DeFi 仮想通貨

仮想通貨を法人口座で管理するメリット・デメリット

2022年7月13日

こんにちは、yodakaです。

  • 仮想通貨を法人口座で管理した方が良いの?
  • 法人口座で管理するとどんなメリット・デメリットがあるの?
  • 法人口座を作れる取引所を知りたい

こんな悩みを解決する記事を用意しました。

仮想通貨の管理方法を法律面から学ぶことで、資産を効率よく管理することができるようになります。

個人で仮想通貨運用をしている方にとっても、法人口座の開設は検討してみる価値があります。

Yodaka

本記事を読むと分かること

  • 一般口座と法人口座の違い
  • 仮想通貨を法人口座で管理するメリット・デメリット
  • 法人口座を開設できる取引所

私は、2020年から主に米国株投資信託を主体とした資産運用をしています。

2021年からは、仮想通貨やNFTなどのデジタル資産も運用しています。

SNSでは、仮想通貨やDeFiに関連する発信もしています。

そんな私が、仮想通貨を触っていて得た知見ををまとめました。

あなたが仮想通貨を触る際の参考になれば幸いです。

結論から言うと、

あなたが既に個人事業主として法人登録を済ませており、尚且つ仮想通貨で大きな利益を上げているのであれば、仮想通貨は法人口座で管理した方がメリットが多い

となります。

それ以外の方であれば、メリットとデメリットを比べながら、仮想通貨の管理方法を決めていくのが良いです。

ちなみに、私のポジションは「将来的に法人口座での管理を視野に入れている」状態です。

是非、最後まで読んでみて下さい。

一般口座と法人口座

口座には大きく分けて「一般口座」と「法人口座」の2種類があります。

一般口座」とは、「名義人が個人の名前の口座」のこと。

あなたが普段使っている銀行や郵便局などの口座は、口座名義が家族の名前になっているはずです。

これらは、一般口座として分類されます。

また、「屋号口座」も一般講座に分類されるので注意が必要です。

屋号口座

口座名義が「〇〇事務所 △△ △△(個人の名前)」など記載されている口座のこと。

個人事業主が、税務署に開業届を提出し、個人名義の口座に「屋号」を付けたもの。法人口座と混同されやすいが、あくまで一般口座に分類される。

屋号」とは「事業の名前」のことで、例えば「〇〇事務所」「〇〇塾」などのように、個人の営んでいる事業を分かりやすく表すものが一般的である。

法人口座」とは、「名義人が会社名の口座」のことです。

例えば、「株式会社〇〇〇〇」などのように記載されているものを指します。

「株式会社〇〇〇〇 代表取締役△△ △△(個人の名前)」のように代表者の名前が入っているものもありますが、登記された代表者の名前が入っているだけであり、代表者が代わった場合には、法人名はそのままで、代表者名が変更されます。

法人口座の開設

通常、金融機関を介して正式な手続きを踏んだ上で開設します。都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・ネット銀行・ゆうちょ銀行などの金融機関で口座開設の手続きができます。

手続きには、会社の商業登記簿謄本などをはじめ、数種類の提出物が必要です。郵送で必要書類を送れば、手続きを進められる金融機関もあります。

口座の開設や運用維持には、一定額の資金が必要で、これらは各種金融機関や開設する口座の種類によって異なる。(月額基本料や取扱手数料など)

【参考】法人口座とは?企業したら知っておきたい一般口座との違い

法人口座を作ると、個人の財産と法人の財産を明確に区別することができるようになります。

個人と法人とで適用される法律が異なるため、この点を見極めて財産を管理すると、様々なメリット受けられる可能性があるのです。

法人口座を開設する主なメリットとしては、「会社としての信用が得られる」ことや「借入などの融資を受けやすくなる」ことなどが挙げられます。

仮想通貨を法人口座で管理するメリット

仮想通貨を法人講座で管理するメリットは、以下の通り。

  • 節税になる
  • 社会的信用が貯まる
  • 損失繰越の期間が個人より長い
  • 損益通算ができる
  • 給与所得控除を利用できる
  • 経費として計上できる
  • 手軽に送金できる
  • 福利厚生・保健面での保持が受けやすい

順番に見ていきましょう。

節税になる

国税庁によると、仮想通貨取引で得た利益は「総合課税」として分類されます。

一般口座で管理する場合の税率は、住民税を含めて最大55%にも達します。つまり、大きな利益を上げても、その半分以上が税金で持って行かれてしまう可能性があるのです。

しかし、法人での管理のもとであれば、住民税を含めた税率は、最大でも34%程度で済みます。

あなたが、仮想通貨取引で大きな利益を上げているならば、法人で管理することによって、最大20%もの税率引き下げが可能となるのです。

社会的信用が貯まる

法人であるということ自体が、社会的信用を保障してくれます。

あなたの事業が法人として運用実績が積み上がっていけば、融資をはじめとした資金運用面でも有利になります。

損失繰越の期間が個人より長い

法人口座を作ると、その事業での損失繰越の期間を最長9年間まで延長することができます。

損失繰越によって、仮想通貨の取引で生じた損失分は、利益から向上することが可能となるので、投資に失敗した時にも、本来の事業収益に対する税率の負担が大きくなることを防ぐことができます。

