暗号通貨を一定期間預け入れることで利益を得るステーキング。
どの取引所もそこそこの利回りが得られますが、ちょっと操作や仕組みが複雑で分かりづらい、、、。
また、DeFiについて調べていくほど情報が多すぎて、どのプロジェクトが良いのか迷ってしまうこともありますよね。
そんな方のために、お手軽に始められるInstadapp Lite(インスタダップ ライト)を使ったDeFiステーキングについて説明します。
ものすごくお手軽にできるのに、そこそこ高い利回りを得られるのでおトクです。特に、ETH、USDCを所持している人は読んでおいて損しません!
もちろん、リスクもあるのでしっかりと解説していきます。
DeFiとステーキングについて、詳しく知りたい方は下の記事から読んでみてくださいね。
【徹底解説!】暗号資産のステーキングと始め方【初心者でも安心】
本記事を読むと分かること
- Instadapp Lite(インスタダップ ライト)とは何か?
- Instadapp Lite(インスタダップ ライト)の始め方・使い方
- 始めるまでにかかる時間・費用・環境
- Instadapp Lite(インスタダップ ライト)のメリット・デメリット
- リスクとその対策
Instadapp Lite(インスタダップ ライト)と何か?
イメージは「一部のお金の扱いに特化した高利回りの銀行」ですね。
Instadapp LIte(インスタダップライト)とは、DeFiにおけるDEX(分散型取引所)の一種。主に「暗号通貨のステーキング」サービスを提供しています。
簡単に言うと、Instadapp(インスタダップ)の機能の中からステーキングに特化した部分を自動で管理してくれるアプリです。
本来であれば、複数の機能を自分でカスタマイズしなければならないのですが、それらの手間をほとんど全て省いてくれる優れもの!
現在は、ETHとUSDCという暗号通貨に特化して利回りを最適化してくれる便利ツールとして機能しています。
Instadapp Lite(インスタダップ ライト)でできること
暗号通貨のステーキングができます。
現在(2022年4月中旬)、対応している暗号通貨は「ETH」と「USDC」の2種類。(厳密には「stETH」も対応。後ほど詳しく書きます)
画像を見ると「ETHはApr(年利)が9.67%」「USDCはApr(年利)が9.00%」であることが分かります。
メリットの部分でも詳しくお伝えしますが、この数値はかなり高いです。
Instadapp Lite(インスタダップ ライト)の特徴・仕組み
大まかな特徴と仕組みをまとめていきます。
参考:【インスタダップライトのガイド】https://lite.guides.instadapp.io
技術的なことはAAVE ,LidoのDocsを読めば理解できます。
参考:【LidoのDocs】https://docs.lido.fi/
参考:【AAVEのDocs】https://docs.aave.com/portal/
しかし、膨大な時間がかかってしまうので、ここでは初心者向けにざっくりとまとめています。
ロック期間がない
通常、ステーキングで利益を出すには一定期間はその暗号資産をロックしたままにすることが条件です。
ところが、Instadapp Lite(インスタダップ ライト)は、そのロック期間がありません。
つまり、好きなときに預け入れと引き出しができるということ。
この点は、他のステーキングサービスと比べて大きな強みとなります。
ドルコスト平均法を用いて、長期にわたる積立投資戦略と併用できるからです。
2つのDEXを最適化運用している
インスタダップライトはLIDO(リド・ファイナンス)とAAVE(アーベ)という2つのDEXを最適化して利用する仕組みになっています。
ものすごくざっくりまとめると、LIDOとAAVEを組み合わせた際の運用の無駄を極限まで減らして自動運用してくれているのです。
ETHの運用を例に見てみましょう。
全体を見るとこんな感じ。↓【引用:https://lite.instadapp.io/】
プログラムの作業部分を詳しく見ていくとこんな感じ。↓
①LIDOでETHをstETHにスワップして、②AAVEでレバレッジ取引をするという流れで利益を生み出しています。
通常、個人でこれを行うと様々な部分で手数料等の無駄が発生します。(イーサリアムネットワークはとにかく手数料が高い)
参考①:【手順を解説!】Uniswap(ユニスワップ)で始めるDeFi入門【初心者でも安心】
参考②:【初心者でも安心!】AAVE(アーベ)で始める「DeFiレンディング解説・基本編」
ここまでのまとめ
- Instadapp Lite(インスタダップ ライト)は,ステーキングサービスに特化している。
- ETHとUSDCに特化している。
- 基盤となっているDEXは、LidoとAAVE。
- 2つのDEXを組み合わせて最適な利回りが出るように自動的に動いている。
Instadapp Lite(インスタダップ ライト)の始め方・準備
用意するもの:スマホ(取引に関わる2段階認証で電話番号が必要)、PC(DeFiの作業環境はPC推奨です)、WebブラウザChrome、身分を証明するもの(免許証やマイナンバーカード)、初期費用(1〜2万円程度)
かかる時間:実質作業時間は約1時間(待機時間込みで半日〜1日程度)
手数料:3,000円~ ※2022年4月時点(暗号通貨の相場による)
手順
- コインチェックで口座開設をする←無料
- メタマスクのアカウントを作る←無料
- コインチェックに入金する←手数料がかかる
- ETHを購入する←手数料がかかる
- ETHをメタマスクに送金する←手数料がかかる
- メタマスクをInstadapp Lite(インスタダップライト)と接続する
コインチェックで口座開設をする
コインチェックやビッチフライヤーなど様々な取引所があります。私は操作画面の見やすさと使いやすさとケア・サポートの早さから、コインチェックを使っています。口座開設するだけなら、スマホでも簡単にできます。
ここがポイント!
