今回は、Uniswap(ユニスワップ)の始め方を初心者でも分かるように解説していきます。
DeFiの基礎となる「スワップ」と「流動性の提供」を学ぶことができますので、ぜひ最後まで読んでいってください。
「DeFiって何?」という方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
Uniswapについてさらに詳しく学びたい方は以下の記事も併せてお読み下さい。
→【超重要DeFiプロジェクト解説!】Uniswap(ユニスワップ)って何?【特徴・仕組み・機能・使い方・リスク管理】
この記事を読むと分かること
- Uniswap(ユニスワップ)とは何か
- Uniswap(ユニスワップ)の始め方
- 始めるまでにかかる時間・費用・環境
- Uniswap(ユニスワップ)のメリット・デメリット
- リスクとその対策
Uniswapとは?
ユニスワップとは、DeFiにおけるDEX(分散型取引所)のひとつ。ものすごく簡単に言うと「仮想通貨の交換所」です。
ある仮想通貨を別の仮想通貨と交換したり(スワップ)、異なる仮想通貨のペアの貸し出し(流動性の提供)ができたりします。(後で詳しく解説します)
ローンチされたのは2018年で、DeFiのサービスの中では最古参の部類です。
2022年4月現在、ユニスワップのTVL(預けられている資産総額)は約70億ドル。これは、DeFi関連のDEXの中では第5位です。歴史も長く、信頼性が高いDEXの一つと言えるでしょう。
TVL
Total Value Lockedの略語。その取引所に預けられている資産の総額のこと。もう少し正確に言うと、そのDeFiプロトコルに預けられている全ての暗号通貨の”現在の”価値の総額(予測の利回りは含まない)。
DeFiのみならず、金融の分野においては非常に重要な用語。DeFiでは資産の流動性が命なので、多くの資産が預けられていれば、それがそのまま取引所の人気につながります。TVLはDEXの信頼性を表す最も重要な指標の一つなのです。
Uniswapでできること
Swap(スワップ)
仮想通貨の交換ができます。例えば、こんな感じ。
ここでは、「ETH」を「同じ価格分のUSDC」に交換しようとしています。取引の実行には手数料がかかります。(ETHで支払う)
円をドルに両替する仕組みと同じですね。
本人確認は必要ありません。承認ボタンを押すだけで交換が完了します。
例えば、手持ちのETHをUSDCに変えて別の目的で運用したい時にスワップ機能を使うのです。
他にも交換可能な暗号通貨はたくさんあります。2022年4月現在、1500種類以上の暗号通貨が登録されています。
では、その交換する仮想通貨はどこから準備しているのでしょうか?
それは、Uniswapを使うユーザーのみんなです。次の項で詳しく解説します。
流動性の提供
取引所で暗号通貨の交換が行われるよう手助けをします。
基本的には、自分の持っている暗号通貨を「2つ1組のペア」にして”その時点で同じ価値”になるように量を調整して預け入れます。
こんな感じです。
ここでは、UNIとETHのペアの預け入れをしようとしています。
実際には、UNIとETHペアの預け入れをしている人は他にもたくさんいます。つまり、大勢の人たちで協力して「暗号通貨の交換が行われる大きな場所=流動性プール」を作っているのです。
このようにして多くの資産がまとめて預け入れられることによって、誰かががUNI⇄ETHを交換したいときに、そのプールの中で交換(スワップ)を行うことができるようになります。
ETHが必要な人がETHと交換でUNIを引き出していったり、逆にUNIが必要な人がETHと交換でUNIを引き出していったりするわけですね。
流動性というのは、この交換によって生じるお金の流れのこと。この場合は「UNIとETHの流動性を提供した」ということになります。
そして、「交換(スワップ)の時に発生した手数料の一部」が流動性を敵供した人の元に金利として入ってくるのです。
UNI・ETHのペア以外にも、数多くの流動性プールが存在します。
提供するペアの種類などによって、得られる金利は変わります。
Uniswapの特徴
スワップ系DEXの元祖である
ユニスワップは、DeFiにおけるスワップ系AMMの元祖的な存在です。
要するに「暗号通貨の交換を全自動で行うこと成功させた最初の取引所」ということです。(「最初」というところが重要です)
2018年にローンチされてから、2022年4月現在までに2度のバージョンアップをしていて、現在はUniswap V3。機能面の拡張が続いています。
ユニスワップのソースコードは非常に画期的で、これを参考にした数多くのDEX(Sushiswapなど)が開発されるきっかけにもなりました。
つまり、ユニスワップは「DeFiという金融形態の在り方を広げるきっかけを作ったDEX」なのです。
AMM
Automated Market Makerの略語。「価値(お金や資産など)の流れを自動的に生み出す存在(場・システム・プロトコル)」のこと。「自動マーケットメイカー」と訳されることが多い。DEX( 分散型取引所)の多くで採用されているシステム。
ユニスワップの場合は、暗号通貨の交換や流動性の提供、それらに伴う手数料の回収や分配などを全て自動的に行うことで、そのプロトコル内に価値の流動性を生み出している。
イーサリアムに対応している
ユニスワップは、イーサリアムというネットワーク上で動いています。そのため、イーサリアムネットワーク(チェーン)に対応した暗号通貨を取り扱うことができます。
例えば、クリプト業界では最も有名である暗号通貨・ビットコインはイーサリアムネットワークとは別のネットワーク上に存在するため、ビットコインを直接ユニスワップで取引することはできません。
ここでは一旦「ユニスワップはイーサリアム系のDEX」であるという理解でOKです!
