今回は、「仮想通貨の板取引」について解説します。
板取引とは、一言で言うと「商品を売買する価格や量を指定して取引をすること」です。
そして、本記事で最もお伝えしたいのは「まずは、指し値注文で板取引に慣れるべし」ということ。
うまく使いこなせるようになれば、お得に購入できるチャンスを増やし、思わぬ損をすることを減らすことに繋がります。
初めて仮想通貨を購入する方にも分かるように、金融の基礎知識も含めてバッチリ解説していきます。
本記事を読んで、仮想通貨界隈で生き残る知恵を獲得してください!
本記事を読むと分かること
- 板取引とは何か?
- 板取引の仕組み・特徴
- 実践編:CoinCheckでビットコインを購入する流れ
- 板取引をする時に気をつけるべきこと
- 私が利用している取引所の紹介
板取引とは何か?
仮想通貨を売買するには、大きく分けて2種類の方法があります。
「板取引形式で売買する方法」と「販売所形式で売買する方法」です。
違いは以下の通り。それぞれ、取引をする相手が違います。
板取引形式
- 売買の価格と量を自分で指定できる
- 「買い手」と「売り手」のマッチングがあって、初めて取引が成立する
- 売買の相手がいなければ、取引は成立しない
- 希望した価格と量で取引できる可能性が高い
販売所形式
- 取引所が保持している仮想通貨で売買をする
- 売買の量を指定できる
- 価格は「販売所」が指定した金額で取引する
- 売買の手続きが即座に終わる
- 売買の差額(スプレッド)が、取引所の利益になる=実質的な手数料が発生する
「板取引形式」は「買いたい(売りたい)相手」が取引の相手。
買い手と売り手の双方が指定した価格や量に相応しい相手がいれば、取引が成立する仕組みです。
一方、「販売所形式」は「取引所」が取引の相手です。
取引所が保持している仮想通貨を売買することになるので、即座に売買の手続きが行われます。
購入手続き自体は早いのですが、取引所によっては売買の際に生じる差額=スプレッド料(実質的な手数料)が割高な場合があります。
このスプレッド料は、取引所の利益になります。(取引所も慈善事業ではないので、当然と言えば当然ですね)
そのため、少しでも損を減らしてお得に購入したい人からすると、「板取引」を選んだ方が良いという結論になるのです。
要するに、、、
1分1秒を争うような場合でもない限りは「板取引形式」を選んだ方が、お得に購入できる可能性が高い。
板取引の仕組み・特徴
結論:初心者が取る方法としては「指値(さしね)」がおすすめです。
「板」と呼ぶのは、昔は注文を実際に板に書いて取引を行っていたことの名残です。
現在は、サイト上で「買い」と「売り」の注文がリアルタイムで分かるようになっています。
そして、板取引にも大まかに分けて2種類の方法があります。
それが「指値(さしね)」と「成行(なりゆき)」です。
ひとまずは、
- 「指値」は安定性が高い
- 「成行(なりゆき)」は取引の成立が早い
という理解でOKです。
ここからは、「指値(さしね)」を中心に解説を進めていきます。
買い手と売り手のマッチング
板取引は、「買い手」と「売り手」が存在して初めて機能する方法です。
ですから、その取引所に多くの人が集まっているほど、活発な取引が可能になります。
大勢の人や企業が「売買したい=儲けたい」と思っている商品(ここでは、仮想通貨)であればあるほど、買い手と売り手が増えます。
板を見ていると、ものすごい勢いで取引が進んでいくことが分かります。まずは、これに慣れることから始めましょう。
上の画像のリンク先から、取引が進む様子が分かります。ぜひ一度、見てみて下さい。
指定できることの自由度が高い
板取引の最大の特徴は、自分で注文の内容を指定できること。
これによって、自分の指定した範囲で取引をすることができます。
レートや注文量を自分で指定することで、賢く取引を行うことに繋がります。
(数字の入力ミスをしないように、注意しましょう!)
