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イーサリアムの「Rollup(ロールアップ)」解説!【歴史と今後を学ぶ】

2022年8月3日

  • イーサリアムの「Rollup(ロールアップ)」って何?
  • 何のための技術なの?
  • 「Rollup(ロールアップ)」具体例を知りたい

こんな悩みを解決する記事を用意しました。

「Rollup(ロールアップ)」とは、ブロックチェーンをより便利に使えるようにするための技術です。

「Rollup」を実装すると、手続きを高速で行ったり、手数料を低く抑えたり、セキュリティを高めたりすることができるようになります。

Yodaka

特に、イーサリアムネットワークにおいて話題になっている技術です。

今回は、イーサリアムのRollupを中心に扱っていきます。

ブロックチェーンの歴史を知ることは、クリプト界隈全般の理解につながります。

俯瞰した視点をもつことは、仮想通貨やDeFi・NFTの世界で生き残るための強力な武器となります。

ぜひ、最後まで読んで、あなたの知識を増やすきっかけにして下さい。

本記事を読むと分かること

  • Rollupとは何か?
  • Rollupが重要な理由
  • Rollupの分類
  • Rollupのプロジェクト紹介

Rollupとは何か?

「Rollup(ロールアップ)」とは、ブロックチェーンをより便利に使えるようにするための技術です。

メインチェーンであるL1が抱える問題を解決するためにL2というアプローチが提案されました。

L2の目的は「メインチェーンで行うトランザクションの一部を別の場で処理して、メインチェーンをサポートすること」です。

【参考】【初心者でも分かる】ブロックチェーンの「L2・レイヤー2(セカンド)」とは?【役割や仕組みを解説】

「Rollup」も「メインチェーンのサポート」という目的のもとで開発・提案・実装が進んでいます。

特に、イーサリアムネットワークにおいて、その取り組みが注目されています。

イーサリアムを多くの人が使うようになるにつれて、様々な課題が発生してきました。

【参考】【注目!仮想通貨解説】「ETH(イーサ)」・「Ethereum(イーサリアム)」とは?【将来性・価値・リスク】

「イーサリアムのL2」として、最も注目を集めているのが「Rollup」というアプローチなのです。

Rollupの仕組み

Rollupとは、「巻き取る・巻き上げる」という意味です。

メインチェーンで行うトランザクションの一部を巻き取って別のプログラム上で行うことで、メインチェーンにかかる負荷を軽減します。

具体的な手順は以下の通り。

  • ユーザーがトランザクションを送信する
  • データが圧縮される
  • 圧縮されたデータがメインチェーンに送られる
  • メインチェーンでデータの承認作業が行われる
  • データの内容が正しいと判断されれば、メインチェーンにデータが格納される

この内①〜③で行っていることが「Rollup」です。

Rollupの強みは「メインチェーンと紐づいている」という点です。

これが、L2の中でもRollupが特に注目を浴びる理由です。

メインチェーンと相応性・互換性があるため、

  • メインチェーンの持つセキュリティ機能をそのまま使える
  • メインチェーンのアップデートに対応しやすい

というメリットが生まれるのです。(相応・互換については解釈が分かれることもあります。興味のある方はこちらの記事を参照)

Rollupにも複数の方法があります。

Arbitrum、Optimism、zk-sync、SarkNetなど、それぞれに特徴のある方法で「Rollup」を行います。

この点については、後半でまとめます。

ポイント

  • 「Rollup」は、ブロックチェーンをより使いやすくするための方法の一つ
  • 現在、イーサリアムネットワーク上で注目を集めている
  • 「Rollup」にも複数の方法がある

Rollupがもたらすもの

Rollupを実装する目的は、主に以下の4つ。

  • 高速なトランザクション
  • 手数料の抑制
  • セキュリティの向上
  • 一般ユーザーへの浸透

順番に解説していきます。

高速なトランザクション

Rollupを実装すると、メインチェーンとは比べ物にならないほどの速度でトランザクションを処理することができるようになります。

Rollupの種類にもよりますが、理論上は数万倍の処理速度を実現可能です。

多くの人がスムーズに利用できるアプリや、更新が反省されやすいサイトが増えれば、その便利さを実感できるユーザーが増え、ネットワークの利用者の増加が期待できます。

また、処理速度の速さは、緊急時の操作性向上の面から、危機回避にも役立ちます。

現状、イーサリアムネットワークでNFTの売買など行うと、トランザクションが混み合っている時などには取引に遅延が生じることもあります。

特に、人気のNFTのパブリックセールなどでは、一定時間に注文が集中することも珍しくありません。

また、DeFiプロトコルから一気に資金を引き出すために多くの人が行動した結果、取引に遅延が生じることもあります。

緊急時にも高速で動くことが保証されているネットワークならば、それを利用するユーザーの安心感も高まります。

手数料の抑制

現在、イーサリアムのガス代(手数料)は、大変高額です。

これは、イーサリアムの設計自体が抱える課題であるため、多くのユーザーの頭を悩ませています。

しかし、Rollupの実装に伴い、手数料が低く抑えることができます。

実際に、ArbitrumやOptimismは、手数料を10分の1以下に抑えることに成功しています。

イーサリアムネットワークを頻繁に利用する人とほど、手数料の低下はありがたいことです。

加えて、少額の手数料なら様々なプロジェクトに触ってみようという新規ユーザーも現れてくることでしょう。

セキュリティの向上

Rollupの強みは、メインチェーンの堅牢なセキュリティ規格を利用できるという点にあります。

これは、Rollupという手法が、メインチェーンとの相応性・互換性を保つことを前提としているからです。

承認作業やデータの格納はメインチェーンで行うため、元となるデータ自体はメインチェーンのセキュリティの内部に収まります。

(もちろん、Rollup自体の信頼性が保証されていることが前提ではあります)

