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Polygon(ポリゴン)完全解説【イーサリアムのL2】

2022年8月21日

こんにちは、yodakaです。

  • Polygon(ポリゴン)って何?
  • なぜ、注目されているの?
  • 特徴・仕組み・使い方を知りたい
  • 使う時の注意点リスクはあるの?

こんな悩みを解決する記事を用意しました。

Polygonとは、イーサリアムネットワークをより便利に使えるようにするプロジェクトの一つです。

Yodaka

PolygonはイーサリアムのL2として、大切な役割を果たしています。

仮想通貨のDeFi運用をする方にとって、Polygonについての理解を深めておくことはとても重要です。

本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていきましょう。

以下の記事もあわせて読むことで、本記事の内容を深く理解する手助けになります。

Yodaka

本記事を読むと分かること

  • Polygonとは何なのか?
  • Polygonネットワークの仕組み
  • PolygonのネイティブトークンMATICの役割
  • Polygonの関連プロジェクト
  • Polygonを使うメリット
  • 使う時の注意点やリスク

Polygonとは何なのか?

引用:Polygon公式サイト

Polygonは

イーサリアムのサイドチェーン

です。

イーサリアムネットワークをこれまで以上に便利に使えるようにすることを目指すプロジェクトです。

イーサリアムネットワークが広く使われるようになるにつれて、「手数料の高騰」「通信の遅延」などが大きな問題となってきました。

これをイーサリアムのスケーラビリティ問題と言います。

現在、様々な手法で解決策が講じられていて、Polygonもそのうちのプロジェクトの一つというわけです。

しかし、それぞれの解決策には互換性が無いため、派生先のプロジェクトで新たな問題やリスクが発生してしまうことにもなりました。

また、イーサリアムネットワークでは実行にしにくいことなどを展開する独自のチェーンなども台頭してきました。

引用:PolygonのLightpaper

そこでPolygonは

イーサリアムのサポートに特化したネットワークシステムの構築

を提案しました。

引用:PolygonのLightpaper

Polygonが構築するネットワークを使うことで、

  • 通信の高速化
  • 手数料の削減
  • 豊富な種類のdAppsへのアクセス

などが可能になります。

特筆すべきは、Polygonがイーサリアムのスケーラビリティ問題の解決にかなり初期の段階(2017年ごろ)から着手し始めていたということ。

Polygnは、イーサリアムのレイヤー2系のプロジェクトとしては最古参の部類に入ります。

Yodaka

開発・運営チーム

Polygonは、開発初期はMATICという名前でしたが、2021年にPolygonという現在の名称にリブランディングしました。

現在、Polygonの開発・運営の中心になっているのはMATIC財団です。

Maticは

イーサリアムのインフラストラクチャを改善する

というビジョンを掲げて2017年に発足しました。

着々と開発を進め、GitHubにて、Maticのホワイトペーパーが公開されたのが2020年6月2日で、同月にMaticメインネットが稼働開始

PolygonのLight paper の公開は2021年2月

このタイミングでMaticからPolygonにリブランディングし、Pokygonメインネットをローンチ

参考記事:Matic Network Becomes Polygon, Ethereum’s Internet of Blockchains — Expands Mission and Tech Scope

この記事の中では「Polygonネットワークの概要」「他のチェーンとの共存の可能性」についても説明されています。

Yodaka

また、システム開発に伴って、様々な企業からサポート受けています。

2022年8月には、web3ベンチャー企業であるSuper Layerの資金調達ラウンドを主導し、2,500万ドルもの調達を成功させています。

【詳しい内容はこちらから】

つまり、Polygonは

他社の資金調達に向けて様々な企業に呼びかけることのできる影響力も兼ね備えているコミュニティ

ということです。

公式ブログでコミュニティ発展の歩みや現在の開発状況などを詳しく知ることができます。

Yodaka

Polygonネットワークの仕組み

Polygonは、どんな仕組みで稼働しているの?

ここからは、Polygonネットワークの仕組みについて解説していきます。

Yodaka

全体構造

引用;PolygonのLightpaper

Polygonネットワークは2種類のチェーンの特質を組み合わせて稼働します。

  • スタンドアローンチェーン
  • セキュアードチェーン

この2種類が別々の役割を果たすことで異なるチェーン間の共通規格を作り、情報の橋渡し役となっているのです。

スタンドアローンチェーン

PolygonのLightpaper

独立したイーサリアム互換のブロックチェーンネットワーク。

それぞれが独自のバリデーター・プールを持っているため、セキュリティは、各ブロックチェーンに依存します。

システムの独立性と開発に対する柔軟性がありますが、ネットワーク自体の規模が小さいためバリデーター・プールの確立が困難な場合があります。

Yodaka

開発はしやすいけれどセキュリティには不安が残る、ということですね。

セキュアードチェーン

PolygonのLightpaper

独自のバリデータープールを形成することで、「サービスとしてのセキュリティ」を使用するネットワーク。

このサービスは、イーサリアム側からもイーサリアムの外部からも利用することができる。

高いセキュリティ体制の実現が可能である反面、ネットワークの独立性とシステム開発の柔軟性が失われるいう欠点がある。

Yodaka

セキュリティレベルは高いけれど独立性と柔軟性が失われるということですね。

これら2種類のチェーンが

お互いを良さを発揮しながら、バランスを取って稼働している

というのがPolygonネットワーク構造のイメージです。

2種類のシステムの組み合わせなのですね。

Yodaka

PoS(Proof of Stake)