重要なのは「取引所形式」で購入できる取引所を選ぶこと。購入や送金の手数料を抑えることができる取引所を選びましょう。少額の運用ならそこまで気にする必要はありませんが、大きな額を動かすようになると「手数料による損をしないこと」は、ものすごく気をつけるべきポイントとなってきます。小さな額を動かす時から気にするクセをつけておくと、後々大きなリターンとなりますよ!
メタマスクのアカウントを作る
ユニスワップは、国内の口座から直接送金することができません。暗号通貨を管理する管理するお財布(ウォレット)が必要です。今回は、MetaMask(メタマスク)を使います。
↓アカウント作成は、こちらを参考にしてください。早ければ5分ほどで完了します。無料です。
【知識ゼロから学べる!】MetaMask(メタマスク)って何?【アカウント作成方法・使い方・注意点まとめ】
コインチェックに入金する
まずは、コインチェックの口座に入金しましょう。銀行振込がおすすめです(振込手数料は掛かる)。コンビニ入金やクイック入金は手数料が770円かかります。
また「クイック入金」を選ぶと、口座からお金を移せるようになるまで1週間のロック期間が設けられます。(マネーロンダリングを防ぐための措置)
すぐに取引を始めたい方は、銀行口座からの振込がおすすめです。
ETHを購入する
送金したい暗号資産を購入します。今回はETH(イーサ)を購入。
PCからログインして「ホーム」→「販売所(購入)」→「ETH」→「購入」を選択。
超重要!
「現物取引・板取引」ができるときは、そちらの方法で購入することで、手数料を安く抑えることができます。スマホアプリからの購入だと割高です。暗号通貨の購入方法には「販売所形式」と「取引所形式」の2種類があります。コインチェックはスマホアプリからだと、手数料が割高な「販売所形式」でしか売買ができないのです。(2022年4月現在)
ETHをメタマスクに送金する
メタマスクのウォレットアドレスをコピー。
コインチェックのサイトにて「暗号資産の送金」を選択。→宛先に「メタマスクのウォレットアドレス」を貼り付け。他の情報も入力して送金。
送金手続きが心配な方はこちらから「メタマスクの使い方・入金」を参照。特に送り先のウォレットアドレスを間違えないように注意!1文字でも間違えると資産が消えます。
入金手続きが通るとメールで通知が届きます。
メタマスクをInstadapp Liteと接続する
「Connect」を選択。
「MetaMask」を選択。
パスワードを入力→「ロック解除」を選択
画面右上に「自分のウォレットアドレス」が表示されていれば、接続成功です。
Instadapp Lite(インスタダップ ライト)の使い方
預け入れ
今回は、ETHの預け入れを見ていきましょう。
ETHの「Start Earning」をクリック。
上から順に「Deposit」→「ETH」→「預け入れる額」を入力(今回は0.01ETH)。
入力情報に間違いがなければ「Deposit」をクリック。
メタマスクが立ち上がるので、手数料を確認して「承認」をクリック。今回は約24ドルの手数料が発生していますね。
手続きの承認が進んで、、、
トップ画面に数字が反映されていれば、預け入れ完了!お疲れ様でした。あとは放置するだけ。
引き出し
続いて、預け入れた資産を引き出す流れを見ていきましょう。
ETHの「Start Earning」をクリック。
「Withdraw」を選択→「引き出す額」を入力して「Withdraw」をクリック。
メタマスクが立ち上がるので、手数料を確認して「承認」をクリックして手続き完了です。今回は約27ドルの手数料が発生します。
メタマスクにトークンを表示する方法
資産の運用状況を掴むために、メタマスクにもiETHトークン(預け入れの証明)が表示されるように設定しておきましょう。
初期設定では、メタマスクにiETHトークンが表示されるようになっていないのです。
「トークンをインポート」をクリック。
「カスタムトークン」を選択。
トークンコントラクトアドレスに「0xc383a3833A87009fD9597F8184979AF5eDFad019」と入力。
トークンシンボル「iETH」とトークンの小数桁数「18」が自動的に反映されます。
「カスタムトークンを追加」をクリック。
「トークンをインポート」をクリック。
iETHトークンが追加されて、、、
メタマスクのトップ画面から確認できるようになりました!
