こんにちは、yodakaです。
- BNBスマートチェーンって何?
- 特徴や仕組みを知りたい
- 機能や主要なプロジェクトを教えてほしい
- 使うときの注意点やリスクはあるの?
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
BNBスマートチェーンとは、仮想通貨取引所バイナンスが運営・管理する独自チェーンです。
最大級の仮想通貨取引所バイナンスの下で運営管理されるBNBスマートチェーン。
この構造を理解すると、巨大な資本力を持った企業が展開するエコシステムの在り方が見えてきます。
BNBスマートチェーンは、CeFi寄りのDeFiとして、DeFi入門者にも最適なチェーンの一つです。
本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。
補足
BNBスマートチェーンは、元々Binance Smart Chain(BSC)と呼ばれていましたが、2022年初頭に、現在の名称に改名されています。
一部の例外はあるものの、バイナンスチェーン(BC)・バイナンススマートチェーン(BSC)・BNBチェーンなどの呼ばれ方も、基本的にはBNBスマートチェーンを指すものです。
本記事を読むと分かること
- BNBスマートチェーンとは何か?
- BNBスマートチェーンを使うメリット
- BNBスマートチェーンの特徴や仕組み
- BNBスマートチェーンのエコシステム
- BNBスマートチェーン関連の主要なプロジェクト
- 使うときの注意点やリスク
BNBスマートチェーンとは何か?
BNBスマートチェーンとは
バイナンスエコシステムの中継役(ハブ)となるブロックチェーン
です。
どうしてBNBスマートチェーンが開発されたの?
それは、元々利用されていたバイナンスチェーンに
- システムの拡張性
- スマートコントラクト機能の追加
が必要になったためです。
世界最大級の仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)は、その創業当初「バイナンスチェーン」を開発・実装して、取引所のシステムとして運用していました。
しかし、取引量の増加や仮想通貨を使った経済圏の拡大に伴い、ブロックチェーンに関する様々な問題が指摘されるようになりました。
代表的なものとしては
- 利用者が増えるほどに通信速度が遅くなる
- ネットワーク利用の手数料が非常に割高になる
- 他のチェーン間でのやり取り(ブリッジなど)をする際にセキュリティリスクが高まる
- ネットワーク自体のセキュリティの堅牢性が疑問視される
- 特定のネットワーク上で作成したアプリを他のネットワーク上で使うことができない
- 一度ローンチしたプロトコルは容易にシステムの変更やアップグレードができない
- プロトコルの管理権限が一極集中していく
などがあります。
BNBスマートチェーンは、これらの中でも特に
- 低料金かつ効率の良い通信
- 適度に分散化した管理・承認権限の実装
- ブロックチェーンネットワークの拡張
- イーサリアム互換のスマートコントラクト開発の促進
- 一定の信頼担保に裏付けられたDeFi経済圏の形成
に向けて力を注いでいます。
BNBスマートチェーンについて理解するには、システムの中継役(はぶ)という位置付けとして捉えると分かりやすいです。
そして、その役割を果たすための要素が
- バイナンスチェーンとの並列処理
- 独自のコンセンサスプロトコル
- ネイティブトークンBNBの働き
- サイドチェーンの開発・展開
です。
本記事ではこの点について詳しく解説していきます。
開発・運営チーム
BNBスマートチェーンの開発母体であるBinanceは、2017年に創業されました。
豊富な種類のアルトコインを取り扱っていることや取引手数料の安さが特徴です。
創業者は、チャンポン・ジャオ。
Blockchain is one of the seven technology families that will transform our economy in the future. - quote from somewhere
Don't ask me about the other 6. I don't know.
