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🛠️開発記録#507(2026/4/11)Lead-Lag研究メモ DAY6― 仮観測機を通しながら、ETFを短期主系からいったん外す判断をした話

こんにちは。ぼっちbotterよだかです。

今回もリードラグ研究についてのメモを残しておきます。先日、リード対象の情報ソースをBTCのETFに変更してから開発がずいぶん滞っている感じがしていたのですが、その原因や本質的に何が問題なのかを自分なりに掘り下げたので、備忘録的にまとめておきます。

今回の目的

今回の研究でやりたいことは、Binance Japan を lag としたときに、その前で動いている lead になりうる情報ソースがあるのかを見ることです。

もう少し雑に言うと、「Binance Japan の価格が動く前に、別のどこかを見ていれば先回りできるのか?」を探している、ということですね。

ただ、ここで言う lead-lag は、単に“相関がある”とか“なんとなく似た動きをしている”という話ではなくて、先に観測できる何かがあって、それがあとから Binance Japan 側の価格形成に影響してくるような構造を見たい、という意味です。で、それを見つけられたとしても、最終的には個人botterの自分が実際に拾えるものでなければあまり意味がない。ここが結構大事。

以前、クリプト内の2市場間で短い時間のリードラグを見にいったときは、構造自体はうっすらありそうだったんですよね。数秒から60秒くらいの範囲では、「あー、先に動いてるっぽいな」という感じのものは見えた。ただ、見えたところでそれが数bpsとかの薄い差で、しかも埋まるのも速い。要するに、個人のインフラで真正面から殴り合うにはかなり厳しい土俵だった。

なので今回は、その反省を踏まえて、もっと時間を広げて見にいくことにしました。数秒で勝負するんじゃなくて、もっと遅れて効いてくる情報や、ゆっくり波及する構造がないかを見る。で、その候補として、ひとまず Bitcoin ETF あたりを lead 側の情報ソースとして置いて、Binance Japan への波及を観測してみよう、という流れです。

……と、ここまで書くとわりと筋が通っているように見えるんですが、実際にやってみると、単に時間枠を広げれば済むわけでもなかったんですよね。情報ソースを変えると、見えるものだけじゃなくて、そもそもの市場時間とか取得のしやすさとか、観測の回し方そのものまで変わってくる。そのへんが今回かなり露骨に出ました。

なので今回は、lead 候補そのものを評価する話でもありつつ、同時に「自分が何を見ようとしていて、そのためにどんな観測機が必要なのか」を整理し直す回でもあります。まだ結論を出し切る段階ではないけど、少なくとも今どこで詰まっていて、何を保留しているのかはだいぶ見えてきました。

仮観測機の確認でやったこと

で、今回いきなり lead-lag 構造の良し悪しだけを見にいけたかというと、そうでもなくて。
その前にまず、「そもそも観測機がちゃんと動いてるのか?」を一回ちゃんと確認し直しました。

ここ、今振り返ると結構大事でした。前にも一応それっぽく動かしたことはあったんですが、その時は正直、何が通っていて何が通っていないのかを自分でちゃんと把握できていなかったんですよね。取得できてるっぽい、メトリクスも何か出てるっぽい、グラフも動いてるっぽい……みたいな、だいぶ“っぽい”で済ませていた。

でも今回は、そこを曖昧にしたまま先へ進むのはよくないなと思って、仮の source を使ってでもいいから、観測機の導線をちゃんと白黒つけることにしました。

やったこと自体はシンプルで、まずは 24H で動いていて検証しやすい仮 source を使って、観測機の中で

  • event が発生するか
  • pending まで載るか
  • 未来窓が揃って valid まで到達するか
  • 途中で reject されるなら、その理由は何か

を順番に見ていきました。

要するに、「この観測機、途中で死んでるの? それともただ待ち時間が必要なだけなの?」をちゃんと見極める作業です。

やってみてまず見えたのは、データ取得そのものは一応できているし、event も出ているということでした。そこだけ見ると「お、動いてるじゃん」と言いたくなるんですが、問題はその先なんですよね。event が出ても、すぐに valid/reject が確定するわけじゃない。設定している horizon の都合で、判定まで普通に待ち時間が発生する。