補足
ビットコインに限らず「イーサリアムネットワークに対応していない暗号通貨」は「イーサリアムネットワークに対応した状態」に加工しなければなりません。この問題を解決するために、異なるチェーンをまたいで暗号通貨のやりとりをする方法も数多く開発されています。
この点については、別記事で解説します。
大きな事故が起きていない
ユニスワップはローンチ開始からこれまでの約4年間、大きな不具合を一度も起こしていません。これはDeFi界隈における大きな強みです。
ハッキングのリスクにさらされたり、プログラムのバグでDEX自体が取引を停止せざるを得なかったりすることが日々起こり続ける中で、大きな事故を起こしていないDEXは本当にごくわずかです。
システムの堅牢性やセキュリティの高さを物語っています。
もちろん、ユニスワップがシステムである以上、今後も不具合が発生しない保証はありませんが、それは他のDEXにも言えること。
DeFiの初心者から玄人まで信頼して使えるDEXであると言えます。
ガバナンストークンの発行数に上限がある
ユニスワップが発行しているガバナンストークンがUNI(ユニ)です。
ユニスワップは、ガバナンストークンの発行数に上限を設けています。2022年4月現在、UNI(ユニ)の発行数上限は、10億枚。
通貨の流通量が増えれば、相対的にその通貨の価値が落ちるということを考えると、発行枚数に上限を設けることは、その通貨の価値を担保するという意味では非常に理にかなった方法であると言えます。
ガバナンストークン
DEX(分散型取引所)が発行する独自の暗号通貨(トークン)のこと。ガバナンス(governance)とは「統治に関わるあらゆるプロセス」という意味。
ガバナンストークンを持っていることで、DEXの運営に関わる権利証明になる。一定量のガバナンストークンを所持していれば、DEXの運営に関する提案をしたり、その提案に対して「賛成・反対」の票を投じたりすることができるようになる。
パンケーキスワップが発行する「Cake」やスシスワップが発行する「Sushi」なども有名なガバナンストークン。
参考:https://thedefiant.io/what-is-uniswap/【ユニスワップとは何か?】
Uniswapの始め方:スワップ→流動性の提供まで
用意するもの:スマホ(取引に関わる2段階認証で電話番号が必要)、PC(スマホでもできますが、PC推奨です)、WebブラウザChrome、身分を証明するもの(免許証やマイナンバーカード)、初期費用(1〜2万円程度)
かかる時間:実質作業時間は約2時間(待機時間込みで半日〜1日程度)
手数料:3,000円~ ※2022年4月時点(暗号通貨の相場による)
手順
- コインチェックで口座開設をする←無料
- メタマスクのアカウントを作る←無料
- コインチェックに入金する←手数料がかかる
- ETHを購入する←手数料がかかる
- ETHをメタマスクに送金する←手数料がかかる
- メタマスクをUniswapと接続する
- スワップを実行する←手数料がかかる
- 流動性の提供をする←手数料がかかる
コインチェックで口座開設をする
コインチェックやビッチフライヤーなど様々な取引所があります。私は操作画面の見やすさと使いやすさとケアサポートの早さから、コインチェックを使っています。口座開設するだけなら、スマホでも簡単にできます。
ここがポイント!