— CZ 🔶 Binance (@cz_binance) September 7, 2022
Twitterやブログでも自身の意見を積極的に発信しています。
彼独自の思想やユーモアが伝わる発信スタイルが特徴的です。
Binanceは仮想通貨の売買だけでなく
- オンライン教育コンテンツの提供(バイナンスアカデミー)
- チャリティ
- 優良なプロジェクトへの投資
- 仮想通貨ウォレットの開発
- 投資家への情報提供
などの事業も展開しています。
特に、バイナンスアカデミーはブロックチェーンや仮想通貨について初心者が学ぶには最適なコンテンツの一つです。
BNBスマートチェーンを使うメリット
BNBスマートチェーンを使うとどんなメリットがあるの?
主なメリットは5つあります。
- 低コスト&高速取引
- CeFi寄りのDeFi
- BNBのステーキング
- イーサリアムとの互換性
- 広範囲のエコシステム
順番に解説していきます。
低コスト&高速取引
BNBスマートチェーンの強みの一つが圧倒的な手数料の安さと高速トランザクションです。
DeFiの主戦場であるイーサリアムネットワークと比較すると手数料は100分の1以下に抑えられ、取引の手続きも即座に完了します。
BNBスマートチェーンベースのDEXを使うと、高効率のトランザクションをはっきりと実感することができます。
【参考】【初心者でも安心!】PancakeSwap(パンケーキスワップ)でDeFiを始める方法
CeFi寄りのDeFi
BNBスマートチェーンの母体は、Binanceという企業及びプロジェクト全体です。
これは、BNBスマートチェーンベースのDeFiエコシステムがBinanceの業績に支えられているということを意味します。
つまり、仮想通貨の取引に需要がありBinanceという取引所が何らかの理由で潰れない限りは、一定の信頼担保があるのです。
本来、DeFi(Decentralized Finance)とは分散型金融という性質上、市場の流動性自体を信頼担保にするため、国家や法律の後ろ盾を持たず非常に不安定な側面があります。
しかし、Binanceは法的に認められた機関なので、国家という中央集権的な金融システム(Centralized Finance)なシステムの後ろ盾があります。(もちろん規制という側面もリスクとして存在しますが)
中身の無いプロジェクトが乱立し詐欺が横行するDeFiの世界において一定程度の信頼担保があるという点においては、CeFi寄りのDeFiという捉え方ができます。
このポジションは他のチェーンにはない特徴です。
【参考】【初心者でも安心!】DeFiの始め方解説【詳しく理解する】
BNBのステーキング
BNBスマートチェーンは、バリデーターとしてネイティブトークンであるBNBをプロトコルにロックするとステーキング報酬を得ることができます。
バリデーター
ブロックチェーンに記録する情報の正当性を監査・検証する役割のこと。一般的には、正しい検証をするとトークン報酬が与えられ、不正を働いたことが発覚するとペナルティを受ける。
BNBスマートチェーンでバリデーターになるには、最低10,000BNBが必要。(バリデーターの詳細はこちらから)
他のDeFiプロトコルと異なる点は
バリデーターを委任することで少額からステーキングができる
ということです。
そのため、巨額の資産を持っていないユーザーでもステーキングに参加することができます。
バリデーターを委任することで少額からステーキングができる
ということ。
そのため、巨額の資産を持っていないユーザーでもステーキングに参加することができます。
具体的には
- バイナンスウォレットの機能を拡張する
- 委任したいバリデーターを選択
- ステーキング報酬の分配を受け取る
という流れになります。
詳しい仕組みは「BNBスマートチェーンの特徴・仕組み」で解説します。
具体的な方法は、Docsでも説明されています。
【参考】バイナンスエクステンションウォレットでステーキングをする方法
イーサリアムとの互換性
BNBスマートチェーン上に構築されたアプリは、イーサリアムネットワークとの互換性を持っています。
つまり、BNBスマートチェーン上で作成したアプリは、イーサリアムネットワーク上でも稼働させることができるということです。
DeFiの主戦場はイーサリアムネットワークであるため、今後のイーサリアムネットワークが発展やそのアップデートに対応できる設計になっているという点は非常に重要です。
システム開発者にとっても、開発したアプリの利用範囲が広がることが開発に取り組むインセンティブにもなります。
DeFiの今後の展開・予測を踏まえた開発環境が整っているということですね。
広範囲のエコシステム
Binanceが取り扱っている仮想通貨の銘柄は、前取引所の中でもトップクラスの豊富さを誇ります。
その取引所と繋がっているDeFiプロトコルが多様なトークンに対応可能なことを意味します。
BNBスマートチェーン上には
- DeFi
- Games
- Gambling
- Exchanges
- Collectibles
- Marketplaces
- Social
などの領域で300種類以上のプロトコルが稼働しています。
BNBチェーンの特徴・仕組み
BNBスマートチェーンはどんな仕組みで稼働しているの?