取引が即座に完了するわけではない
自分で指定できる反面、マッチングする相手がいなければ、取引は成立しません。
例えば、上の画像だと、1BTC=370万円台での注文が集中していることが分かります。
相場全体からあまりにもかけ離れた注文が成立する可能性は極めて低いでしょう。(例えば、この板に1BTC=100万円で買い注文を出しても、その価格で売っている人はいません)
スムーズに売買をしたいのであれば、基本的には相場に近いレートで注文を出すことになります。「
「板の数字」は「取引所の相場」である
板に掲載されている価格は、あくまでその取引所内部のものであるという点も覚えておきましょう。
そのために板だけでなく、全体の相場を見て行動する必要があります。
CoinmarketcapやCoingeckoなどのサイトから、市場全体のレートを参考にしましょう。
メジャーな商品であれば、他の取引所でも取引がされているため、市場全体の相場を確認して、売買の注文を出すようにしましょう。
一つの板だけに張り付いて売買注文(特にレートの設定)をすると、思わぬ損をすることになります。
補足
この点は、少額を扱ううちは、そこまで細かく意識しなくても大丈夫です。
しかし、扱う金額が大きくなってくるにつれて、特に意識したいポイントです。
小さなことの積み重ねが大きな結果になるのです。
金融商品を長く触る可能性がある方は、日頃から「損を減らすポイントはどこにあるか?」を意識すると良いでしょう。
繰り返し、問い続けることで、自分自身の目が養われていきます。
成行取引はスピーディ
上の画像は、Binanceという海外の取引所でトレードをしている時のものです。
「成行」を選択して買い注文を出しています。
この場合は、その時のレートで即座に取引が決済されます。
もちろん、注文量に見合った量が自動的に取引されていくことになるため、自分の思い通りにならない取引をしてしまう可能性もあります。
取引に慣れるまでは、「指し値注文」がおすすめです。
板取引の流れ:コインチェックでビットコインを購入してみる
今回はBTC(ビットコイン)を「現物取引(板取引)」で購入します。
CoinCheck(コインチェック)にログインしましょう。
「ホーム」→「現物取引 BTC」→「レートを入力」→「注文量or概算」を入力。
今回は、基準レートである518,7831円よりもやや低めの518,3000円でレートを設定。
続いて30,000円分購入するつもりで、概算欄に30,000と入力。
自動的に注文量(0.00578815BTC)が算出されました。
数字を確認したら「注文する」をクリック。
「BTC買い板・売り板」をクリックすると、、、
ちゃんと注文待ちになっています。あとは取引が成立するのを待つだけ。
取引成立です。メニューの「総資産」から取引履歴を確認できます。
超重要!
「現物取引・板取引」で購入することで、手数料を安く抑えることができます。スマホアプリからの購入だと割高です。暗号通貨の購入方法には「販売所形式」と「取引所形式」の2種類があります。スマホアプリからだと、手数料が割高な「販売所形式」でしか売買ができないのです。(2022年5月現在)
仮想通貨を売る(現物取引・板取引)
現物取引(板取引)でBTCを売る手順は、買う時とほとんど同じです。
初めに「売り」を選択すると表示が赤色に変わります。買う時と同様に「レート」「注文量or概算」を入力したら「注文する」をクリック。
後は、取引成立を待つのみです。
コインチェックでの口座開設などの流れについては以下の記事を参考にしてみてください。
→【初心者でも安心!】CoinCheck(コインチェック)で仮想通貨運用を始める方法【口座開設〜買い方・送金まで】
板取引をする時に気をつけるべき4つのこと
「とにかく損するタイミングを減らすこと」
コレに尽きます。
初心者の方は、まずこれを気をつけると良いというポイントを4つ紹介します。
指差し確認&復唱
入力項目を間違えることはつまずきやすいポイントの一つです。
取引をする際に、入力項目を指差し確認をして声に出すようにしましょう。
最低でも2回は確認しておきたいですね。
私は、今でも毎回やっています。
相場全体を見るべし