重要なのは「取引所形式」で購入できる取引所を選ぶこと。購入や送金の手数料を抑えることができる取引所を選びましょう。少額の運用ならそこまで気にする必要はありませんが、大きな額を動かすようになると「手数料による損をしないこと」は、ものすごく気をつけるべきポイントとなってきます。小さな額を動かす時から気にするクセをつけておくと、後々大きなリターンとなりますよ!
メタマスクのアカウントを作る
ユニスワップは、国内の口座から直接送金することができません。暗号通貨を管理する管理するお財布(ウォレット)が必要です。今回は、MetaMask(メタマスク)を使います。
↓アカウント作成は、こちらを参考にしてください。早ければ5分ほどで完了します。無料です。
【知識ゼロから学べる!】MetaMask(メタマスク)って何?【アカウント作成方法・使い方・注意点まとめ】
コインチェックに入金する
まずは、コインチェックの口座に入金しましょう。銀行振込がおすすめです(振込手数料は掛かる)。コンビニ入金やクイック入金は手数料が770円かかります。
また「クイック入金」を選ぶと、口座からお金を移せるようになるまで1週間のロック期間が設けられます。(マネーロンダリングを防ぐための措置)
すぐに取引を始めたい方は、銀行口座からの振込がおすすめです。
ETHを購入する
送金したい暗号資産を購入します。今回はETH(イーサ)を購入。
PCからログインして「ホーム」→「販売所(購入)」→「ETH」→「購入」を選択。
超重要!
「現物取引・板取引」ができるときは、そちらの方法で購入することで、手数料を安く抑えることができます。スマホアプリからの購入だと割高です。暗号通貨の購入方法には「販売所形式」と「取引所形式」の2種類があります。コインチェックはスマホアプリからだと、手数料が割高な「販売所形式」でしか売買ができないのです。(2022年4月現在)
ETHをメタマスクに送金する
メタマスクのウォレットアドレスをコピー。
コインチェックのサイトにて「暗号資産の送金」を選択。→宛先に「メタマスクのウォレットアドレス」を貼り付け。他の情報も入力して送金。
送金手続き心配な方はこちらから「メタマスクの使い方・入金」を参照。特に送り先のウォレットアドレスを間違えないように注意!1文字でも間違えると資産が消えます。
入金手続きが通るとメールで通知が届きます。
メタマスクをUniswapと接続する
「ウォレットに接続」を選択。
「MetaMask」を選択。
パスワードを入力→「ロック解除」を選択
画面右上に「自分のウォレットアドレス」が表示されていれば、接続成功です。
スワップ・ラップを実行する
2種類の暗号通貨(トークン)を準備します。ここでは「スワップ」と「ラップ」の手順を見てきましょう。
まずはスワップです。ETHをUSDCに交換します。
「スワップ」を選択。交換元に「ETH」を選択→「トークンを選択」をクリック。
USDCを選択。
金額を入力。片方を入力すると、もう片方の金額が自動的に算出されます。今回は、0.01ETHと同額の32.3731USDCが自動的に算出されていますね。
気になる方は、詳細も確認。
重要!
この後、USDCを使って流動性の提供を行います。また、取引の手数料としてもETHが必要になります。
メタマスク内のETHは常に余裕を持って確保しておくようにしましょう。ETHが足りないと、いざという時に取引ができなくなってしまいます。
「スワップ」をクリック。
MetaMaskが立ち上がるので、ガス代(取引手数料)と合計額を確かめてから「確認」をクリック。
※手数料はリアルタイムで変動します。
スワップが実行されて、、、
取引完了。続いて「USDCをメタマスクに追加」を選択。
メタマスクが立ち上がるので、「トークンを追加」を選択。
「閉じる」を選択。
ウォレットに「USDC」が反映されました!
次にラップ。(ETHをWETHにスワップ)
今回は練習なのでとりあえず0.009WETHと設定して「ラップ」を選択。
手続きと承認の流れは、USDCの時と同じ。「承認」をクリック。
メタマスクにWETHに表示できるよう対応させます。「トークンをインポート」をクリック。
検索欄に「w」と入力→検索結果が表示されるので「Wrapped Ether(WETH)」を選択して「次へ」をクリック。
WETHが反映されていればOK!流動性の提供準備が整いました。
流動性の提供をする
USDCとWETHのペアで流動性の提供をしていきましょう。
「プール」→「新しいポジション」を選択。
2ヶ所に「USDC」「WETH」を選択。
預け入れる量を選択。「WETHを承認する」を選択。
補足
今回はUSDCを最大量で設定したため、それに対応した量のWETHが自動的に選択されています。細かい調整も可能ですが、今回はこれで承認を進めます。
「確認」を選択。
「プレビュー」→「追加」を選択。
メタマスクが立ち上がるので「確認」をクリック。
ガス代の設定をして「保存」を選択。ひとまずは「中」を選んでおけばOK。
改めて「確認」をクリック。
承認作業が進んで、、、
「閉じる」を選択。
「プール」の欄に「提供した流動性プール」が表示されていればOK!