それでは、システムが稼働する仕組みを解説していきます。
BNBスマートチェーンの全体像
BNBスマートチェーンは、主に4つの領域が連携して稼働しています。
- ビーコンチェーン(Beacon Chain):元々使われていたバイナンスチェーン。BNBトークンの管理・バーンやデータの保管などを行う。
- BNBスマートチェーン(BNB Smart Chain):エコシステムの中継(ハブ)。BNBトークンのミントなども行う。
- BNB ZkRollup:トランザクションの効率化を行う。(現在開発中)
【zkRollupについての解説はこちらから】 - BNBサイドチェーン(BNB Sidechain) :様々なアプリ。実質的にユーザーが最も多く操作する部分。②と接続するブリッジプロトコルはCeler cBridgeを利用。
【参考:Docs|開発ツール】
注目すべきは、①と②が連携してBNBスマートチェーンとして稼働するという点です。
①と②の相互転送メカニズムは↓の図の通り。
- BSC:チェーン上のデータをビーコンチェーンのオラクルモジュールに送信
- BC:チェーン内部のデータをパッケージングして、BSCに送信
コンセンサスアルゴリズム「PoSA」
BNBスマートチェーンは「PoSA(Proof of Staked Authority)」という独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
これは
パフォーマンスの高いバリデーターを選出し彼らにステーキングの権限を委ねる
という方法です。
BNBスマートチェーンのシステムでは
アクティブな21のバリデーターと次の候補となる20の予備バリデーター
が存在します。(バリデーターの一覧確認はこちらから)
バリデーター以外のユーザーは、これらのアカウントの中から権限を委ねたいバリデーターを選び、BNBを預けます。
自分が選んだバリデーターがきちんと成果を上げることができれば、報酬の再分配を受け取ることができます。
イメージを掴むため以下の図を参考にしてください。
①ユーザーは委任するバリデーターを選ぶ。
②ユーザーはバリデーターにBNBトークンを預ける
③ユーザーはバリデーターのパフォーマンスに応じて報酬の再分配を受け取る。
補足:機械の公平性
また、一部のバリデーターに報酬が集中しないようにするために、検証作業を成功させる程トークン報酬をもらいにくくなる仕組みになっています。この仕組みによって、(理論上)多くのバリデーターにスタークネット報酬を獲得するチャンスが巡ってくるようになっています。
システムを利用するユーザー間で健全な競争が起こるような設計になっています。
BNBスマートチェーンのエコシステム
DeFiのランキングサイトDefiLlamaによると、TVLは52億7千万ドル。
これは、DeFiプロトコル全体におけるTVLのうちの9.38%にあたり、Ethereum ,Tronに続いて3番目に大きな数字です。(2022年9月)
BNBスマートチェーンは、主要なチェーンに名を連ねていると言えます。
DappBay
BNBスマートチェーン上には非常に多様なアプリがローンチされています。
DappBayというサイトから様々なアプリにアクセスすることができます。
DappBayの特徴は
サイト内でアプリのリスク調査ができる
という点です。
サイト内のRisk Scanner/Red Alarmという機能を活用しましょう。
Risk Scanner
トークンの「BSC contract Address」を入力することでそのトークンのリスクレベルを調査することができます。
トークンのコントラクトアドレスは、CoinMarketCapなどで探すことができます。
Red Alarm
リスクレベルの高いプロトコルをリストアップしている。ここに上がっているプロトコルには触らないようにした方が良い。
これらのツールは、特に初心者にとってはリスクを避けるための有益なツールとなります。
ネイティブトークンBNB
BNBスマートチェーンのネイティブトークンは「BNB」です。
その機能は主に4つ。
- ネットワーク利用の手数料
- スマートコントラクト展開のための料金
- DPoSの報酬(バリデーターに支払われる)
- BC ,BSC間のトークン転送
BNBスマートチェーンのバリデーターになるためには最低でも10,000BNBが必要です。
BNBトークンの値動きは以下の通り。
また、BNBトークンは定期的にバーンして総発行量を調整しているため、価格がインフレを起こしにくい設計になっているのも特徴です。
BNBチェーン関連のプロジェクト
BNBスマートチェーン関連のプロジェクトにはどんなものがあるの?
