暗号資産のステーキングとは「一定期間、資産を預けながら増やす方法」の一つ。
クリプトの世界にも銀行などとと同じように「一定期間、その暗号資産を決まった場所に預けておくと利子が入る仕組み」があります。
ステーキングは、暗号資産運用の中では比較的安定な方法です。
「暗号通貨を持っているけど、特に運用先がない」「ただホールドしているだけではもったいないなぁ」と思っている方は、ステーキングを検討してみると良いでしょう。
今回は、ステーキングを活用して資産を増やす方法について、初心者にも分かりやすく徹底解説していきます。
10分ほどで読めて、お金を増やす仕組みを理解できるようになっているので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
この記事を読むと分かること
- ステーキングの仕組み
- ステーキングの方法
- ステーキングのメリット・デメリット
- ステーキングの注意点
- 高利回りのステーキングの方法
ステーキングで資産が増える仕組み
ステーキングとは、一定期間お金を預けておくことでお金を増やす方法のこと。
ただ資産を預けているだけなのに、増えていくのはなぜなのか?
先に結論を言うと「特定の暗号通貨を多く持っていると得をする人」が、みんなからその暗号通貨を借り集めて運用することで何らかの利益を出して、その利益をみんなに再分配するという流れがあるからです。
ステーキングの流れ
- Aさんが暗号通貨を集める(みんなから借りる)
- Aさんは、集めた暗号通貨を運用して何らかの利益を出す
- Aさんは、その利益をみんなに再分配する
- 貸した人は利子としてAさんの儲けの一部を受け取る
ここでは、「マイニング」に焦点をあてて解説していきます。
まずは、暗号資産が生産される仕組みを理解しましょう。
暗号資産のマイニング
「暗号資産を発行・承認すること」を「マイニング」、その作業をする人を「マイナー」と言います。
- 暗号資産は、ブロックチェーンという仕組みを利用して形成される。(マイニング)
- ブロックチェーンを形成するためには、直前の取引履歴と整合性のある計算式(パラメータ)が求められる。
- そして、最も早くその計算式の答えを出した人が報酬を得る。
暗号資産がデータ承認されるには、2種類のやり方(アルゴリズム)があります。
プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work)とプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake)です。
プルーフ・オブ・ワーク
Proof of Work。直訳すると「労働の証明」。ブロックチェーンを形成するのに適したパラメータを一番早く出した人が報酬を得るやり方。ビットコインなどに採用されている。計算競争に勝ち抜いた者が報酬を総取りするため、現在では、マシンパワーの強さがそのまま成果となる。
そのため、マイニングによる電力が非常に多くなり環境に負荷をかけてしまうことと、マイニング環境を整えられる資本を持つ少数のマイナーだけが勝てる世界になっていくというデメリットがあるとされている。
プルーフ・オブ・ステーク
Proof of Stake。直訳すると「掛け金の証明」。その暗号資産を多く保有しているほど、承認作業の役割を割り当てられる確率を高められるやり方。ポルカドットなどで採用されている。これによってマシンパワーの強さに関係なく、承認権限を手に入れる環境が整った。
ただし、このままでは、多くの資産量を確保している者が強いことには変わり無いため、保有量だけでなく保有期間も考慮するタイプのプルーフ・オブ・ステークも存在する。要するに、プルーフ・オブ・ワークの問題点を解決するために考案されたやり方である。
これをさらに発展させたやり方にD・プルーフ・オブ・ステークという仕組みがある。
あなたが、プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake)を採用する暗号資産のマイニングを行う立場であれば、より多くの暗号通貨を保有したくなりますよね?
