こんにちは、yodakaです。
- インパーマネント・ロスって何?
- インパーマネント・ロスが発生する仕組みを知りたい
- どんな対策をすれば良いの?
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
インパーマネント・ロスとは、流動性提供をしたときに発生するかもしれない損失のことです。
本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。
本記事を読むと分かること
- インパーマネント・ロスが発生する前提
- インパーマネント・ロスが発生する仕組み
- インパーマネント・ロスの対策
インパーマネント・ロスが発生する前提
インパーマネント・ロスを理解するために、そもそもどんな状況が前提になっているのかということを理解しましょう。
前提となるのは
流動性提供
という概念です。
図①:2種類以上の異なる通貨を一箇所に集めて、そこで両替をできるようにした状態です。これを「流動性提供のプール」と呼びます。
②:利用者は、このプールに入っている通貨を両替することができます。
③:プールの利用者は、流動性の提供者に手数料を支払います。この手数料が、流動性提供者(プール作成者)の収入となります。
(DeFiにおいてもUniswapなどを始めとした多くのDEXが、この仕組みを利用しています)
この仕組み自体は、仮想通貨に限らず、法定通貨にも当てはまります。
ここで問題になるのが、
通貨の価値が変動すると損失が発生するかもしれない
ということです。
インパーマネント・ロスが発生する仕組み
それではインパーマネント・ロスが発生する仕組みを具体的に見ていきましょう。
①1ETH=2,000ドルのレートの時に10ETH(=20,000ドル相当)と20,000USDC(20,000ドル相当)が入ったプールを作成したと仮定します。この時、プールには総額40,000ドル分の仮想通貨が入っていることになります。
②ここに、利用者が10,000USDCを持ってきて、プール内の5ETHと両替していきました。
③プールの中身は5ETHと30,000USDCとなります。この時点でのプールには、総額40,000ドル分の仮想通貨が入っていることになります。
④ところが、この後ETHの価格が上昇して1ETH=3,000ドルになったとします。すると、プールの中身は総額5(ETH)×3,000(ドル)+30,000(ドル)=45,000ドルとなります。
一見損はしていませんが、ここに落とし穴があります。
⑤流動性提供をせずに、10ETHと20,000USDCが手元に残っていた場合の金額を計算してみましょう。すると、10(ETH)×3,000(ドル)+20,000(ドル)=50,000ドルとなります。
比べてみると分かりやすいですね。
つまり、流動性提供をしなかった方が結果的に得をしたことになるのです。
補足
今回は、インパーマネント・ロスの概念を分かりやすく説明するために非常に限定的な条件で説明をしています。
実際には、プールに残るトークンのバランスや双方のトークンの価値が変動する可能性があるため、もう少し複雑な計算が行われます。
より深く理解したい方は以下の動画がおすすめです。
インパーマネント・ロスの対策
インパーマネント・ロスには、どんな対策をすれば良いの?
それでは、最後に私が行なっている具体的な対策をまとめます。
まず、結論から言うと
流動性提供を行う上で、インパーマネント・ロスを完全に無くすことはほぼ不可能
です。
そのため、以下の対策は
インパーマネント・ロスとどう付き合っていくか
という内容が中心です。
流動性の大きなプールを利用する
一般ユーザーが流動性提供をする時には、基本的に新たなプールを作るのではなく、既に存在するプールを利用するという場合が多いです。
そのような場合には、大きな金額が預け入れられていて、多くのユーザーが両替に利用しているプールを選ぶと良いでしょう。
大きな利回りは期待できませんが、プール内の仮想通貨のバランスが崩れにくいため、そもそもインパーマネント・ロスが起こりにくくなります。
逆に、預け入れられている仮想通貨の総額が少なく、流動性も小さいプールは、プール内の仮想通貨のバランスが崩れやすいため、価格変動が発生するリスクが高まります。
プールに預け入れられている仮想通貨の総額は必ずチェックしましょう。
変動の許容範囲を決めておく
インパーマネント・ロスを完全に無くすことは、ほぼ不可能です。
なぜなら、通貨の価値は変動しながらバランスを取るものだからです。
そのため、流動性提供をする限りはインパーマネント・ロスが発生するという認識が必要です。
その上で、あなた自身が通貨の価値変動をどれだけ許容範囲内に収められるのかを決めておくと良いでしょう。
「ここまでの価値上昇は、許容範囲として許容できる」と決めておけば、仮想通貨の価値上昇が起こった時に流動性提供を撤退して、通貨を別の運用方法に回すこともできます。
手数料収入も含めて利益計算をする
撤退のラインを決める際に重要な観点が「手数料収入も含めた利益計算」です。
流動性提供をする目的は、手数料収入が発生すること。
ならば、その手数料収入がインパーマネント・ロスによって生じると予測される潜在的な損失を上回っている限りは流動性提供を行う価値があります。
インパーマネント・ロスによる損失以外にも目を向けて、損失が最小限になるような資産運用をしましょう。
既に大きな流動性を獲得している仮想通貨を使う
BTCやETHなど、既に大きな流動性を獲得している仮想通貨は、流動性提供をするにあたって有力な選択肢の一つです。
既に十分な需要がある仮想通貨ならば、多くの人が利用するため、長い期間にわたって利用され続ける可能性が高いからです。
初心者のうちは、プロジェクト自体に将来的な利用可能性があると信じられる仮想通貨や、既に多くのプロジェクトにおいて実際にユースケースを確立している仮想通貨を調べて、それらを用いて流動性提供を行うようにするのが無難です。
また、以下の動画もインパーマネント・ロスを避けるための手法を解説しています。
6 Ways to Avoid Impermanent Loss (Crypto Liquidity Pools)
紹介されている6つの観点は以下の通り。(動画内で詳しく解説)
- ステーブルコインのペアで流動性提供をする
- リスクが高いコインや価格変動の激しいコインは避ける
- コインの価格が低い時に流動性提供をする
- 追加のインセンティブがある場に流動性提供をする
- プール内の比率を50:50にしない
- プール内の資産を2種類だけにしない
DeFiにまつわるリスク対策などについては、以下の記事も参考にしてみてください。
あわせて読みたい
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今回は、インパーマネント・ロスについてまとめました。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
- インパーマネント・ロスは、流動性提供をする際に発生する可能性のある損失のこと。
- プール内の仮想通貨のバランスが崩れたり、仮想通貨の価格が大きく変動した時に発生する。
- インパーマネント・ロスを完全に無くすことは非常に難しい。
- 流動性の大きな仮想通貨を用いて、流動性提供をすることで、損失リスクを低下させることができる。