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【解説&考察】Soul Bound Tokenとは?【自分の存在と信用を証明するNFT】

2022年6月18日

こんにちは、yodakaです。

  • Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)って何?
  • NFTとどう関係があるの?
  • 何に使うことができるの?

こんな悩みを解決する記事を用意しました。

Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)とは、一言で言うなら

自分の存在と信用を証明する受け渡しのできないNFT

です。

NFTに関心がある方なら、是非とも知っておきましょう!Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)の凄さが伝わるように、バッチリ解説していきます!

Yodaka

本記事を読むと分かること

  • Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)の特徴
  • Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)で何ができるのか?
  • Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)の実用例
  • プライバシーの保護への向き合い方

Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)って何?

提唱者は、Vitalik Buterin(ヴィタリク・ブテリン)。若くしてイーサリアムを開発した天才です。

クリプトやWeb3、テクノロジー界隈では、彼の動向や考え方を知っておくことは必須級の人物です。

そんな彼が、2022年1月26日、自身のブログで「SoulBound」という記事を書いています。

参考:Vitalik Buterin's website「SoulBound」

記事の冒頭では、現在のNFTの課題について述べられています。そして、その課題を解決するための概念として「SoulBound」が提案されています。

これは、「自分の行動履歴を譲渡不可能なNFTとして設定する」という試みです。

Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)を実装することで、これまでの人生で行ってきた全ての活動や行動記録を、誰にも改竄されない唯一無二のデータとしてブロックチェーン上に刻むことが可能となります。

では、どうしてSoul Bound Token(SBT)が必要なのでしょうか?

それを理解するために、「現在のNFTの課題」を見ていきましょう。

現在のNFTの課題

現在でも、NFTは社会的シグナルとしての価値があります。

アイコンがその人の社会的な立場主張を代弁してくれるものとして認知されてきています。

2022年1月、Twitterは「Twitter Blue」にて新たなサービスを開始しました。

TwitterのプロフィールアイコンにNFTを紐づけると、六角形のアイコンに変わるというものです。

それでも、そのNFTが譲渡可能なものである限り、その信頼性は限定的なものですし、その場に合わせて被っている仮面のようなものである可能性は否定できません。むしろ、「そのプラットフォーム内で通用する仮面をつけている」という捉え方の方が自然でしょう。

範囲が限定されている

NFTで稼ぐ例として有名なのは、ブロックチェーンゲームでしょう。

参考1:【初心者必見!】分野別・NFTの稼ぎ方5選【稼ぐ本質を理解する】

参考2:【初心者】STEPNから学ぶGame Fi投資&原資回収モデル【応用可能】

そのゲーム内で獲得したNFTは、金銭的な価値を持ち、実際に仮想通貨を通して売買が行われています。

ブロックチェーンゲームはNFTマーケットと相性が良いので、今後も爆発的に成長していくと予想されています。

しかし、ゲーム内で手に入れたNFTは、あくまでそのゲーム内でしか価値を持ちません。

ゲーム自体が遊ばれなくなったり、プラットフォームそのものが寂れてしまったりすると、そのNFT自体の価値も大きく低下してしまうのです。

つまり、現存のNFTは、現実世界との結びつきの強さに課題を抱えているという側面があるのです。

譲渡が可能である

SNSのアイコンをNFTの画像にしている方が増えてきました。

それは、NFTが自身の在り方を証明してくれるファッション的な要素を持つからです。

自分の主義・主張を代替不可能な手段で示すことで、ネット上におけるコミュニケーションの手間を省くことができます。

アイコン画像は、ネット上での本人の在り方や人格をシンプルに示すものでもあります。

また、「このNFTを持っている」ということをアイコンで示すことで、所属するコミュニティを伝えることもできます。

しかし、そのNFT自体は、ユーザー間の受け渡しが可能です。

アイコンに使用しているNFTは、お金を出せば買えてしまいます。

つまり、あくまで本人のネット上の人格なのであり、本物の信頼性の担保とはなり得ないのです。

例えば、POAPは、そのアプリの利用者が何らかのイベントに個人的に参加したことを証明するNFTを発行してくれます。

慈善団体への支援やチャリティーへの貢献などは、社会的に広く価値があり、個人の道徳性を図る指標になりそうな要素です。

これまでの活動履歴から、その人の個人的な思想を知るのに役立ちます。

しかし、このNFT自体も売買が可能なので、必ずしも信頼性の担保にはなりません。

権力が集中する

NFTをコミュニティ運営の投票権として利用する場合、そのトークンは、ガバナンストークンとして機能します。

コミュニティの中で、ガバナンストークンを集める動きがあると、それはそのまま権力の集中を引き起こします。

トークンの売り買いが権力の売り買いにつながるという構造は、資本主義の到達点とも言えます。

トークン自体は代替不可能であっても、受け渡しや売り買いによって所有者から切り離すことができるという点が大きな問題を引き起こすこともあるのです。

(NFTの所有権をめぐる議論はまだ答えが出ていない上、非常に長くなるので、ここではカットします)

DeFiも登場時点では「分散型金融」としてバブルを引き起こしましたが、ガバナンストークンをめぐった集権型の経済モデルが強化されています。

参考:【初心者でも安心!】DeFiの始め方解説【詳しく理解する】

現時点では、「分散型」というより「開放型」という表現の方がしっくりくる方も多いのではないでしょうか?