一般口座で管理していると、損失繰越の期間は最長3年間なので、法人口座で管理した方が、リスク軽減に繋がると言えます。

損益通算ができる

あなたが既に仮想通貨以外の法人で事業を持っていた場合、その事業の損益を併せて仮想通貨の運用損益を計上することができます。

仮想通貨は値動きが激しいので、いつも安定して高い収益を実現できるとは限りません。

もしも、仮想通貨の運用で損失を出してしまっても、その損失額を別の事業の収益と相殺することで、収益額を減らして納税額を減らすというリスクヘッジ的な運用もできるようになります。

給与所得控除を利用できる

法人であれば、その収益の一部を給与として分散させることもできます。

例えば、家族を法人の役員として登録しておくことで、家族に給与を支払うのです。

この場合、給与にかかる税金が給与所得控除を差し引いた金額で計上されるため、大きな効果を持つ節税対策になるのです。

家族と言えども、制度上は法人の役員や職員として雇用されているという扱いを受けるため、資産を分散させて守ることに繋がります。

経費として計上できる

法人であれば、様々な場面でかかる費用を経費として計上することができます。

仮想通貨関連で発生する経費は、PC利用時のインターネットの通信回線料金や、ハードウォレットの購入費用、オフィスの賃貸料など数多くのものが考えられます。

税理士と相談しながら、経費となるものを洗い出すと良いでしょう。

法人登録する手間に見合った経費での計上は、是非とも押さえておくべきポイントの一つです。

手軽に送金できる

時間と手間をかけずに手軽に送金ができること。

これは、仮想通貨ならではのメリットです。

仮想通貨は、個人が操作することで手軽に送金することができます。

そのため、仲介業者への手数料やそれに伴う時間のロスなどが発生しません。

法定通貨を海外に送金する際は、仲介業者を経由する必要があり、その手続きにかかる時間や手間が惜しまれることも少なくありません。

もっとも、法定通貨は規則が整っており、何かあった時の補償もあるため、一概に法定通貨での送金がデメリットばかりだということではありません。

福利厚生・保険面での保持が受けやすい

法人でいると、福利厚生や保険面での優遇措置が受けやすくなります。

小規模企業救済やセーフティ企業救済など、法人を保護するための仕組みは数多くあります。

これらの保険に対するコストは、法人口座での仮想通貨投資においては、経費として計上することが可能な場合もあります。

経費計上できるものを戦略的に組み込んでいくことで、節税効果が期待できます。

仮想通貨を法人口座で管理するデメリット

仮想通貨を法人口座で管理するデメリットは、以下の通り。

  • 利益が小さいと税金面でのメリットがなくなる
  • 法人設立や管理に費用がかかる
  • 仮想通貨の損益計算処理が複雑
  • 税務調査の可能性が高まる
  • 分離課税制度が適用されると税金面で不利になる
  • 法整備が不十分

こちらも順番に見ていきましょう。

利益が小さいと税金面でのメリットがなくなる

一定額以上利益を上げていないと、法人口座を作ることが資金面でのデメリットとなります。

法人口座で管理した場合の最大税率は、住民税を含めて33,4%。

一般口座で管理した場合の最大税率は、住民税を含めて55%。

最大税率で見ると、法人口座での管理の方が有利なのは確かです。

しかし、収益が一定額以下のときは、一般口座で管理した方が総合的に支払う税金が低くなる場合もあります。

一般口座で管理している場合、仮想通貨で得た収益は「所得税」に分類されます。所得税の税率は「累進課税制度」に則って決まるため、収める税金は、稼ぐ量が増えるほど多くなります。

