で立ち止まって考えられたことの方にありました。
実際、mid ベースではそれらしい反応は少し見えていました。
だから、観測としては前進していると言ってよいと思います。比較軸も増えたので、以前よりは落ち着いて状況を読めるようにもなりました。ただ、そこで同時に見えたのが、mean return の絶対量の薄さでした。私にとって今回いちばん重要だったのは、この事実を「残念な結果」としてではなく、このテーマをこの先も掘る価値があるのかを判断するための中心的な材料として受け取れたことです。
アルゴリズムトレーダーとして重要なのは、何か構造らしきものが見えたときに、それをきれいに説明することではないと思っています。
本当に重要なのは、その構造が主戦場で執行してもなお利益として残るのかを問い続けることです。構造があることと、金になることは別です。これは頭では分かっていた話ですが、今回の観測を通して、かなり実感を伴って腹落ちしました。
だから今回は、実装をさらに足したり、見え方をもっと整えたりする方向にはあまり行きませんでした。
むしろ、「今日はこれ以上掘らない方がよいのではないか」と思えたことの方が大きかった。これは慎重になったというより、前進の条件を事実ベースで引き直したという感覚です。多少それっぽく見えているからといって、そのまま進めるのではなく、平均の厚みが本当に足りているのかを優先して見る。その判断ができたのは、今日かなり大きな収穫でした。
そのうえで、次のアクションプランもかなりはっきりしています。
まずは半日〜1日ほど追加で観測を回して、局所条件でも mean return の厚みが出るのかを確認する。ここで局所的にも薄いなら、この組み合わせはかなり高い確率で切ってよいと思います。逆に、もし特定の時間帯・方向・horizon にだけ明確な厚みがあるなら、その条件だけを次の研究対象として残す意味が出てきます。
そして、今回それ以上に重要だと思えたのが、先行情報そのものを見直すという次の方向性です。
リードラグ研究の本質は、いま見えている構造をきれいに解釈することではなく、何を先行情報として採用すれば、自分の主戦場にとって意味のある遅れを観測できるのかを探すことにあります。だから次に掘るべきなのは、今の binance_perp の構造の続きではなく、そもそも binance_perp 以外にもっと相性の良い lead source があるのか、あるいは crypto 取引所以外の情報を先行情報として扱う余地があるのか、という問いの方です。
ここで土台になっている思想はかなりシンプルです。
私は、「研究として面白いか」ではなく、最終的に金になる可能性があるかでテーマを見たい。そのためには、構造の存在と収益可能性を分けて考える必要があるし、さらに言えば「もっと上手く見る」ことよりも先に、「それをまだ見る価値があるのか」を問わないといけない。研究はどこまでも続けられますが、トレードとして重要なのは、その中から金になる可能性のあるものだけを残すことです。
今回の記事を一言でまとめるなら、
リードラグっぽい構造が見え始めた日に、その構造を信じて前進するのではなく、“それは本当に金になるのか”で一度立ち止まれたことに意味があった
ということになると思います。
次にやることはもう決まっています。
この組み合わせを少しだけ追加観測して白黒をはっきりさせること。
そして、その結果を踏まえて、先行情報候補そのものの探索へ重心を移していくこと。
今日は、構造を見つけた日というより、どこまで掘って、どこで切るかを改めて決めた日だったと思っています。