このへん、実際に手元で動かしてみてようやく腹落ちしました。
頭ではわかっていたつもりでも、メトリクスを見ながら「なんで valid が増えないんだ?」と一瞬不安になったので、結局、自分はまだシステムの時間構造を身体で理解できていなかったんだと思います。

で、その後しばらく回してみた結果、少なくとも仮観測機としては

event → enqueue → valid

の流れまでは一旦通ることが確認できました。reject 地獄になっているわけでもない。ここは普通に収穫でした。

つまり今回の確認でわかったのは、「研究仮説が当たっている」ではなくて、
少なくとも観測機が途中でコケていて何も判断できない状態ではなくなった ということです。

逆に言うと、これでようやく、観測機の不調と lead 候補そのものの弱さを切り分けて考えられるようになった。今までここがちょっと混ざっていたので、まずは土台を踏み直した感じですね。

現時点の観測結果

で、肝心の観測結果なんですが、ここは今のところかなり素直に言ってしまうと、観測機は通ったけど、仮説はまだ弱そう という感じです。

スクショを見ても、event 自体はちゃんと出ています。pending に載って、その後 valid まで到達しているものもある。なので「何も起きていない」とか「途中で全部落ちている」という状態ではないです。そこはまずよかった。

ただ、その先に出てきた数字があまりよろしくない。

とくに research net のところを見ると、少なくとも今の仮 source・今の event 定義・今の horizon の切り方では、だいぶマイナス寄りなんですよね。gross がちょっとプラスに見える場面があっても、コストを引くと普通に沈む。cost-pass rate も全然立ち上がってこない。time-to-hit も「おっ、これは届いてるな」という感じにはまだなっていない。

要するに、観測としては成立しているけど、取れる構造としてはまだ全然嬉しくない

このへん、かなり大事だなと思いました。
というのも、もし観測機が壊れていたら「数字が悪いのはシステムのせいかも」で逃げられるんですよね。でも今回は、一応そこは通ってしまった。なので、少なくとも今見えている弱さについては、「仮 source が弱い」「event の切り方が悪い」「時間幅がズレている」「そもそもこの lead 候補はあまり強くない」みたいな、仮説そのものの側へ話を戻さないといけない。

もちろん、まだ途中経過なので、ここで完全に白黒を出す段階ではないです。サンプルも多くはないし、仮観測機で見ている以上、これをそのまま本番の lead 候補の優劣に直結させるのも雑だと思う。
ただ、それでも少なくとも「動けば勝てるはず」という感じでは全然ない、というのはもう見えてきた。

このへん、自分の中では結構よかったです。
良い結果が出たからではなくて、観測機の正常化と仮説の弱さをちゃんと分けて見られるようになった ので。前だったら、この2つがごっちゃになって、「うーん、なんかダメっぽい」で終わっていた気がする。

今の段階で言えることをかなり雑にまとめると、

  • 観測機の導線は一旦通った
  • でも、今の仮 source から見える構造はかなり弱い
  • 少なくとも、楽に取れる lead がここにある感じではない

こんなところです。

つまり、ここで見えてきたのは「勝ち筋」ではなくて、
何がまだ勝ち筋になっていないのか でした。
まぁ、研究ってたぶんそういうものなんだろうなと思います。

情報ソースを変えたことで見えた問題

で、今回いちばん大きかった気づきはたぶんここです。
lead 候補の情報ソースを変えると、見えるものだけじゃなくて、研究の進め方そのものまで変わる

これ、言われてみれば当たり前なんですよね。
でも実際にやってみるまでは、私はわりと雑に「短い時間の戦いが厳しいなら、もう少し遅れて効く source を見に行けばいいのでは?」くらいの感覚でいました。方向性としては別に間違っていないと思う。今でもその発想自体は妥当だと思っています。