しかし、稼げが少なければ、15%程度の納税率で済むのです。

つまり、法人口座で管理すると税率が有利になるのは、収益が所得税の成立を超えている場合に限定されるということです。

法人設立や管理に費用がかかる

まず、法人を登記するのに20万円ほどの費用がかかります。事業の形態によっては、従業員への給与も発生します。

そして、法人口座の維持にも月毎の手数料がかかります。

仮想通貨取引のみでこれらの費用を賄えるようでなければ、法人口座を作ることによって、お金が減るだけになってしまいます。

仮想通貨の損益計算処理が複雑

仮想通貨の損益計算処理は、非常に複雑です。

対策としては、「取引ごとにこまめな記録をつけておくこと」です。

これは、仮想通貨の取引における「損益のタイミング確定」が原因です。

当然ながら、日本に暮らすからには税金は「日本円」で治めなければなりません。

仮想通貨を日本円に交換した時点で「損益の確定」となります。

これは、初心者の方にも理解しやすいでしょう。

ところが、これ以外にも「損益発生のタイミング」として認知される状態があります。

ここからは少しややこしくなります。

まず、「仮想通貨で商品を交換した時」です。

例えば、1BTC=50万円の時にBTCを手に入れ、1BTC=100万円の時に1BTCでパソコンを購入したとします。

この時、パソコンの価格は日本円で100万円であると判定されるため「

50万円分の収益」として計上されます。

仮想通貨で買い物をした場合の記録は、必ず残しておきましょう。

続いて「異なる仮想通貨同士を交換した時」です。

仮想通貨には様々な種類があり、取引所に上場していないもの含めると1000種類を超えます。

その多くは、発行された後にほぼ無価値になってしまいます。

注意したいのは、それらの仮想通貨も、交換した時点でのレートが損益計算の対象となるということです。

例えば、1BTC=1万ドルの時に1BTCを購入。

そして、1BTC=2万ドル=200万円、1USDC=1ドル=100円の時にBTCをUSDCに交換した場合で考えてみましょう。

この時点で1BTC=2万USDCなので、1万ドル分の利益が発生しています。。

1ドル=100円ならば、日本円換算で100万円分の利益が発生したという判定になります。

この100万円を収益の一部として計上しておく必要があるのです。

最後に「エアドロップなどにより、無料で仮想通貨を入手した時」です。

これは、エアドロップにより入手した時点で価格が利益として計上されます。

仮想通貨の価格を調べたいときは、CoinMarketCapCoinGekcoなどのサイトを使うと良いでしょう。

いずれにせよ、どの場合も「取引の履歴をこまめに記録しておくこと」が大切です。

国内の取引所は、過去の取引履歴をまとめてダウンロードすることもでることが多いですが、新しい取引所を使い始める前には、「取引履歴を参照できるかどうか」を確認しておくことをお勧めします。

また、海外の取引所によっては、取引の履歴を半年分しか保存しておいてくれないものもあります。自身でチェックした上で、取引履歴を必ずダウンロードして保管しておきましょう。

税務調査の可能性が高まる

法人口座での管理は、税務調査の可能性を高めます。

税務調査とは、確定申告の内容を過去5年間に遡って納税の義務に違反していないかどうかを確かめる作業のことです。

収益に対する納税の額が間違っていなければ問題ありません。

しかし、もし間違いがある場合は、追加で納税の義務が発生します。

この点は、個人で調べ尽くしたとしても、限度があるかと思いますので、仮想通貨の知識がある税理士の方に相談をすることをお勧めします。

分離課税制度が適用されると税金面で不利になる

仮想通貨で一定額の収入がある場合は、法人口座での管理が有利なのですが、法改正により「分離課税」が認められれば、一般口座での管理が税制面でのメリットを得やすくなる可能性もあります。

日本では、海外と比べて仮想通貨関連の法律の整備が遅れていると言われています。

仮想通貨の使用例が増えていくにつれ、法律の改正が進むことが予測されます。

分離課税制度適用に向けた動きは、是非ともチェックしておきたいポイントの一つです。

法整備が不十分

仮想通貨は法定通貨ではありません。そのため、送金ミスをした時やハッキングによって資産を盗まれたりした時の補償は、法定通貨と比べて充実しているとは言い難いのが現状です。

仮想通貨の世界は、自分で調べることが基本です。

リスク管理を人任せにしないで、自分できちんと勉強を続けることが重要です。きちんと調査をした上で、外部に任せられる部分は任せるというのが最良の選択でしょう。これは、仮想通貨に限ったことでありません。

法人口座を開設できる取引所

日本国内では、すべての仮想通貨取引所が法人口座の開設に対応しているわけではありません。

法人口座の開設に対応しているのは、bitbankbitFlyerCoincheckBITPOINTLiquid by FTXの5つです。

まずは、個人口座を開設して実際に使ってみてから、法人口座の開設を検討することをお勧めします。

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございます。

仮想通貨を管理する上で、一つの参考になれば幸いです。

本記事のおさらい

法人口座で管理するメリットは、「節税になる」「社会的信用が貯まる」「損失繰越の期間が個人より長い」「損益通算ができる」「給与所得控除を利用できる」「経費として計上できる」「手軽に送金できる」「福利厚生・保健面での保持が受けやすい」

法人口座で管理するデメリットは、「利益が小さいと税金面でのメリットがなくなる」「法人設立や管理に費用がかかる」「仮想通貨の損益計算処理が複雑」「税務調査の可能性が高まる」「分離課税制度が適用されると税金面で不利になる」「法整備が不十分」

-DeFi, 仮想通貨