つまり、この場合は
- その暗号資産を他の人たちから借り入れて
- 自分の資産の保有量を増やし
- マイニングの権利を獲得しやすくして
- マイニングから得た報酬の一部を借りた相手に還元する
という流れがあるのです。
これにより、暗号資産を少額しか保有していなくてマイニングに参加できない人でも、自動的に報酬を得ることができるのです!暗号資産をただ保有しているだけでは勿体ないですね。
暗号資産を集める人 | 暗号資産の保有量を増やし、マイニングに参加して報酬を得られ得る確率が高まる |
暗号資産を貸し出す人 | 暗号資産を貸し出した相手から、報酬の一部を金利として受け取れる。 マイニングに参加していないが、報酬を得ることができる。 |
発展型プルーフ・オブ・ステーク
デリゲイテッド(Delegated)・プルーフ・オブ・ステーク。承認作業を任せる人(デリゲーター=delegator)を暗号資産の保有者達の投票で決定するやり方。プルーフ・オブ・ステークの仕組みに民主制をもたせたもの。投票の結果によっては、資産がロックされたり被委任者にペナルティが課されたりすることもある。プルーフ・オブ・ステークよりも取引処理のスピードが高まることが期待されている。暗号資産リスク(LSK)で採用されている。
ステーキングの方法:初心者
初心者でも取り組みやすい方法としては、「国内の取引所に口座を解説して、特定の暗号通貨を購入してホールドする」というものがあります。
要注意!
本記事の執筆は2022年3月です。暗号通貨の業界は変化が早いので、閲覧時の状況(特に銘柄の情報)は執筆当時と異なっている可能性が非常に高いです。ここに書いてあることは、あくまで参考例程度にとどめておいてください。本記事の情報は、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。
GMOコインを利用する
現在、最も手軽にステーキングができる方法。暗号資産初心者におすすめ。暗号資産テゾス(XTZ)をホールドすることでステーキングに参加することができます。
ビットフライヤーを利用する
これも手軽に行えるステーキングの方法。暗号資産リスク(LSK)をホールドすることでステーキングに参加することができます。
ステーキングのメリット・デメリット
ノーリスクで資産を増やせるような上手い話など絶対にありません!メリットとデメリットを理解した上で、暗号資産の運用をするかどうかを決めましょう。運用を始めたら自分で調べなくてはいけないことがたくさん出てきます。
メリット
放置して運用できる
ステーキングは参加するだけで利益を得ることができます。何もしなくても資産が増えるということが最大のメリットです。暗号資産は、金融市場においてはまだまだ発展途上。日々の激しい値動きは当たり前。値動きに激しさが精神衛生上良くないという方にとっては、放置しておけるという運用方法自体が大きなメリットになりますね。
利率が高い
法定通貨の預け入れよりも、はるかに高い利率が見込めます。日本では銀行に預けている場合の利率は0.1%を下回ります。しかし、2021年の暗号資産のステーキングを見てみると、リスク(LSK)は年利0.5%、テゾス(XTZ)では年利7%程度の実績があります。
各取引所も、平均して3〜6%の年利を提示しています。株式における超安定択であるインデックス投資の平均年利が4%程度。暗号資産においては、現在でも様々なサービスが開発されていることを踏まえると、将来性込みで暗号資産の運用にも有益性があると言えます。
将来性のある暗号資産のホールドにつながる
ステーキングは、一定期間のホールドを強制されます。そのため、長い目で見て伸びていくであろう暗号資産を選ぶことが重要になってきます。手放せないこと自体が、買う前の精選につながります。
短期的な投資でないということが、慎重で深い調査につながるため、暗号資産のことに詳しくなれるというメリットがもたらされます。暗号資産界隈の情報に明るくなれるため、本質的な部分の理解が得られるのです。
デメリット
一定期間は資産を動かせない
一定期間ホールドしなければ、利益を得ることはできません。ステーキング中に資産を動かせるプロジェクトもありますが、そのプロジェクトにおいても、一定期間内に資産の売買をしてしまうと、ステーキングによる報酬は得られなくなります。
海外の取引所の中には、資産のロック期間が明確に定められているものもあります。
暴落リスクがある
仮想通貨は値動きが激しい。特にステーキングの対象となる暗号資産は、限られた人のもとに富が集中する構造になっているため、持ち主が一気に手放すと価格も一気に下がります。そのため、長い間ホールドしておける将来性を見極める必要があります。
短期的に見て高騰しているだけの暗号資産は、価格暴落の可能性も高いです。
短期での高い利回りは出しにくい
ステーキングは、自分で利回りを引き上げることはできません。自分で手を動かして取引を進めるのが楽しい人や資産を一気に何倍にも増やしたい人は、ステーキング以外の方法を考えた方が良いでしょう。ステーキングは、長期的な投資を行いたい人に向いた運用方法です。
暗号資産は値動きも激しいので、少なくとも半年間はその価値を信じられるものに絞って運用した方が良いですね。
ステーキングの注意点
暗号通貨関連のリスクと根本的な対処法はこちらから
→【必ず役に立つ!】DeFiのリスクを下げる方法【古びない考え方を身につける】
操作ミスに注意!