ただ、問題はそこから先でした。

クリプト同士の lead-lag を見ていたときって、少なくとも市場はずっと開いているし、データ取得も比較的一貫しているし、観測のテンポもある程度自分の生活時間に寄せやすいんですよね。もちろん短期で殴り合うのはしんどいんだけど、少なくとも「見たいときに見られる」感じはある。

でも ETF を lead 側に置いた瞬間、その前提が崩れた。

市場時間がある。
土日は止まる。
夜に動く。
リアルタイムでちゃんと見ようとすると、自分の生活時間をそっちに寄せる必要が出てくる。

ここ、地味にというか全然地味じゃなくて、かなり重かったです。

つまり今回しんどかったのは、「ETF がダメだった」ことではなくて、情報ソースを変えたことで、時間構造まで別物になった ことなんですよね。
同じ“価格データ”でも、ずっと開いている市場と、取引時間が明確に切られている市場では、観測の意味も回し方も変わる。で、そのギャップを、自分は思っていた以上にちゃんと織り込めていなかった。

だから途中から、「あれ、仮説が悪いのか?」「いや、観測機が悪いのか?」「というか、そもそもこの source を今の生活のまま主戦場にして良いのか?」みたいな、論点がいくつも混ざり始めたんですよね。ここはちょっと反省です。

ただ、反省といっても「外の source を見に行ったのが間違いだった」とまでは思っていません。
むしろ、そこを一回踏んだからこそ、lead 候補は価格的に面白そうかどうかだけじゃなくて、取得可能性・市場時間・研究の回転速度・生活との相性まで含めて評価しないといけない ということがだいぶはっきり見えた。

これ、たぶん自分の中では結構大きいです。

今までは、lead になりそうかどうかを、つい構造の有無だけで見たくなっていたんですが、実際にはそんなに単純じゃなかった。
構造があっても、夜中に張り付かないとまともに観測できないなら、それを自分の主戦場に置いていいのかは別問題なんですよね。しかも、私は生活を壊すようなやり方をしたくない。健康第一ってわりと本気で思っているので。

そうなると、source の評価軸そのものを少し変えないといけない。
「面白そうか」だけじゃなくて、
自分の生活を壊さずに継続観測できるか
ここもちゃんと条件に入れた方がいい。

今回、そこがかなり露骨に見えたのは収穫でした。
正直、途中では「なんか無駄に遠回りしてるかも」とも思ったんですが、今振り返ると、単に仮説を見に行っただけじゃなくて、自分がどんな source をどんな役割で扱うべきか を学んでいたんだと思います。

情報ソースを変えるって、ただ材料を差し替えるだけじゃないんですよね。
見える時間も、待ち方も、しんどさも変わる。
そのへん、思ったよりずっとバカにできなかったです。

ETFをどう扱うか

そんなわけで、現時点の結論としては、ETF を完全に切るのはまだ早いけど、短期 source の主役からはいったん外す、これがいちばんしっくりきています。

最初はちょっと迷ったんですよね。
せっかく新しい source を持ってきたのに、ここで外すのは逃げなんじゃないかとか、もう少し粘れば何か見えるんじゃないかとか。まぁ、そういうのは普通に思う。

でも、今回の詰まり方を見ていると、少なくとも今の自分がやりたい研究、つまり短期〜中短期の lead-lag 構造を見たいという目的に対しては、ETF はちょっと重い。
構造があるかどうか以前に、市場時間や取得の都合が研究のテンポを落としやすい。土日も止まるし、夜寄りだし、生活時間との相性もあまり良くない。

で、ここが大事なんですが、私は別に「とにかく勝てそうなら何でもやる」みたいなスタイルではないんですよね。
生活を壊すやり方はしたくないし、健康を削ってまで夜中に張るような運用は、少なくとも自分の主戦場にはしたくない。これは単なる好みというより、わりと設計条件に近いです。

そう考えると、ETF を短期の主系 source に置き続けるのは、今の自分には少し無理がある。
研究対象として面白いかどうかと、主戦場に置くべきかどうかは別なんですよね。ここを分けて考えた方がいい。

