今回は、BeeFy Finance(通称:Beefy)についてまとめていきます。
DeFiにおけるDEXの中でも、比較的使いやすかったので、使用感や特徴・リスク対策をまとめました。
使用を迷っている方は、参考にしてみてください。
「DeFiって何?」という方は、以下の記事も参考にして下さい。
本記事を読むと分かること
- Beefy Financeとは何か?
- Beefy Financeの特徴
- Beefy Financeの使い方
- Beefy Financeのメリット・デメリット
- リスクとその対策
参考
https://docs.beefy.finance←BeefyのDocs。機能や仕組みを学ぶなら、まずここ。
@beefyfinance←BeefyのTwitterアカウント。最新情報獲得用。
https://blog.beefy.finance/articles/←Beefyのブログ。Beefyの歩みが分かる。
https://www.defisafety.com/pqrs/447←安全度監査のレポート。他のDEXなどのレポートも充実しています!
Beefy Financeとは何か?
Beefy Finance(以下、Beefy)とは、DeFiにおけるDEXの一つです。
ローンチは、2020年9月。
特定の仮想通貨の預け入れをすることで、金利を得ることができます。
複利運用の効率が高く、トークンを効率よく増やすことができます。
また、大きな特徴としては、様々なチェーンに対応しているということも挙げられます。
2022年5月現在、10種類以上のチェーンで利用可能です。
このおかげで、手数料を抑えることもできます。
DeFi Safetyのスコアは71%なので、ややリスクをとって運用してみたい方は試してみても良いかもしれません。
Beefy Financeの特徴
預け入れ(イールドファーミング)ができる
Beefyで行えるのは、仮想通貨のイールドファーミングです。
イールドファーミングとは「仮想通貨を預け入れておくことで利益を得る方法」のことです。
Beefyでは、特定のプールに仮想通貨を預け入れて、他の人にその仮想通貨を使ってもらう機会を作ります。
つまり「流動性の提供」をしているわけです。
補足
もう少し詳しく言うと、Beefyで基本的に行っているのは「他のDEXで運用しているトークンの利回り最適化」です。
上の画像は、「BISWAPというDEXのPAE-BNBプール」に流動生提供をしていることを示しています。
他のDEXあってこそのBeefyであるということを覚えておきましょう。
様々なチェーンに対応している
Beefyは、15種類のチェーンに対応しています。
BSC、Avalanche、Arbitrum、Polygonなど15種類のチェーンで利用できます。(2022年5月現在)
そのため、自分が既に使っているチェーンがあれば、そのまま利用することができます。
また、多くのチェーンはガス代(手数料)が低くなるように設計されているため、そのメリットをそのまま引き継ぐこともできます。
高速自動複利運用
Beefyは、複利運用のペースがとても速いです。
1日のうちに何回も「利益の収穫」が行われる設計になっています。
そのため、1日1回利益を回収するモデルと比べて、利益を上げやすいのです。
↓半日ほどかけて、利益の収穫が行われるペースを検証したツイート。
「DEPOSITED」が1時間おきに増加していくことが分かります。
昨日手に入れた泡銭。さぁ、しっかり働いておいで😊 pic.twitter.com/GKYGXeIlEI
— Yodaka@Crypto×DeFi×NFT (@yodakablog) May 19, 2022
プールのデータを閲覧できる
Beefyは全てのプールで「Histrical rate」が表示されます。
「Histrical rate」を参照して「そのプールにおける過去の値動き」や「預け入れられていた総額の移り変わり」などを知ることができます。
トークンの預け入れをする前に、そのプールのリスクの高さを判断する材料になります。
Safety Scoreが表示される
各プールには「SAFETY」というパラメータが表示されます。
これは、各プールの安全性を示す数値で、0~10点で評価されています。
10点に近いほど、安全性の高いプールです。
プールの安全性を判断する指標の一つとなります。
詳しい見方は、本記事後半の「リスクとその対策」にてまとめます。
Beefy Financeの使い方
Beefy利用の手順
- 個人のウォレットアカウントを作る(メタマスク)
- 仮想通貨取引所の口座解説をする(国内&国外)
- 国内の取引所で仮想通貨を購入する
- 海外の取引所に送金する
- 送金した通貨をBeefyに預け入れる仮想通貨にコンバートする
- メタマスクに送金する
- Beefyとメタマスクを接続する
- Beefyに預け入れる
今回は、「BeeefyのPAE -BNBプールにBNBを預け入れる手順」を例に説明します。
ウォレットアカウントを作る
まずは、メタマスクのアカウントを作成します。
メタマスクのアカウント作成は、以下の記事を参考にしてください。
仮想通貨取引所の口座を開設する
次に、仮想通貨取引所の口座を開設をします。
国内で初心者に使いやすいのはCoinCheckです。本格的にDeFi運用を行うことを考えているなら、bitFlyerやbitbankなどがおすすめです。
海外の取引所は、Baibance(バイナンス)がおすすめです。
【参考】【初心者でも安心!】CoinCheck(コインチェック)で仮想通貨運用を始める方法【口座開設〜買い方・送金まで】
仮想通貨を購入する
仮想通貨の購入は、現物・板取引で行いましょう。購入するのはビットコインでOK!