Instadapp Lite(インスタダップ ライト)のメリット・デメリット
メリット
手続き・操作が簡単
ややこしい操作は必要なし。ETHやUSDCを預けるだけ。
操作が単純なので、間違いもほぼなし。
作業工程が少ないということは、それだけ人為的なミスが減るということ。
インターフェースも見やすくて、管理しやすい点も嬉しいですね。
利回りが良い
かかる手間に対して、高利回りが達成できている点も魅力的です。
他のDEXでは、4〜5%の利回りがあればそれなりに優秀です。
しかし、Instadapp Liteは、それを易々と上回る9%もの年利を叩き出しています。
ETHやUSDCメインで運用している方にとっては、非常に魅力的な数値です。
参考までにAAVE(アーベ)というDEXの年利。ETHの年利はわずか0.31%。
もちろんAAVE(アーベ)には別の強みがあるので一概にAAVEよりも優れているとは言えませんが、ETH単体の年利を見れば、Instadapp Liteの方が優秀です。
AAVEについての記事はこちらから→【初心者でも安心!】AAVE(アーベ)で始める「DeFiレンディング解説・基本編」
ベースとなるプロジェクトが強力
Instadapp Lite(インスタダップ ライト)の基盤となっているプロジェクトはLido(リド)とAAVE(アーベ)。
この2つのDEXは、TVLランキングで常に上位に食い込んでいます。(2022年4月現在)
TVL
Total Value Lockedの略語。その取引所に預けられている資産の総額のこと。もう少し正確に言うと、そのDeFiプロトコルに預けられている全ての暗号通貨の”現在の”価値の総額(予測の利回りは含まない)。
DeFiのみならず、金融の分野においては非常に重要な用語。DeFiでは資産の流動性が命なので、多くの資産が預けられていれば、それがそのまま取引所の人気につながります。TVLはDEXの信頼性を表す最も重要な指標の一つなのです。
預け入れられている資産が多いDEXを選ぶことは、安定性を高める上で非常に重要な要素です。
基盤となるプロジェクトの強さが、インスタダップライトの強さを担保してくれているということです。
いつでも引き出せる
この点は本当に画期的です。
通常ステーキング報酬を得るには、一定期間の資産のロックが条件でした。
少なくとも30日〜60日はロックしておかなければならない場合はほとんどで、長いものだと120日にわたってロック期間を設けているものもあります。
その間は、資産を動かすことができなくなるので、相場や情勢の動きが激しい暗号通貨の世界では、資産のロック自体をリスクであるとする考え方もあります。
ところが、インスタダップライトはロック期間を設けていないので、不足の事態で資産を動かす必要が生じたときに柔軟に対応できるのです。
積立投資として使える
暗号通貨は値動きが激しいので、特定の通貨をコンスタントに最安値で買い続けるのは大変難しいです。
だからこそ、インスタダップライトは、ドルコスト平均法を利用して、毎月コツコツと暗号通貨の積み立てをしたい人にとっては、かなり魅力的な選択肢となります。
そのため、毎月・毎週決まった日に淡々と買い増しをしていくことで、購入代金を平均値に近づけていくことが「損を減らす」という観点から非常に重要です。
淡々とETHを買い増しして、コツコツと資産形成をしていくつもりがあれば、インスタダップライトでの運用は選択肢の一つとして考えても良いでしょう。
低予算で始めやすい
取引にかかる手数料がそこまで高額ではないので、比較的少額からでも始めやすいのも嬉しいポイントですね。
例えば、 1ETH=40万円で1回の手数料が3000円、年利9%が続くと仮定した場合、毎月4〜5万円相当のETHを積み立てていけばリターンが勝る計算になります。
手数料がかかるのが嫌なら、ETHだけは取引所で淡々と買い増しをして、インスタダップライトに預け入れるのを2月に一度などにすれば良いのです。
いずれにせよ、通常のETHの取引にかかる手数料が5000円くらいかかってしまうことを考えれば、手数料負けしない状態の取引を実現しやすいことは、とてもありがたいことですね。
デメリット
イーサリアムのリスクを継承している
インスタダップライトは、イーサリアムネットワークベースのDEX・プロトコルです。