CoinmarketcapやCoingeckoなどのサイトから、市場全体のレートを参考にしましょう。
板取引においては、その取引所取引額がふさわしいものなのかどうかを判断する必要があります。
そのため、相場全体の取引額を知っておくことがとても重要です。
もし、相場全体の取引額より安ければ、その分お得に売買できることにつながるのです。
まずは、指し値注文から
初心者のうちは「指し値注文」をお勧めします。
理由は簡単で、「指値」なら自分の設定した範囲内で取引がされるからです。
「成行注文」だとレートが、その相場に左右されるので、意図した取引額にならないこともあります。
まずは、落ち着いて一つ一つ確実に作業手順を覚えるということを徹底しましょう。
また、指定する数値を考える上で色々と調べることになるはずですので、その過程でマネーリテラシーを高めることにもつながります。
自分のペースで取引する
取引の盛んな板に張り付いていると、どんどん値動きが変化していく状況を目の当たりにすることになります。
そこで焦ってはいけません。
一分一秒単位での値動きを気にするのではなく「自分はこの額でこの量を取引するのだ」というポジションを崩さないようにしましょう。
注文に対して買い手や売り手がつかなかったとしても、そのお金自体がなくなるわけではないのですから。
私が利用している取引所の紹介
ただ単に、取引をするだけならセキュリティと使いやすさを考慮して「使ってみたい」と思える取引所を使ってみるのが一番です。
使い続けるうちに「どこが使いやすいのか?」を考えるようになります。
そもそも、そういったことを考えるのが嫌なら、金融商品は触ることはお勧めしません。
結論から言うと、メジャーどころの取引所の口座は2つ以上(できれば)複数開設しておくと良いです。
口座開設の目的は人によって違います。私はDeFi運用がメインなので、購入した仮想通貨は個人ウォレットや海外の取引所に送金することが多いです。
そのため「送金と換金に手間がかからないこと」を最重要視しています。
仮想通貨購入の目的に沿った取引所を使いましょう。
BitFlyer
ビットコイン保有量が国内No.1の取引所がBitflyerです。
ビットコインを買って、そのままホールドしておくだけなら、BitbankかBitFlyerで充分でしょう。
ビットコインの出金手数料も0.0004BTCと少なめに設定されています。
また、やや玄人向けですがLightningという購入方法も実装しています。
興味のある方は、取引に慣れてきた頃に、挑戦してみると良いでしょう。
CoinCheck
私が最初に使い始めた取引所。
サービス対応が迅速で、手続きの速さとユーザーの多さがCoincheckの特徴ですね。
スマホアプリも使いやすいです。
スプレッドが大きいので、現在は、そこまで頻繁に利用していません。
Binance
世界最大手の仮想通貨取引所がBinanceです。
取引のみならず、無料で学べるコンテンツが非常に充実しているのも特徴です。
今後、様々な取引を進めていくことに興味がある方は、口座開設をしておいて損はしません。
まとめ
仮想通貨の板取引について、理解が深まったでしょうか?
まずは、ご自身が「使いやすい」と思った取引所でトライしてみることをお勧めします。
少額だけの運用なら、コインチェックがお勧めです。
【初心者でも安心!】CoinCheck(コインチェック)で仮想通貨運用を始める方法【口座開設〜買い方・送金まで】
もっと大きな額の資産を運用するなら、別の口座開設も視野に入ってくるため、その点は別記事にてまとめます。
本記事のまとめ
- 「板取引」とは、価格や量を指定して商品の売買を行う方式のこと。
- 「板取引」には、「指値(さしね)」と「成行(なりゆき)」の種類がある。
- 初心者は「指値注文」からトライして、徐々に慣れていくと良い。
- 売買をする時には、「指差し確認&復唱」「相場全体の確認」「基本は指し値注文」「自分のペースで注文を出す」を意識する
「仮想通貨を活用したさらにレベルの高い運用」に興味がある方は、以下の記事も読んでみてください。
【初心者でも安心!】PancakeSwap(パンケーキスワップ)でDeFiを始める方法