【参考】【サクッと理解できる】仮想通貨の「板取引」とは?【スライドでビットコイン現物購入の流れも解説】
バイナンスに送金
購入したビットコインをバイナンスに送金します。結果が反映されるまで多少時間がかかります。長いときは1時間以上かかることもあるので、焦らず待ちましょう。
送金手数料として0.0005BTCかかります。残高に注意です。
参考:バイナンスへの入金について(バイナンス公式HP)
最重要!
送信先のアドレスを間違えないようにしてください。また、大きな額を送るときは、まず少額を送金するのが鉄則!送金が確認できたら大きな額を送るようにしましょう。
バイナンスでBNBを購入
続いて、BNBの購入です。「トレード」→「コンバート」を選択。
振替元に「BTC」、振替先に「BNB」を選択。
「コンバージョンプレビュー」→「コンバート」の順にクリック。
メタマスクにBSCネットワークを追加する
ここでMetamaskをBNBに対応させる手続きをします。MetaMaskの初期設定では、バイナンススマートチェーン(BSC)に対応していないからです。
画面右上の「イーサリアムメインネット」→「ネットワークを追加」を選択。
5ヶ所に必要事項を入力して「保存」をクリック。
入力項目
ネットワーク名 BSC Mainnet
新しいRPC URL https://bsc-dataseed.binance.org/
チェーンID 56
シンボル BNB
ブロックエクスプローラーURL https://bscscan.com
これでネットワークの変更ができるようなりました!
「設定」→「ネットワーク」から確認・変更ができます。
メタマスクにBNBを送金
メタマスクにBNBを送金します。バイナンスにログインして、右上のアイコンをクリック。
「フィアットと現物」を選択。
BNB欄の「出金」を選択。
必要事項を入力したら「出金」をクリック
入力項目
通貨 BNB
アドレス メタマスクからコピーして貼り付け←絶対に間違えないこと!
ネットワーク BSC BNB Smart Chain(BEP20)
金額 指定の数字 ※初めは送信テスト用で最低限の額を送ることをお勧めします!
バイナンスからの出金の反映について(バイナンス公式HP)
メタマスクに反映されていたら入金成功!
預け入れをする
Beefyにアクセスして、「Launch App」をクリック。
「Connect Wallet」→「Metamask」を選択。
①「BSCチェーンのアイコン」を選択→②「PAE-BNB LP」を選択。
①「BNB」を選択→②預け入れる金額を入力
「Deposit」を選択。
メタマスクが立ち上がるので、「確認」をクリックして預け入れ完了です。
引き出しをする
「Withdraw」を選択→引き出すトークンを選択→「引き出す量」を入力。
「Withdraw」をクリック。
初めて引き出す場合は、プールへのアクセス権限が求められます。
「確認」をクリック。
再びメタマスクが立ち上がるので「確認」をクリックして引き出し完了です。
Beefy Financeのメリット・デメリット
メリット
ユーザーにとって、使いやすいサイト設計になっています。
高利回りのプールがある
Beefyでは、年利が1,000%を超えるプールがあります。
高利回りが期待できるプールをうまく選べば、効率よく資産を増やすことができます。
トップページから「APY」順に並び替えて、利回りの良いプールを探してみましょう。
手数料が安い
1回の取引にかかる手数料が、非常に安いです。
預け入れや引き出しそのものにかかる手数料は、0〜0.1%程度。
加えて、運用そのものにかかる手数料は、APYに含まれています。
また、利用しているチェーンによっては、手数料が10〜100円台で済むことも珍しくありません。
下の画像の当時は1BNB=40,000円ほどのレートだったため、ガス代(手数料)は、40,000×0,04=166円ほど。
そのため、元手が少ない人でもお試し感覚で取引を始めやすいです。
UniswapやAaveなどのDEXで取引をすると、手数料だけで数千円持っていかれてしまいます。
「Histrical rate」が便利
「Histrical rate」で預入をするプールの情報を確認することができます。
預け入れられている資産の総額やトークンの価格、年利の変化を確かめることで、そのプールのリスクを自分自身で判断するできて便利です。
ある程度実績のあるプールならば、安全性が高いと判断できるでしょう。
トップページからポートフォリオが見れる
サイトのトップ画面には、利用者のポートフォリオが表示されます。
「預け入れの総額」「月々の稼ぎの予測」「日毎の稼ぎの予測」が一目で分かります。
複数のプールに預け入れている場合は、とても助かります。
デメリット
リスクの高いトークンもある
多様なプールがあるということは、その分価格変動の激しいトークンも混ざっている可能性が上がります。
高利回りに飛びつくのではなく、そのトークンがどんな価値を持っているのかを見極める必要があります。
また、「流動性提供」につきものであるインパーマネントロスのリスクもあります。
プールが一時停止する可能性がある