取引に慣れるまでは、①小額を送金する②大きな額を送金するという手順を踏むようにするのは鉄則です。暗号資産はあくまでデータ上の取引が主体。そのため、資産の送金で1つでも間違いがあると資産が一瞬で消し飛びます。
相互性のあるネットワーク上のやり取りになっているかを確認して、送金先のアドレスも間違いのないよう指差し確認を必ずしましょう。いきなり大きな額を送金して資産を消し飛ばすことほど残念な失敗はありません。個人の操作ミスで資産を失うことを「ゴックス」と言います。酔っ払っている時に暗号資産を触ってはいけません。
手数料の少ない取引所を選ぶ
送金などの手数料を極力減らした取引所を選ぶのが大切です。そもそも金融サービスを提供する企業は、利用者から得る手数料(金利)で儲けているのです。
金利を得る側に回るはずのステーキングなのに、自分自身が金利を払う側になっていてはいけません。こういった長期保有の投資で必要なのは、いかに手数料を減らせるかという点です。
ドル基準のレートに慣れる
暗号資産のサービスは、海外を中心に生まれています。そのため、円との交換チャートよりも、ドルとの交換チャートの見方に慣れておいた方が良いです。バイナンスなどの海外取引所を眺めているだけでも、段々と目が慣れてきます。初心者のうちは、ドル基準のチャートにも目を通すようにすると良いでしょう。
1ヶ月も眺めていれば、自然とドルと円との変換もできるようになります。ステーキングに触れることで、外貨の動きにも興味が湧くので、金融への興味関心を強制的に高めるという意味でも、ステーキングは有効です。
ハッキングのリスクを理解しておく
暗号資産運用は、数々のハッキングのリスクを伴うということを理解しておきましょう。ブロックチェーン上に承認された暗号資産そのものは、改ざんされにくいのですが、それを扱う取引所やネットワークがハッキングされてしまうと、資産を失うことに繋がります。よっぽどの大富豪でもない限り、生活資金が残らないほどの額を回すべきではありません。
暗号資産は、ある意味では共同幻想でもあります。失っても笑って済ませられる額で投資しましょう。
資産の総量にもよりますが、全資産運用額のうち3割程度にとどめておくことをお勧めします。そして、資産をできる限りハッキングのリスクから遠ざけるようにすることです。
全体像を把握できるようにしておく
暗号通貨を運用していると、自分の資産がどこでどのように動いているのか分かりにくくなります。特に、法定通貨以外の取引を行う人にとっては非常に新鮮な経験になることでしょうし、そもそも資産を保有しているということを感じにくい時もあります。
そのため、自分が保有する暗号資産を一覧にしてくれるアプリなどを使って、自分の資産の運用状況をいつでも確認できるようにしておきましょう。本格的に儲かってきたら、納税についての正しい理解も重要です。
お勧めアプリやサイトは別記事にて紹介します。
ステーキング中級者への道
より高い利回りを得たい方には、海外の取引所を利用することをお勧めします。私自身は、国内の取引所はほとんど使っていません。理由は、暗号資産関連のサービスが誕生するのが、日本よりも海外の市場の方が圧倒的に多いからです。
日本に渡ってきたサービスは、その時点で国際的には2〜3周遅れた展開力しか持たないというのが私の考えです。つまり、日本人の多くに理解されて受け入れられるようになっている時点でそのサービス自体の旨味は薄いということです。
ポルカドットなどをホールドする
例えば、デリゲイテッド・プルーフ・オブ・ステークを採用したポルカドットという暗号痛があります。これらの暗号通貨をステーキングするという方法もあります。ポルカドットのステーキング自体は行うこと自体は特別難しいことではありません。