なので今の自分の整理としては、

  • ETF は全否定しない
  • でも 短期 lead-lag の主系からはいったん外す
  • 見るなら 長め時間枠、補助ライン、保留観察枠 として扱う

このくらいがちょうどいいかなと思っています。

要するに、切るんじゃなくて役割を下げる感じです。
「主役候補」から「保留の脇役」へ移す、みたいな。これなら雑に捨てた感じもしないし、かといって今の研究リソースを無駄に吸われすぎることもない。

実際、短期構造を見たいなら、24H で検証できる source の方がやっぱり相性がいいんですよね。
見たい時に見られる、回したい時に回せる、待ち時間の意味も理解しやすい。このへんはかなり大きい。逆に ETF は、その source 自体の特性が研究の進め方をかなり縛ってくるので、そこを無視して主系に据えるのはちょっと違う気がしてきた。

なので、今の自分の感覚としては、
ETF を見に行った判断そのものは悪くなかった。むしろ必要な寄り道だったと思う。
でも、その結果として「こいつは今の短期研究の主戦場ではないな」とわかったなら、それは普通に前進なんですよね。

全部を主力候補として抱え続ける必要はない。
一回見て、役割を見直して、今の自分に合う場所へ置き直す。
今回はその段階に来た、という感じです。

来週までの方針

というわけで、ここから先の方針は、わりとはっきりしてきた部分と、まだ保留しておきたい部分が分かれてきました。

まず、比較的はっきりしているのは、短期〜中短期の lead-lag を見る主系 source は、しばらく 24H で検証しやすいものを優先した方がよさそう、ということです。
これはもう、今回の詰まり方を踏まえるとかなり自然な整理だと思っています。短い時間の構造を見たいのに、source 側の市場時間や取得タイミングに強く縛られると、それだけで研究のテンポが崩れやすい。しかも、私の場合は生活リズムを壊したくないという条件もかなり大きいので、そこは無視しない方がいい。

一方で、ETF をこのまま完全に切るかというと、そこまではまだ言い切らないつもりです。
現時点では、少なくとも短期 source の主役としてはやや扱いづらい、という感触が強くなっています。ただ、それがそのまま「lead 候補として価値が薄い」という意味になるのかは、まだ少し分けて考えたい。時間枠をもっと長く取ったときにどう見えるのか、あるいは live 主系ではなく replay や event study 的な扱いにしたときに何か見え方が変わるのか、そのへんはまだ保留にしておいていい気がしています。

なので、来週の動き方としては、たぶんこんな感じになります。

ひとつは、24H で扱いやすい source を中心にして、短期構造の研究をもう少し素直に進めること
ここは今の自分の問いとかなり噛み合っているので、まずはこっちを主線に置いた方が良さそうです。短い時間の構造を見るなら、見たいときに見られる、試したいときに試せる、というのはやっぱり強い。

もうひとつは、ETF はいったん脇に置きつつ、完全否定せずに並行で様子を見ること
ここはまだ判断保留です。今の段階で「ダメだった」と切るには、たぶん source の特性と研究の置き方がまだ少し混ざっている。なので、少なくとも次に扱うなら、「短期主系」ではなく、もう少し役割を限定した形で見た方がいいのかもしれない、くらいのところにいったん置いておくつもりです。

あと、来週までにたぶんもう少し詰めたいのは、自分が何を lead-lag 構造と呼びたいのか そのものです。
時間幅を広げれば lead-lag と呼べるのか、共通要因への遅い反応とどう分けるのか、lead 候補は「先に動く市場」なのか「lag の将来変化を条件づける観測源」なのか。このへん、今の段階ではまだ少し言葉が揺れている感覚があります。研究を続けるなら、ここをもう少し自分の中で揃えておいた方が後で効いてきそうです。

なので、来週の目標を無理に一言にするとしたら、
source を増やすことよりも、今の問いに合った source の置き方を決めること
になるのかなと思っています。

何か大きな結論が出た、という段階ではまだないです。
でも、少なくとも「短い時間の研究をしたいなら、source の市場時間や生活との相性まで含めて考えないといけない」という点は、かなりはっきりしてきました。たぶん来週は、その整理をもう一段進める週になります。

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