それでは、BNBスマートチェーンに関連するプロジェクトを5つ紹介します。
PancakeSwap
PancakeSwapは、BNBスマートチェーンを使ったDeFiにおいて、最も有名なプロジェクトの一つです。
仮想通貨のスワップ・流動性提供・スタークネット・ファーミングなどDeFiにおける基本的なことを行うことができます。
比較的安定的な運用ができるため、幅広い層に人気のあるプロジェクトです。
【PancakeSwapの解説・使い方はこちらから】
Venus
Venusは、BSCネットワーク上で最大級のレンディングプロトコルです。
ユーザーは、仮想通貨の借入を行うことができます。
Venusで借り入れた仮想通貨を別のDEXで運用することで、資産を効率よく増やすきっかけにすることができます。
Alpaca Finance
Alpaca Financeは「レバレッジイールドファーミング」という概念を広めた最古参のDEXの一つです。
レバレッジイールドファーミングとは、ものすごく簡単に言うと
リスクを高めた分、高利回りを期待できる資産運用
のことです。
現在でも、BSCネットワーク上で人気のプロジェクトの一つです。
1 inchi
1 inchiは、マルチチェーンイールドアグリゲーターです。
複数のネットワークの中から最も効率の良い方法を見つけ出し、スワップや流動性提供をすることができます。
様々プロジェクトが乱立する中で、ユーザーの手間を省いてくれるプロジェクトの一つです。
Beefy
Beefyは、様々なチェーンに対応した自動複利運用特化型のDEXです。
複利運用のペースが早いため、短い時間で資産を増やすことができます。
魔界的なハイリスク運用もできるため、マーケットの動向を見切る自信がある方は、ハイリスクな運用を試みることも可能です。
【Beefyの解説はこちらから】
BNBスマートチェーンを使うときの注意点やリスク
BNBスマートチェーンを使う時に気をつけることはあるの?
では、最後にBNBスマートチェーンを使うときの注意点やリスクをまとめます。
バイナンスのカウンターパーティリスク
BNBスマートチェーンは、Binanceが提供するブロックチェーンです。
つまり、その命運をBinanceというプロジェクトとともにするというわけです。
仮想通貨の取引所として最大手の一角を担うBinanceですが、何らかの理由でBinanceが倒れるようなことがあれば、BNBスマートチェーンの利用価値も低下するかの性があります。
そのため、日頃からBinanceからの発信と仮想通貨界隈への規制には、注意と払っておくと良いでしょう。
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
BNBスマートチェーンの特徴や仕組みについてお伝えしました。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
BNBスマートチェーンは、Binanceが提供するブロックチェーン
ネイティブトークンはBNB
PoSAという独自のコンセンサスアルゴリズムを持つ
イーサリアムとの互換性が高い
企業が提供するため、中央集権的な性質も併せ持つ
関連プロジェクトに関してリサーチできることが多いため、DeFi入門にも適している