Polygonは、コンセンサスアルゴリズムとしてPoS(Proof of Stake)を採用しています。

これは、ネイティブトークンをプロトコルにロックすることでマイニング報酬が得やすくなるというシステムです。

また、Polygonの採用する方法ではPoS形式によって、一部の承認作業の分散化をしないで済むため、トランザクションが簡略化され、高速通信が可能となるのです。

マイニング・ステーキングの解説はこちらから】

Polygonのトークノミクス

Polygonに関連するトークンはあるの?

それでは、PolygonのネイティブトークンMATIC を見ていきましょう。

Yodaka

【参考:MaticのWhitepaper|Matic Tokens

ネイティブトークン「MATIC」

引用:Coin Market Cap

Polygonは、ネイティブトークンとしてMATICを発行してします。

(Polygonは、元々MATICというプロジェクト名で、2021年にPolygonに改名しています。発行当時につけたMATICというトークン名は今も使われているのです)

過去、他プロジェクト(Uniswapなど)との連携が発表されたタイミングで価格が高騰したという歴史があります。

最高値は、1MATIC=329円を記録しました。(2021年12月26日)

現在は、1MATIC=約107円で取引されています。(2022年8月)

MATICトークンの役割

MATICトークンの役割は、主に2つ。

  • Polygonネットワークの手数料
  • チェーンに情報を書き込む作業の参加権

Polygonネットワークが拡張し、多くのMATICが手数料として使われてるようになるほど、MATICの需要は高まります。

Poylgonは、コンセンサスアルゴリズムとしてPoSを採用しているので、プロトコルにロックするMATICが多いほどマイニング報酬を獲得しやすい仕組みになっています。

それにより、MATICのマイナーは自身の保有するMATICの価値を上げるためにPolygonネットワークの発展に寄与しようとする構造が出来上がっていきます。

「トークンのロック」と「マイニング」についてはこちら(Chainlinkの信頼性)を参照】

Polygonの関連プロジェクト

Polygonに関連するプロジェクトにはどんなものがあるの?

それでは、代表的なプロジェクトやアプリを5つ紹介します。

Yodaka

Quick Swap

https://quickswap.exchange/#/

QuickSwapはPolygonネットワーク上で稼働するDEXの一つです。

Polygon系のプロジェクトでは、イーサリアムネットワークにおけるUniswapのような役割を果たし、低料金での仮想通貨の交換や流動性提供・ファーミングなどができます。(実際に、Uniswapの派生系のプロトコルでもあります)

また、PolygonネットワークにおけるDEXの中では、トップクラスのTVL(資金が預け入れられている量)を誇ります。

Polygon Hermez

https://blog.hermez.io/

Polygon Hermezは、Hermezネットワーク上に作られるウェブウォレットです。

zk-Rollupに基づいて、低コストで高速のトランザクションを可能にします。

利用できるトークンは、ETH/DAI/USDT/wBTC/HEZの5種類。

iOS、Andriodに対応したモバイルアプリも利用可能です。

【詳しい内容はこちらから】

Uniswap

https://uniswap.org/

Uniswapは、仮想通貨の交換や流動性提供などが行えるDEX。

DeFiプロジェクトの中では、最も有名なプロジェクトの一つで、現在もバージョンアップを重ねています。

2022年後半には、NFT取引にも対応する予定です。

【Uniswapの解説はこちらから】

Beefy

https://beefy.com/

Beefyは、様々なチェーンに対応した自動複利運用特化型のDEXです。

複利運用のペースが早いため、短い時間で資産を増やすことができます。

魔界的なハイリスク運用もできるため、マーケットの動向を見切る自信がある方は、ハイリスクな運用を試みることも可能です。

【Beefyの解説はこちらから】

OpenSea

https://opensea.io/

OpenSeaは、NFTマーケットプレイスとして最も有名なサイトの一つ。

市場で取引されているNFTのほとんどは、OpenSeaを介在しています。

PolygonチェーンにブリッジしたETHを利用してNFT取引をすることもできます。

Polygonを使うメリット

手数料が安く、通信が高速

Polygonネットワークは、イーサリアムネットワークと比べて、圧倒的に安い手数料が魅力です。

実際にかかる手数料は、イーサリアムネットワークの100分の1以下で済むことがほとんどです。

また、通信の遅延もほとんど無く、かなり快適に使うことができます。

一度使ってみるとその安さに驚かされます。

Yodaka

アプリが豊富

引用:Polygon|Ecosystem

現在、Poylgonネットワーク上には、37,000以上のアプリが存在するとされています。

公式サイトの「Ecosystem dApps」ページからは1,500種類以上のアプリにアクセスすることができます。

それらのカテゴリーは以下の通り。

  • NFT
  • DeFi
  • Games
  • CEX
  • Utility
  • DAO
  • dApps
  • B2B
  • Social
  • Tools

