こんにちは、yodakaです。
- Chainlink(チェインリンク/チェーンリンク)って何?
- 仕組みや特徴を教えてほしい
- プロジェクトの将来性を知りたい
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
Chainlink(チェインリンク/チェーンリンク)は、ブロックチェーンのオラクル問題を解決し、スマートコントラクトの機能拡張を目指すプロジェクトです。
様々な領域で広く使われている技術を提供することで
ブロックチェーンが私たちの生活に浸透していく基盤を作る
プロジェクトなのです。
本記事では、Chainlink(チェインリンク)がどれほどすごいことを成し遂げているかということを伝えるとともに、今後のブロックチェーン業界の発展可能性を考えたり、クリプト界隈で生き抜く知恵を身につけるきっかけを提供します。
仮想通貨のDeFi運用やNFT取引をしている方にとっても必ず役立つ知識となるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
本記事を読むと分かること
- Chainlink(チェインリンク/チェーンリンク)とは何か?
- Chainlinkがどのように稼働しているのか?
- Chainlinkのセキュリティ
- ネイティブトークンLINKの価値
- Chainlinkのユースケース
情報ソース
Chainlinkとは何か?
近年、Ethereumを中心にブロックチェーン技術を使った様々なアプリが開発され、人々の生活の中にも浸透し始めてきました。
ブロックチェーン技術を活用した自動処理(スマートコントラクト)は、金融(DeFi)やゲーム開発、NFT取引などを始めとしてユースケースの拡張が続いています。
多くの人々の手に触れることによって、ブロックチェーンの持つ様々な課題も見えてきました。
Chainlinkは
ブロックチェーンの内部と外部の情報をつなぐ橋渡し役
として機能し、
- ブロックチェーンのオラクル問題の解決
- スマートコントラクトの機能拡張
を目指すプロジェクトです。
なぜ、橋渡し役が必要なの?
それは、データの信頼性を保証するためのオラクル問題が発生するからです。
まずは、オラクルについて解説します。
オラクルとは
ブロックチェーンの内部に情報を提供する役割を果たす存在(情報提供者・情報ソース)
のことです。
例えば、仮想通貨の価格、ユーザーの人数、商品の個数や天気の情報など、演算処理に必要なありとあらゆる情報がオラクルを通じてブロックチェーンの内部にもたらされます。
通常、スマートコントラクトの処理においては、オラクルから情報を受け取った情報を元に、ブロックチェーンの内部で演算処理が実行されます。
複雑な情報処理をするブロックチェーンネットワークにとって、オラクルは欠かせない存在です。
ブロックチェーン自体は大変強固な仕組みなのですが、直接外部データにアクセスしたり、外部から入力されたデータの正当性を検証したりすることはできません。
そのため、「オラクルからの情報が間違っていると、ブロックチェーン内部の処理も誤った結果になる」という問題が発生します。
つまり、オラクルから送られてくる情報は絶対に正しいものでなければならないのです。
ここで重要なのは
オラクルが1つだけだと、限られた情報だけに頼りきりになり、情報の正当性が低下したりハッキングのリスクが高まったりする
ということです。
中央集権化したオラクルが悪意ある一部の人間に乗っ取られてしまうと、そのブロックチェーンネットワーク全体に大きな被害をもたらします。
「ブロックチェーンのオラクル問題」とは
ブロックチェーン外部のデータの信頼性をどうやって保証するのか
というものです。
オラクルからのデータの信頼性を高めるためには、どうしたら良いの?
そこでChainlinkから提案されたのが
オラクルネットワークの分散化
です。
- オラクルを複数に分散化させる
- 情報提供者が増える
- 情報の正当性が高まる
という発想です。
Chainlinkは、分散化したオラクルネットワークの仲介役(ミドルウェア)としてサービスの提供をしているのです。
オラクルへの情報の取り入れは、以下の流れで行われます。
- 外部ネットワークから分散型オラクルネットワーク(DON)に情報を送る
- 分散型オラクルネットワークからブロックチェーンに情報を送る
ポイント
- ブロックチェーン技術が広く使われるようになって、オラクル問題が発生した
- オラクルとは、ブロックチェーンに内部に情報を送る存在
- オラクルの中央集権化が、ブロックチェーンの安全性を低下させるというリスクを生む
- オラクル問題とは「ブロックチェーン外部の情報を信頼性をどうやって保証するのか」というもの
- オラクル問題を解決するために、「オラクルの分散化」というアプローチが提案された
- Chainlinkは「分散型オラクルの仲介役(ミドルウェア)」として機能している
Chainlinkが稼働する仕組み
Chainlinkはどういう仕組みで動いているの?
