こんにちは、yodakaです。
- Cosmos(コスモス)って何?
- 特徴や仕組みを教えてほしい
- Cosmosの将来性を知りたい
- Cosmosに関する注意点やリスクはあるの?
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
Cosmosとは、全てのブロックチェーンを結びつけることを目指すプロジェクトです。
ブロックチェーンを活用したプロジェクトの中でも独自のポジションを確立しているCosmosは、ブロックチェーンに関わる全ての人が知っておくべきプロジェクトの一つです。
本記事を読んでクリプト界隈を楽しむ知恵を身につけていってください。
本記事を読むと分かること
- Cosmosとは何か?
- Cosmosを使うメリット
- Cosmosの特徴や仕組み
- Cosmosのエコシステム
- Cosmos関連の注目プロジェクト
- Cosmosを利用する際の注意点やリスク
情報ソース
Cosmosとは何か?
Cosmosは
ブロックチェーンのインターネットを作る
ことを目指すプロジェクトの総称です。
これをものすごく平たく言い換えると
全てのブロックチェーンが共存できるようにしよう
ということになります。
どうして、共存が必要なの?
それは、「各チェーンが解決しようとしている問題にはそれぞれに価値があるけれど、一つのチェーンだけでは全ての問題に対処することが難しく、各チェーンが一部に特化した問題解決の手段として共存し合うことがブロックチェーン全体の発展に向けて生産的である」という考えがあるためです。
ブロックチェーンはその構造上、
他のブロックチェーン同士のやりとりが困難だったり、利用者増えるほどに通信速度が遅くなってしまったりする
という問題がありました。
その問題を解決するために立ち上がったプロジェクトの一つがCosmosです。
Cosmosは
- IBC(Internet of BlockChain)を利用して、全てのブロックチェーンを繋ぐ
- ブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決する
ことを目指しています。
Cosmosというプロジェクトは、その構造を以下の3つに分けると理解しやすくなります。
- コスモスハブ
- コスモスネットワーク
- コスモスSDK
本記事では、これらの3つについて詳しく解説します。
開発・運営チーム
Cosmosの開発・運営を手掛けるのはTendermint社です。
主にブロックチェーン関連のプロダクト開発を手掛ける企業です。
Cosmosを使うメリット
Cosmosがもたらす主なメリットは以下の4つ。
- 高速で安価な通信
- 異なるブロックチェーン間の相互通信
- アプリ開発のしやすさ
- Tendermintによる多言語対応
順番に見ていきましょう。
高速で安価な通信
CosmosはコンセンサスアルゴリズムとしてPoS(Proof of Stake)を採用しています。
PoS形式では、ネイティブトークンを多く保有している人ほどマイニング報酬を獲得する機会が増えます。
そのため、ビットコインのマイニングのようにハイスペックなマシンを大量に投入してマイニングにかかる時間を短くするような競争は起きにくい構造になっています。
PoS形式は、ネイティブトークンの保有比率に応じてマイニングのチャンスが与えられるため、マイニングに関わったマシンの計算や電気代も無駄になりにくいシステムです。
マイニングに必要な電気代が安く済むというメリットがあるため、トランザクション手数料も安く抑えることができます。
【マイニングの解説はこちらから】
異なるブロックチェーンの相互通信
コスモスネットワークがもたらすシステムによって、規格の異なるブロックチェーン同士の相互通信が可能なります。
また、ビットコインをコスモスネットワーク上のプロトコルで決済に使えるようにしたり、コスモスネットワーク上で獲得した仮想通貨/トークンをイーサリアムネットワーク上で運用したりするといったことが可能となります。
この相互通信を可能にするシステムがコスモスハブというシステムです。(後述)
規格の異なるチェーン同士を繋ぐことで、ブロックチェーン同士が共存できるようにしているのです。
コスモスSDKによるアプリ開発のしやすさ
コスモスSDKとは、アプリ開発のスターターキットのようなものです。
本来アプリを作るためには1からコードを組む必要があり、しかも母体となるシステムに互換性のあるプログラミング言語を使わなければならないなどの制約があります。
しかし、コスモスSDKは様々な用途別に豊富な種類が用意されているため、開発者にとってはシステム開発が楽になるという大きなメリットがあるのです。
実際に、コスモスSDKで開発されたプロトコルには多くのユースケースがあり、最大級の仮想通貨取引所であるバイナンスのDEXなどがその代表格です。
Here are some popular protocols built using Cosmos SDK
• @BNBCHAIN • @THORChain
• @cronos_chain • @terra_money
• @OasisProtocol • @JunoNetwork
• @cryptocom • @OKCNetwork
• @scrt_labs • @EvmosOrg
• @axelarcore+++
— The Crypto Illuminati (@0x_illuminati) August 11, 2022
SDK