お疲れ様でした。これにて「流動性の提供」は完了です!
詳細を確認すると「流動性の解除」と「報酬の取得」が選択できるようになっています。
資金を引き出す
「プール」→「引き出したいプール」を選択。
「流動性を解除」を選択。
「解除」をクリック。
Uniswapのメリット・デメリット
メリット
操作・機能がシンプル
基本的には「スワップ」と「流動性提供」の2つだけを行えば良いので、さまざまな機能を併せ持つ他のDEXよりもシンプルで使いやすいと言えます。
多言語に対応
インターフェースがさまざまな言語に対応しています。もちろん日本語にも対応!DeFi初心者にも扱いやすい点は嬉しいですね。
画面右上のアイコンから使用言語を変更できます。
扱っている暗号通貨の流通量と種類が多い
暗号通貨の流通量が多いため、まとまった額を取り扱うときに便利です。
登録されている暗号通貨の種類も豊富なので、その点も嬉しいところですが、注意点もあります。
それは、紛らわしい名前の詐欺コインも存在するということ。暗号通貨をスワップするときに心配であれば、一覧から探すのではなく「コントラクトアドレスの入力」をしましょう。
デメリット
手数料が高い
これは、イーサリアムチェーン自体の課題です。手続きを完了させるためのガス代が安い時でも数百円はかかります。高い時だと数千円以上かかってしまいます。
そのため、少額の取引を行うだけだと手数料負けしてしまうという問題があります。
日本円で少なくとも50万円以上の運用をしていかないと、収益を上げることは難しいでしょう。(2022年4月現在)
インパーマネントロス
流動性損失とも言われます。これは、ユニスワップに限らず「流動性の提供」をするDEXに共通する課題です。
簡単にいうと「プールを作って預けたことによって損をしてしまう」という現象です。
これは預けたペアの片方の暗号通貨の価値が大きく変動することが原因です。
流動性プールの中のバランスが崩れることによって、預けた時と引き出すときの価値のバランスが崩れてしまうというリスクがあるのです。
【インパーマネント・ロスの解説はから】
リスクとその対策
まず、DeFi特有のリスクについてはこちらの記事を参考にして下さい。
→【必ず役に立つ!】DeFiのリスクを下げる方法【古びない考え方を身につける】
ここでは、ユニスワップ独自のリスクとその対処法をお伝えします。
手数料が割高な時間を避ける
解析ツールを使って、ガス代の高くなりやすい時間帯を避けることができます。
また、メタマスクの設定を操作することで、ガス代を下げることもできます。
この点については別記事で詳しくまとめます。
インパーマネントロスについて
この対策としては「価値の変動しにくいトークン」でペアを作ることです。ステーブルコインのペアや価値が担保されているトークンを用いると良いでしょう。
また、自分が強気でホールドしておけるトークンを選ぶのも良いでしょう。
補足
現在、私自身は「ビットコインやイーサリアムをベースにしているトークン」や「ドルを担保にしたステーブルコイン」を使うようにしています。
長いことホールドしておける自身のある暗号通貨を用いるのが、負けにくくなるポイントですね。
まとめ
Uniswap(ユニスワップ)に触れると、DeFiにおけるスワップと流動性提供の2つについて深く理解することができます。多少高い手数料を払ってでも一度は経験しておきたい分野であることは間違いありません。
まt、Uniswap(ユニスワップ)は、DEXの中でも長い歴史を持っています。現在でも多くの資産が預け入れられているDEXの一つでもあり、今後もさらなる成長の可能性を残しています。イーサリアムのアップデートともに使いやすさが改善していくと、さらに多くのユーザーを獲得していくでしょう。
本記事のおさらい
- Uniswap(ユニスワップ)はスワップ系DEXの元祖
- 最も信頼性の高いスワップ系DEXの一つ
- イーサリアムチェーンに対応している
- ガス代が高いことが課題
- まとまった量の資産を管理するのに便利