何らかの事情で、プールの活動が停止されることがあります。
扱っているトークンの安全性などには、気を配るようにしましょう。
リスク管理度の数値は完全ではない
SAFETY SCOREが高くても、プール自体が一時停止する場合があります。
画像のDOLAプールは、SAFETYが8.5点ですが、PAUSED(一時停止)となっています。
思わぬところで価値の変動が起こるのが、仮想通貨の世界です。
SAFETYのスコアを無闇に信じるのではなく、自分でも安全性をきちんと調べましょう。
リスクとその対策
DeFi特有のリスクについては、以下の記事を参考にしてください。
ここでは、Beefyを利用する際のリスクとその対策についてまとめていきます。
Safety Scoreを見る
各プールのリスクパラメータをまとめたSafety Score。
まずは、ここを参考にリスク管理をすると良いでしょう。
各プールには、6項目の指標があります。
補足
これら6項目の指標は、プールによって異なります。
指標は大きく分けて3種類あります。
- Beefyプロトコル自体のリスク
- トークン自体のリスク
- そのトークンを扱うプラットフォームのリスク
これら3種類の中から、それぞれのプールに最適化した項目が選ばれて、各プールのSafety Scoreが算出されています。
詳細な項目は、全部で10種類以上あり、その中から6種類が選ばれて表示されているというわけです。
さらに詳しく知りたい方はこちらから。(Beefy「Safety Score」のDocsへのリンクです)
ここでは、pBNB-BNBのプールを例に見ていきましょう。
①Complexity(複雑性)
プール自体が利回りを生み出すエコシステムがどれくらい複雑であるかを示す。
LOW、MID、HIGHの3段階。一般的には、利回りを生み出すシステム自体はシンプルなほど堅牢になるので、Lowであれば安全性は高いと判断される。
②Time in Market(期間)
プールが立ち上がってから、問題なく稼働している期間に基づいた指標。
- BATTLE TESTED:一定期間以上、大きな問題なく稼働している。
- NEW STRAT:稼働し始めて1ヶ月未満。今後、問題が発見される可能性がある。
- EXPERIMENTAL STRAT:まったく新しい方法で稼働している。試験的な意味合いが強く、利用には細心の注意が必要。
③Imparmanent Loss(永続的損失のリスク度)
インパーマネントロス(トークンの価値に大きな開きが生じたときに、発生する損失。以下、IL)のリスク度を表します。
- NONE:IL発生の可能性は、ほとんどない。安定した価値の仮想通貨を扱うプールである証拠。
- LOW:ILが発生する可能性がある。価値の変動する仮想通貨を扱っているプール。
- HIGH:要注意。L発生の可能性が高い。価値が大きく変動する仮想通貨を扱っているプール。
- ALGO STABLE:要注意。アルゴリズム担保型のステーブルコインを扱うプール。アルゴリズムが崩壊すると暴落の可能性がある。
④Market Cap(資産の時価総額)
扱っているトークンの価値変動の激しさや安定性に基づく指標。
- LAUGE:価値変動が起こりにくく、長期的に成長していく可能性が高い資産。
- MEDIUM:中〜長期的に見て成長可能性のある資産。
- SMALL:価値変動の激しい資産。長期的に成長していく可能性は低い。
- MICRO:極端な価値変動を起こす資産。長期的に成長していく可能性はほとんど無い。あるいは価値が落ちていく。
⑤Security1(安全保障)
信頼できる人物の監査の有無。
その分野にて実績のある人物が、最低1人以上プロトコルの監査をしているかどうかで判断されます。
⑥Security2(安全保障)
DEX自体の動作(コントラクト)を他の人がきちんと検証できているかどうか。
コントラクトを検証する第3者によって検証済みであるものは、安全性が高いと判断されます。
プールを分散させる
Beefyをメインで運用するのであれば、2つ以上のプールに分けて預け入れをしましょう。
単一のプールにトークンをまとめて預け入れておくと、万が一そのプールが一時停止状態になってしまった時に、資金を引き出せなくなる可能性もあります。
資産を分散させて管理するのは、投資の基本原則です。
もととなるDEXの状況も確かめる
Beefyは、他のDEXにおける利回りを最適化しているため、もととなるDEXが存在します。
つまり、運用元となるDEXの状況を知ることが、リスク管理につながるのでです。
預け入れるプールの情報から、元となるDEXについてもざっくり調べておきましょう。
まとめ
Beefyの特徴や使い方、メリット・デメリット、リスクとその対策についてお伝えしました。
本記事が、DeFiで仮想通貨運用をしようと考えている方の参考になれば幸いです。
本記事のおさらい
- Beefyは10以上のチェーンに対応したDEX。
- 手数料を低く抑えながら利用できる。
- 上手く活用すれば、高利回りのプールで効率よくトークンを増やすことができる。
- リスク管理の指標が詳しく示されている。