そのため、イーサリアム自体の動向にその価値を左右されます。
市場の動向を追いながら、イーサリアムに関する情報を仕入れる続ける必要があります。
手数料がやや高い
手数料が下がったとはいえ、決して安いとは言えません。
パンケーキスワップで有名なバイナンススマートネットワークなどは、1回あたりの取引手数料はわずか数十円で済むこともあります。
この点は、どう頑張っても太刀打ちできるレベルではありません。
もっと少額からDeFiを始めたい方は、別のDEXを探しましょう。
【初心者でも安心!】PancakeSwap(パンケーキスワップ)でDeFiを始める方法
DEXの間のハッキング
DEXは、その作業工程が複雑化するほどにハッキングのリスクが高まります。
狙い目は、DEX(プロトコル)間の繋ぎ目です。
多くのDEX間でのやりとりが複雑化すればするほど、その脆弱性が高まると言っても良いでしょう。
幸いなことに、インスタダップライトの作業工程はそこまで複雑ではありません。
しかし、ETHを自分に近いところで管理していた方がハッキングのリスクは当然低くなります。
資産運用を委託するということは、自分の手を離れて信頼する相手・場に預けるということを覚えておきましょう。
なお、このデメリットについては根本的な解決方法はありません。
そのDEXを使うという選択をする際に、甘んじて受け入れなければならないリスクと言えます。
唯一できることがあるとすれば、あまりにも取引の形態が複雑なDEXには、多額の資産を入れないということくらいでしょう。
リスクとその対処法
DeFi特有のリスクと対策jについては、別の記事に詳しくまとめてあります。10分程度で読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
【必ず役に立つ!】DeFiのリスクを下げる方法【古びない考え方を身につける】
ここでは、Instadapp Lite(インスタダップ ライト)特有のリスクとのその対策についてお伝えします。
イーサリアムのリスク継承問題
この対策は非常にシンプルです。
イーサリアム界隈の動向に注意を向けて情報収集をすれば良いのです。
Twitterや公式サイトでイーサリアムの情報集めから始めましょう。
国内の暗号通貨情報を取り扱っているサイトであるCoinPostやcoindesk JAPANなどがとても参考になります。
英語に明るい方ならThe Defiantは特におすすめです。(一部の情報は有料ですが、はっきり言って宝の山です)
情報の感度が上がってきたら、ツイッターなどのSNSをフル活用して最新の情報を取りにいきましょう。
手数料(ガス代)が高いという問題
対策は2つ。
「手数料が安い時間に取引をすること」と「取引の回数自体を減らすこと」です。
イーサリアムのガス代は、時間によって変わります。つまり、ガス代が安くなる時間帯があるということです。
取引をするときに「この手数料では高いな」と思ったら、時間を変えて改めて取引をしましょう。
イーサリアムガストラッカーやCoinGeckoのガス代チャートなどでガス代を調べてみるのも良いですね。
また、「取引の回数自体を減らす」ということも地味に有効です。
預け入れ自体を1か月に1回だけにしてしまうなどと言った工夫をするだけで、かなりの額のガス代を節約できます。
まとめ
Instadap Lite(インスタダップライト)は、資産運用の方法をあまり複雑化させたくない方にとっては非常に便利なアプリケーションです。私自身もこのDEXで積立投資をしています。
操作も簡単なので、DeFiステーキングの入門としても便利です。
イーサリアムの紡ぎ出す未来を信じられる方にとっては、とてもありがたいツールですね。
ETHの運用に悩んでいる方は、Instadap Lite(インスタダップライト)の利用を選択肢の一つとして持っておくと良いでしょう。
本記事のおさらい
- Instadapp Liteはイーサリアムネットワーク上のDEX。
- ETHとUSDCのステーキングサービスに特化している。
- 基盤にしているDEXは、LidoとAAVE。
- 手続きや操作が簡単な割に、高利回りが期待できる。
- ETHやUSDCの積立投資運用に便利。
- 少ない費用でも利益を出せる可能性がある。