お金や権力が絡むと分散させようという試み自体が集中を引き起こす、という流れは皮肉なものです。

しかし、Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)によって、自分から切り離せない構造を作れば、集中ということ自体が発生しなくなります。

Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)がもたらす未来

Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)は、人間性を証明します。

オープンソースの究極の一形態と言っても良いかもしれません。

個人の行動や理念を表すNFTの転送に制限をかけることで、その人のこれまでの人生が嘘をつけない状態になるのです。

自分の行動が社会や人のためになっているということをキチンと証明できます。

逆に、人を欺いたり誤魔化したり搾取していることも分かってしまいます。

つまり、行動に透明性をもたらすことで、世間に後ろめたいと思われるような行動を減らしていくこともできるのです。

学歴・業績・実績を証明する

あなたの学歴がこれまで以上にスマートに証明できるようになれば、就職の役に立つでしょう。

また、培ってきたスキルや積み上げてきた実績などが証明されることで、転職や仕事探し等も、今まで以上に簡単にできるようになります。

他にも、寄付の記録などを証明することなども可能です。慈善事業に関わっているということが分かれば、それは多くの人々から信頼を集めることにも繋がります。

そもそも、人同士が安心して関わることができるのは「お互いに信頼感を持っているから」です。

信頼感を構築するには、時間と手間がかかります。

これまでであれば、直接会ったり、時間をかけてお互いを理解したり、相手の詳細な情報や活動履歴などを様々な方面からリサーチしたりする必要がありました。

しかし、デジタル上のデータなら、必要なことを整理して素早くアクセスすることが可能です。

相手がどんな人間であるのかを調べたり、自分がどんな人間であるのかを知らせたりするための手間や時間が圧倒的に削減されます。

ネットの向こう側にいる人の信頼と実績が間違いなく確認できれば、バーチャル空間上でも現実世界に近いレベルで人と関わることができるようになる可能性があります。

寄付・慈善事業・ボランティアの証明

自分は直接手伝えないけれど、お金という形でなら貢献できる寄付。

手助けが必要な人のもとに駆けつけて、直接貢献するボランティア。

どんな在り方であろうとも、その人自身が「貢献している」ということには変わりありません。

けれども、その後見の在り方が見えにくくなっているのも事実。

もちろん、寄付やボランティアをおこなっている動機は、様々です。

しかし、その過程や行動そのものは、社会から一定の評価を受けることも事実です。

日頃の善行を社会的な信頼担保にしてくれるのがSoul Bound Token(ソウルバウンドトークン)なのです。

お金の使用用途を証明する

Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)は、お金の使用用途も明らかにします。

現在、ブロックチェーンを介して、お金のやりとりをすれば、その取引履歴は全て開示することが(技術上は)可能です。

全ての決済をSoul Bound Token(ソウルバウンドトークン)と紐づけることができれば、自身に関連するあらゆるお金の流れが全て共有されます。

そもそも、お金というのは価値を運ぶ手段であって、それ自体が目的ではありません。

何にお金を使っているのか、という点はその人の人間性を色濃く表します。

Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)が証明するお金の使用用途は、そのままその人の信頼性を示すことになるのです。

プライバシー保護への向き合い方

ブロックチェーン上にデータがあることで、全ての人に情報が共有されてしまうと、その圧倒的な透明性は、個人のプライバシーを消し去ってしまいます。

自分の情報が全てウェブ上に開示されてしまうことは、多くの人にとって受け入れ難いことでしょう。

SBTを実装するにあたって、他のプログラムを併せて使用することで、プライバシーを保護することが可能です。

実際、技術面ではプライバシーを保護することは可能です。

これまでは、tornado.casなどを利用して、資金の流れが見えてしまうことへの対策することができました。

このシステムを応用することは、プライバシー保護に役立ちます。

一度手に入れた情報や資産を別のシステムを介して、新しいものとして複製し、古いものは排除することができるため、自分の持ちうる「秘密にしておきたい情報」を自分自身しか閲覧できないようにすることも可能です。

そして、誰かに証明したい時にだけ、閲覧者権限を拡大すれば良いのです。

とはいえ、Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)提唱されたばかりの概念。

これからユースケースが蓄積されていくことによって、成長・開発・改善を進めていく過程にあります。

まとめ

現在、NFTを取り巻く問題は、権力と金銭の闘争に端を発するものが多いです。

テクノロジーが人々の生活をより良くしていくための手段として、Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)は、有力な提案の一つです。

けれども、人類にとって新しすぎる提案であることもまた事実。

今はまだ、黎明期です。

テスト的なプロジェクトが拡散し、人々の利用や安全面・プライバシーなどについての実用可能なデータが溜まっていけば、より多くの人に使われるようになります。

これまでと違うのは、NFTがブロックチェーン上に存在するという点です。

オープンソースで共有されるさまざまなプロジェクトは、良い点も悪い点も全員に共有されるため、他の分野と比べて進歩・成長・改善が圧倒的な早さで行われます。

今後、加速度的に成長していくことでしょう。

  • 自分自身の在り方を不特定多数の人々に届けるための手段。
  • 透明性を担保し、個人の信用をはっきりと示してくれる指標。

デジタルデータの上に、自身の存在と信用を築いてくれる譲渡不可能なNFTとして、Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)の本格的な実装に期待したいです。

より詳しく知りたい方は、Vitalik Buterin's website「SoulBound」を読んでみてください。ヴィタリク氏本人が書いたブログです。

本記事のまとめ

  • Soul Bound Token(ソウルバウンドトークン)とは、イーサリアムの創設者・提唱者は、Vitalik Buterin(ヴィタリク・ブテリン)が提唱した概念。
  • 現状のNFTの課題(範囲の限定・譲渡可能・権力の集中など)を解決するために提案されている
  • 受け渡しの不可能なNFT
  • 自身の在り方・行動・理念を証明する
  • 信頼性の担保となる
  • たくさんの人に使われ、ユースケースが蓄積していくことで、開発・改善が進み、広がっていく可能性がある

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