しかし、全ページが英語表記なので翻訳ソフトを使ったり、自分で言葉の意味を調べたりする手間がかかります。また、投票によってマイニングする人を決めるため、自分が投票した相手がマイニングの承認を得られなかった場合は、利益を得ることができません。
それでも、ポルカドットなどに関わることで、デリゲイテッド・プルーフ・オブ・ステークに関わるという経験を積むことができる点にはお金以上の価値があると考える人もいます。興味のある方は、勉強のために少額の運用から始めてみると良いかもしれませんね。
バイナンスを利用する
海外の取引所を利用する方法。やや難易度は高いですが、その分高い利回りを得たり、日本の取引所では扱っていない様々な暗号資産を選べたりする自由度の高さが魅力。イーサリアムのステーキングに参加できるのも嬉しいポイント。
Binance(バイナンス)は、中央集権で気に管理されているため、正確にはDEX(分散型取引所)ではありませんが、かなり高い利回りが期待できます。個人的には、バイナンスの提供する様々なサービスは非常に使いやすいのでおすすめです。
https://www.binance.com/en←バイナンス公式HP
サイトも多言語に対応(もちろん日本語も)しているので大部分は理解できますし、スマホアプリのインターフェースも見やすくて使いやすいです。
↓【バイナンス公式HPのスクリーンショット】
ETHを120日間ロックすることで、10.12%の年利を得られることが分かります。この年利は変動しますし、バイナンス自体が潰れてしまうというリスクもあります。
しかし、「ごちゃごちゃ考えずに安定的に運用したい」という方であれば、一定額をこうした取引所に預け入れるという選択肢はアリです。
また、サイト内の教育コンテンツも充実しているので、これから勉強したいという方にもおすすめ!
PancakeSwap(パンケーキ)などのDEXを利用する
初心者のうちは、インターフェースが美しく使いやすいDEX(分散型取引所)を選ぶと良いですね。暗号資産運用においては「パンケーキスワップ」がおすすめ。
ローリスク&ミドルリターンが期待できます。DeFi入門用のDEXとしても一つの到達点的な立ち位置を確立しています。
初心者から上級者まで、暗号資産運用の楽しさと可能性を存分に感じさせてくれます。
「パンケーキスワップを初めてみたい」という方はこちらから
→【初心者でも安心!】PancakeSwap(パンケーキスワップ)でDeFiを始める方法
まとめ
ステーキングの仕組みから、実践方法までを解説しました。まずは国内での取引所で慣れてから、海外の取引所に移行していくのがオススメです。英語が得意な方や金融資産の取引に慣れている方やチャレンジが好きな方などは、いきなり海外の取引所を利用するのもアリですね。
デジタル化が加速する中で、暗号資産の取引は今後もますます加速していくでしょう。比較的リスクの少ないステーキングから始めることで暗号資産の世界を理解して、お金を増やす方法をどんどん学ぶきっかけにすることができます。
ステーキングのおさらい
- ステーキングとは暗号資産のプルーフオブステークというやり方を利用した資産運用の方法である。
- メリット・デメリットを理解して、リスクを下げる運用を心がける必要がある。
- 国内の取引所と海外の取引所が利用できる。
- 国内の取引所は手軽に利用できるが制限が多い。
- 海外の取引所は、利用の難易度はやや高いが自由度が高い。
- 特にオススメはバイナンス(Binance)とPancakeSwap(パンケーキスワップ)