それでは、Chainlinkが稼働する仕組みについて解説します。
Chainlinkが情報処理をする構造は、以下の図のようになっています。
- 各ノードは分散化されたオラクルに情報を書き込む
- オラクルの集合体で情報を処理する
ノード
ここでは、ブロックチェーンの情報を処理したり管理したりする端末のことを指す。ノードの管理者をノードオペレーターと呼ぶ。
上の図の①の部分をもう少し詳しく見ていきましょう。
オンチェーン(内部の仕組み)
オンチェーン部分(各オラクル)は、以下の3つの役割で構成されています。
- Consumer(コンシューマー):Chainlinkデータフィードを消費(≒使用)して、情報処理をする。Agregatorgaがまとめた情報から参考値を選び取る。
- Proxy(プロキシ):ConsumerとAgregatorの中継。Proxyが介在することで、Consumerの稼働を止めることなく、基盤となるAgregatorをアップグレードすることができる。
- Agregator(アグリゲーター):オラクルネットワークから定期的な情報更新を受け取る。集約された情報を保存し、Consumerが情報処理をできるようにする。
参考:分散型データモデル
オフチェーン(外部とのつながり)
Chainlinkは、外部ネットワークとのやりとりに正当性を持たせるために、OCR(Off-Chain Reporting )という形式が採用しています。
この方法では、トランザクションを集約して送信するのでガス代が削減されます。
通信は、チェーンリンクノード間のピアツーピアネットワークを介してほとんどオフチェーンで行われます。
ノードは、プロトコルを駆動するリーダーを選出し、リーダーは定期的に新たに署名された観察結果を提出するようにフォロワーに求め、その結果をレポートにまとめます。
そして、そのレポートをフォロワーに送り返し、レポートの有効性を確認するよう求めます。
リーダーは、必要数の署名が集まったレポートを再度受け取り、最終レポートとしてまとめ、全てのフォロワーに拡散します。
この一連のプロセスは、ランダムなスケジュールで実行されます。
このように、確認作業を何度も挟むことで、データ送信の信頼性を担保しているのです。
【技術的な解説はこちらから】
ネイティブトークンLINKの価値
Chainlink関連のトークンはあるの?
Chailinkは、「LINK」というネイティブトークンを発行しています。
このトークンは、Chainlinkのコミュニティを維持するために非常に重要な役割を果たします。
LINKトークンの役割は
- ノードオペレーターへの報酬
- コントラクト作成のための証拠金
です。
ノードオペレーターへの報酬
LINKトークンは、正しい情報を素早く提供してくれたノードオペレーターへの報酬として支払われます。
ノードオペレーターは複数存在し、競い合って報酬を獲得する仕組みになっているため、Chainlinkのネットワークに情報提供する人やそのネットワークに何らかの形で関わる人たちの間で、LINKトークンに価値が生まれるのです。
コントラクト作成のための証拠金
ノードオペレーターとしてコントラクト作成に参加するためには、プロトコルに一定額のLINKトークンをロックしなければなりません。
そのため、Chainlinkを介して何らかの利益を得ようと考えている人たちにとって、LINKトークンに需要が生まれるのです。
Chainlinkというプロジェクトに参加するためのチケットであり、報酬でもあるというイメージですね。
現在は、1LINK=975円という価格をつけていますが、一時期は5,000円を超えていた時期もあります。
Chainlink関連のプロジェクトの需要が、価格上昇の一因になっていると考えられます。
今後のプロジェクトの発展に期待したいですね。
Chainlinkの信頼性
どうしてChailinkに正しい情報が集まるの?