Polygonのエコシステムは、数も種類も非常に豊富に展開しています。

Yodaka

開発チームの展開が早い

zk-RollupやOptimistically Rollup、別レイヤーへの展開など、Polygonの開発チームの速度は非常に速いことで有名です。

この動きを節操がないと捉える考え方もありますが、新しい技術を凄まじい速度で取り込んで開発にあたる姿勢は、技術革新を生み出す原動力でもあります。

開発チームが手広く様々なことに挑戦していること自体は、今後のPoylgonの発展を期待させる一因となります。

NFTを扱うプロジェクトも展開している

OpenSeaでの展開などに始まり、PolygonネットワークはNFTの扱いに対して非常に積極的に動いています。

イーサリアムの台頭で世の中に大きな革新を生み出し、今や大企業もそのテクノロジーを活用して様々な経済圏を作り出しているNFT。

Polygonは、育ち始めたばかりのNFT市場に、ユースケースを次々と作り出すきっかけづくりをしています。

初心者でも簡単にNFTを購入したり発行したりするアプリも充実しているので、気軽にNFTを触ってみたい方はPolygonのNFTから触ってみることをお勧めします。

Yodaka

【参考:ビギナー向け Polygon NFT購入完全ガイド

使う時の注意点やリスク

Polygonネットワークを使うときに、どんなことに気をつけたら良いの?

では、最後に、Polygonネットワーク特有のリスクなどをまとめます。

Yodaka

アプリ間の連携が薄い

Polygonのもたらす拡張性は非常に大きく、様々なアプリが作られています。

しかし、イーサリアムネットワークのように上位のアプリ同士が経済圏をシェアし合うことで、トークンの流動性を生み出すまでには至っていません。

多くのアプリがそれぞれに存在するというイメージです。

Polygonは使い勝手は良いのですが、その反面「Polygonと言えばコレ」という強力なコンテンツが少なく、総合力で勝負しているチェーンだと言えます。

経済圏を確立できない可能性

イーサリアムは、Cosmosなどのチェーンと共存する可能性があります。

Polygonの公式ブログでも言及されていることですが、Polygonの理念はイーサリアムのエコシステムから漏れた部分を総取りすることではありません。

あくまで、イーサリアム専門のサイドチェーンとしての立ち位置となるため、イーサリアムの発展可能性がそのままPolygonの発展につながります。

従って、Polygonネットワーク自体が巨大な経済圏を確立できない可能性があります。

セキュリティと互換性

Polygonネットワークは、「スタンドアローンチェーン」と「セキュアードチェーン」の2種類のチェーンの掛け合わせで、稼働しています。

そのため、セキュリティの面では、どうしても本家のイーサリアムには劣ります。

ブロックチェーンは、その構造上、分散性を低下させるとセキュリティレベルも低下するという仕組みになっているため、サイドチェーンそのもののセキュリティを高めるためには、zk-RolupやOptimistic Rollupなどの技術を活用したアプリの構築が必須です。

Polygon Hermezが注目を集めているのは、zk-RollupによってPolygonの良さを生かしつつ、高いセキュリティレベルを維持できるからです。

Yodaka

イーサリアムのリスクを継承する

Polygonは、イーサリアムとの互換性を重要視しています。

この点は、イーサリアム関係のプロジェクト全てに共通することですね。

Yodaka

つまり、イーサリアムが潰れればPolygonもその役割を終えることを意味します。

そのため、イーサリアム自体の動向に気を配っておく必要があるでしょう。

イーサリアムのリスクはPolygonのリスクでもあるということを覚えておきましょう。

【イーサリアムの解説はこちらから】

DeFi特有のリスクについては、以下の記事を参考にしてください。

Yodaka

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございます。

Polygonが、イーサリアムネットワークの発展を手助けする上で重要な役割を果たしていることをお伝えしました。

Yodaka

本記事の内容が参考になれば幸いです。

本記事のまとめ

  • Polygonは、イーサリアムのサイドチェーン
  • イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するプロジェクトの一つ
  • Polygonネットワークを使うことで手数料を低く抑えた高速通信が可能になる
  • コンセンサスアルゴリズムはPoSを採用している
  • スタンドアローンチェーンとセキュアードチェーンの2種類の技術を組み合わせて稼働する
  • イーサリアムのL2プロジェクトの中では、利用できるアプリの数や種類が最も多い

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