Software Development Kitの略。ウェブサイトはアプリの開発に必要な部品や要素がセットになったもの。開発者は、このキットを使うことで1からコードを組む手間を省くことができる。
Tendermint&ABCIでアプリ開発に集中できる
Cosmosは、Tendermintというシステムを採用しています。
これは、コンセンサスエンジンかつアルゴリズムとして機能します。
開発者は、自分の開発したウェブサイトやアプリを任意のプログラミング言語でラップすることによって、同一のネットワーク上に同期させることができるというシステムです。
このシステムによって、開発者は自分の使いやすい言語を使ってアプリを作成することができるようになっているのです。
開発環境における自由度の高さはCosmosの特徴の一つです。
Cosmosの特徴・仕組み
Cosmosというプロジェクトを支える3つの要素
- コスモスハブ
- コスモスネットワーク
- コスモスSDK
について解説します。
コスモスハブ
コスモスハブは
異なる規格のネットワーク同士を結ぶ共通の約束事
を提供します。
ブロックチェーン間の仲介役のようなイメージですね。
コスモスハブの構造は
「ハブ」「ゾーン」という2種類のブロックチェーン
に分けられます。
ハブ
IBCを介して、ゾーンのルーター(仲介役)として機能するブロックチェーン。
機能をハブとして最小限のもの(ゾーンの接続・データ転送・サイドチェーンのトークン総数の追跡)に制限することで、高速通信を実現しています。
CosmosのネイティブトークンATOMは、コスモスハブのユーティリティトークンとして機能します。(後述)
ゾーン
ハブに接続されているブロックチェーン。
各ゾーンには独自のトークンとバリデーターがあります。
現在、Cosmosには49のゾーンがあります。
これらのゾーンが、用途別に独自のプロトコルとして稼働するという仕組みです。
コスモスネットワーク
Cosmosネットワークでは、ハブ同士が結びつくことによって、外部ネットワーク同士の接続が可能になります。
また、Peg -Zoneというプロキシチェーンを用いて、ビットコインやイーサリアムなどの規格の異なるチェーンとコスモスハブを接続することも可能です。
【Peg-Zoneの解説はこちらから】
そのため、Cosmosは実質的に全てのブロックチェーンを接続することができるのです。
規格の異なるチェーン同士を結びつけることで、ブロックチェーンが広範囲に渡って共存して稼働する手助けをしているのですね。
コスモスSDK
コスモスSDKは、あらゆるユースケースのブロックチェーン開発に役立つ開発キットです。
開発の汎用性が非常に高く、必要に応じて任意の部分を微調整することもできます。
コスモスSDKには、開発のフレームワークとして
- IBCモジュール
- ステーキング
- ガバナンスの手数料分配
- バンキングモジュール
などの基礎モジュールが用意されています。
コスモスSDKで多くのアプリが開発されていて、積極的に稼働しています。
⚛️Most Active Zones in @cosmosibc Networks Last 24H 🚀
🥇 $OSMO @osmosiszone
🥈 $AXL @axelarcore
🥉 $ATOM @cosmos$JUNO @JunoNetwork$EVMOS @EvmosOrg$CRE @CrescentHub$KUJI @TeamKujira$SCRT @SecretNetwork#CROFam @cryptocom $INJ @Injective_#IBCGang #Cosmonauts@MapOfZones pic.twitter.com/urVaF1pKow— Cosmos Daily ⚛️ (@CosmosATOMDaily) September 3, 2022
Cosmosのエコシステム
Cosmosのエコシステムには、70種類以上のアプリ/サービスがあり、そのうちの42種類がIBCに接続しています。
公式サイトの「Ecosysem」からは260種類以上のアプリ/サービスを検索することができます。
また、Cosmos関連のウェブウォレットは30種以上存在し、そのエコシステムを拡大し続けています。
中にはステーキングサービスを利用できるウォレットアプリなどもあります。
定期的に注目プロジェクトも数多く紹介されているので、Twitterなどで情報集することをおすすめします。
Now that you know about some potentially undervalued gems within the Cosmos ecosystem, it's time for another group to take the stage.
Here's another list that could be worth 10x - 100x in the next cycle!
🐶🧵👇🏻 pic.twitter.com/ufiUW6W5vD
— MeetWawa 🐶 (@MeetWawa) November 18, 2022
ネイティブトークンATOM
CosmosはネイティブトークンATOMを発行しています。
これは、コスモスネットワークの手数料として使われるトークンです。
また、所有者はATOMトークンをプロトコルにロックすることでステーキング報酬を得ることもできます。
今後、コスモスネットワークが広く利用されるようになれば、ATOMの価値も高まっていくことが予想されます。
【仮想通貨のステーキングの解説はこちらから】
Cosmos関連の注目プロジェクト
Cosmos関連のアプリにはどんなものがあるの?