それは、Chainlinkに情報提供する仕組みに3つのポイントがあるからです。
Chainlinkは、情報提供者に対して3つのルールを課しています。
- 情報提供のためには条件がある
- 正しい人は得をする
- 不正をすると罰を受ける
情報提供のためには条件がある
情報提供者、LINKトークンをプロトコルにロックする必要があります。
これは、言い換えれば「私は正しい情報を提供することができます」という証拠金のようなもの。
一定額の証拠金を預かることで、自由に誰でも情報提供に参加することを防いでいるのです。
正しい人は得をする
情報提供をした上で、その作業を最も早く終えた人には、報酬としてLINKトークンが支払われます。
つまり、正しい情報を書き込む競争が行われるのです。
さらに、常に成績が優秀な人は評価が高まりそれが記録されるようになっています。
評価が高い人は、その後の成功報酬にボーナスが出るため、競争に勝って報酬を得るためにインセンティブはますます高まるという仕組みです。
不正をすると罰を受ける
間違った情報提供者にはペナルティが発生します。
情報提供をした際に、悪意のある行動をしたとみなされた場合は、ロックしたトークンが没収されます。
基本的には、悪意ある攻撃によるメリットが、ペナルティによる損害を上回らないように設計されています。
そのため、攻撃者には意図的に不正行為を働くメリットがないのです。
Chainlinkのユースケース
Chainlinkはどんなことに使われているの?
それでは、Chainlinkが使われているケースをDeFiを中心に4つ紹介します。
分散型価格フィード
Chainlinkは、トークンの価格データを得るためのツールとして、様々なアプリで利用されています。
主要なDeFiアプリで、公正な事情価格でのローンの発行・金利の算出・自動複利運用・配当の発行の自動化・オプション契約の決済・ステーブルコインの発行などができる裏側には、オラクルとしてのChainlinkの支えが欠かせません。
DeFiSafetyなどで調査してみると、Chainlinkをプロトコルのオラクルとして採用しているDEXを知ることができます。
資産管理の自動化
スマートコントラクトを使用すると、所定の間隔で取引戦略を自動的に実行できます。
しかし、現実にはあらゆる変数が入り乱れるため、一度定めた戦略でも変更や調整が必要になります。
特に、イーサリアムネットワークでは、ガスコストと収益性のバランスを取ることが難しく、自動運用を行いたいトレーダーにとっては、コストのリバランス調整のためにリアルタイムの正確な情報が必須です。
Visor Financeは、分散型トランザクション自動化サービスであるChainlink Keepersを使用して、あらかじめ設定した閾値を超えた時にUniswapV3の流動性ポジションを再調整してくれるプロトコルとして利用されています。
サーキットブレーカー
仮想通貨の資産価格は非常に変動幅が激しく、アービトラージで資金を失ったり、レバレッジをかけたポジションが原因で誤って精算されたりする可能性があります。
このような事態が発生すると、取引所(特にDEX)はユーザーの信頼を失い、取引所の存続事態が危うくなる可能性があります。
そこで、取引所は、際立った値動きに対して不当に資産を失わないようにDegitexを利用したサーキットブレーカーを導入します。
取引所の価格が、Chainlinkオラクルによって報告された市場価格から一定の割合を超えて逸脱した場合、サーキットブレーカーが稼働し、取引と精算が一時的に停止され、資産を守ることができる可能性を引き上げます。
ゲームとランダム性
スマートコントラクト上でゲームを開発する場合、NFT(非代替性トークン)をが組み込まれていることが多いです。
それらのNFTは、オンチェーン上にデータの唯一性が保証されるため、現実世界のアセットに引けを取らない価値を持つ可能性があります。
資産価値を持つNFTを獲得するというインセンティブをもたらすゲームそのものも楽しめるものであれば、そこには巨大な経済圏が生まれます。
ゲームの楽しさを生み出す要因の一つはランダム性。
Chainlinkjは、VRFというランダム性ソリューションを提供しています。
VRFが生成するランダム性は、ユーザー・製作者・その他の外部要因によって容易に操作されない耐性を持っているので、ブロックチェーンゲームに公平で偏りのない要素がもたらされます。
参考:Chainlinkによって可能になる77以上のスマートコントラクトのユースケース
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
Chainlinkがブロックチェーンのオラクル問題を解決するための役割を果たしていることをお伝えしました。
ブロックチェーン技術が発展し続ける限り、Chainlinkのようなサービスの需要は高まっていくでしょう。
今後の更なる発展に期待したいですね。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
- Chainlinkは、ブロックチェーンのオラクル問題を解決するためのプロジェクト
- 分散型オラクルの仲介役として機能する
- 各ノードに正しい情報提供のインセンティブを与えることで、情報の正当性を保っている
- 独自トークンLINKを発行している
- LINKトークンは、ノードへの報酬・情報提供作業に参加するための証拠金として機能する
- 分散型オラクルは、ブロックチェーン技術の拡散と発展を陰で支える技術であり、多くのユースケースがある
情報ソース