それでは、Cosmos関連の注目アプリを5つ紹介します。
Osmosis
OsmosisはコスモスSDKを使用して構築されたAMMで、Cosmosネットワークの中でも人気の高いアプリの一つです。
トークンのスワップ・流動性提供・ステーキングなどDeFiにおける一通りのことができます。
CosmosにおけるUniswapのようなものをイメージすると理解しやすいでしょう。
プロジェクトの詳細は公式ブログでも知ることができます。
Cosmostation
Cosmostationは、コスモスネットワークにおけるPoSノードバリデーターです。
2018年にプロトコルのローンチをして以来、現在までコスモスエコシステムの中核を担ってきたプロジェクトです。
コスモスSDKによって開発されたウォレットの利用やトークンのブリッジなど、多様なサービスに対応しているコスモスネットワークの古株的存在です。
コミュニティのブログがとても充実していて、Cosmosの歴史やアプリの仕組みなどを詳しく学ぶこともできます。
dYdX
dYdXはイーサリアムネットワークのレイヤー2に構築された仮想通貨の分散型取引所の一つ。
レバレッジをかけた信用取引などにも対応していて、レイヤー2プロジェクトの中では利用ユーザーの多いアプリです。
言語表示も複数対応(日本語含む)しているため、初心者でも比較的扱いやすい点も魅力です。
Kujira
Kujiraは、Cosmosのレイヤー1にDeFiのエコシステムを作り出すことを目指し、2021年に発足したプロジェクトです。
FINやORCAなどのプロトコルをローンチし、2022年8月にはステーブルコインKUJIをリリース。
Cosmosネットワーク上に様々なアプリを作り出しながら、着実に開発を進めています。
【Kujiraの解説はこちらから】
Agoric
Agoricは、開発者向けのプラットフォームです。
Javascriptを基盤としたシステム開発を行うエンジニア向けに開発されたブロックチェーンであり、DeFiやNFTマーケットに関連するアプリを構築するための基盤となることを目指しています。
Tendermintを利用して、コスモスネットワークの一部として機能しています。
【ホワイトペーパーはこちらから】
技術的な内容も含めてYouTubeの動画「SF Cryptocurrency Devs: Agoric - Programming Secure Smart Contracts」が大変参考になります。
Cosmosに関連する注意点やリスク
Cosmosに関連する注意点やリスクはあるの?
では、最後にCosmosにまつわる注意点やリスクをまとめます。
ネイティブトークンATOM自体はあまり注目されない
Cosmos自体が中立な立場をとっているため、ネイティブトークンであるATOMが急激に価値を高めることは期待しにくいでしょう。
言い換えれば、ATOMは他の仮想通貨と比べて比較的ボラティリティの低いトークンであるということ。
そのため、ATOMを利用したトレードは効率が悪くなる可能性があります。
ATOMは短期トレード初心者向けのトークンではないと言えます。
ネイティブのステーブルコインをサポートしていない
コスモスのエコシステムは、ネイティブのステーブルコインをサポートしていないため、コスモスネットワークの利用が下火になるとネットワーク自体の価値が一気に低下する恐れがあります。
これまで、ネイティブのステーブルコインをサポートせずに立ち上がったプロトコルはほとんどありません。
ネットワークの使用頻度が低下していたり範囲が狭まったりしていないかどうかを定期的にリサーチする必要があります。
一部のプロトコルはブリッジに大きく依存している
ハブを用いるということは、ブリッジの構造と非常に似ています。
ブリッジは、仮想通貨のDeFi運用において最も攻撃を受けやすい部分の一つ。
ハブを用いて大きな資金を動かすときは、ブリッジに伴うリスクも考慮しましょう。
【ブリッジの解説はこちらから】
セキュリティは各アプリ/ゾーン(Zone)に依存する
Cosmosのネットワークは、開発者の自由な開発を促進する設計になっていますが、その分プロトコルのバグや不具合にさらされるリスクも高まります。
アプリ開発の自由度が高いとは言え、開発者にはシステム面への広く深い知識が必須となります。
接続している全てのチェーンで単一のセキュリティ規格があるわけではなく、各アプリ/ゾーンによってセキュリティの高さが異なるため、様々なアプリを連携しながら資産を運用する際には、充分に調べてから行った方が良いでしょう。
Cosmosの概要を理解するには、こちらのスレッドも有益です。
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— The Crypto Illuminati (@0x_illuminati) August 11, 2022
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
Cosmosが独自のポジションを確立しているプロジェクトであることをお伝えしました。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
- Cosmosは全てのブロックチェーンをつなぐことを目指すプロジェクト
- 異なる規格のチェーン同士を結びつけるハブとして機能する
- コスモスハブ・コスモスネットワーク・コスモスSDKの3つの要素で構築される
- コスモスSDKはシステム開発者に向けた方策
- コスモス関連のアプリは260種類以上存在し、既に著名なアプリとして稼働しているものも多数ある
- ネイティブトークンはATOM
情報ソース