もしも、メインチェーンでの大幅なアップデートやハードフォークが実装された場合でも、Rollupとして設計されたプログラムは、新しいチェーン上でもそのまま流用できます。

新しくプログラムを設計し直す必要がないため、長い目で見て開発コストパフォーマンスが高いという点もメリットとして挙げられます。

一般ユーザーへの浸透

良質なユーザー体験を提供して、もっと多くの人をブロックチェーン技術の便利さを実感させる

ユーザーが使いやすいということは、良質なユーザー体験の提供に他なりません。

人は便利なものを使います。

ほとんどの人は、システムの中身まで確認しません。

「なんだか分からないけど、便利だから使おう」

そう思わせたら、あとは勝手にどんどんユーザーは増えます。

Rollupは、仕組みこそ複雑かもしれませんが、実現させているのは「良質なユーザー体験」です。

ブロックチェーン技術は、理解するのが難しい分野ですが、その仕組みを理解していなくても多くの人がその恩恵を預かれるようにシステムを整えていくことはできます。

多くの人が使うようになれば、ユースケースが増え、新たな課題も発見されるため、それを解決するために更なる技術の開発・改善が進むという好循環が生まれることにもつながります。

Rollupの分類

Rollupは、主に2種類の方法があります。

どちらにも共通しているのは、一部のデータをまとめ上げて、メインチェーンに送るということ。

その際のデータの真偽を証明する方法に違いがあります。

2つを比べてみていくと、それぞれの特徴が分かりやすいです

Optimistic Rollup(オプティミスティック)

Oitimisticとは「楽観的」という意味。

「Fraud Proof」という方法を採用し、巻き取って提出したデータの真偽をユーザーが指摘することができる仕組みになっています。

zk-Rollupと比べて、技術的な難易度が低く、ガス代(手数料)も安いのですが、L2からL1への引き出しに時間がかかるというデメリットもあります。

ものすごく平たく説明すると

  • 「L2で処理されたデータに不正がある」と思った人は、そのデータを検証してほしいという申請を一定額の掛け金とともに提出する
  • 最長1週間程度の検証作業を行う
  • 検証作業の結果、そのデータに不正が見つかれば、トランザクションが巻き戻される
  • データに不正が見つからなければ、賭け金は没収され、チェーンの記録はそのまま進行する

というような流れになります。

2021年に入って、ArbitrumやOpitimismなどがイーサリアムネットワーク上にローンチしており、Curve FinanceUniswapなどのDeFiプロトコルで使えるようになっています。

【参考:Optimistic Rollup イーサリアムのスケーリングの現在と未来

zk-Rollup(ジーケー)

zkとは「zero knowledge」の略語。

「ゼロ知識証明」という暗号理論を利用したRollupです。

この方法を用いると、データを提出する過程で、検証作業において自動的に「このデータは正しい」ということを証明することができます。

つまり、検証作業を必要としないで、初めから正しいと証明されたデータを提出できる技術なのです。

zk-Rollupは、L1との即座の連携ができますが、技術的な難易度が高いため、実装のハードルも高いというデメリットがあります。

【参考1】zk-SNARKsの理論ゼロ知識証明入門ゼロ知識証明はいいぞ

【参考2】ゼロ知識証明|Wikipedia

Rollupのプロジェクト紹介

Rollupにおいて有名なプロジェクトを4つ紹介します。

もっと深掘りしたい方はこちらの動画も参考になります。

Optimism

https://app.optimism.io/announcement

Optimismは「Optimistic Rollup」を採用するロールアッププロトコルです。

イーサリアムのスケーリングとガス代削減を目指すプロジェクトで、既にイーサリアムメインネットに紐づいて稼働しています。

UniswapCompoundなどのDeFiプロトコルで利用可能であり、ガス代を10~100分の1程度に抑えることができます。

また、そのシステム上、検証作業にかかる時間と手間が少なく、検証を素早く完了させられるという特徴があります。

【Optimismの解説はこちらから】

Arbitrum

https://portal.arbitrum.one/

Arbitrumも「Optimistic Rollup」を採用するプロジェクトです。

開発元は、Offchain Labs。イーサリアムRollupに最も初期から取り組んできた組織です。

Arbitrumは、正確には様々なスケーリングソリューションを束ねた総称です。

中でも、Arbitrum Oneというプロトコルが実用的なものとされています。

これを用いることで、イーサリアムのガス代を削減するとともに高速なトランザクションが可能となります。

一方、データの真偽を検証する過程で複数回の処理を必要とするため、L2からL1への資金の移動などに時間がかかる可能性が指摘されています。

【Arbitrumの解説はこちらから】

zkSync

https://zksync.io/

zkSynchは、Matter Labsが開発を務めるプロジェクトです。

「zk-Rollup」を採用しているため、L1に送るデータの検証作業は必要ありません。

このため、理論上はトランザクションを1ブロックにつき10分の速度で行うことができます。

現在は、ネットワークの使用頻度が低いことから、1ブロックの形成で10分以上かかることもありますが、多くのユーザーに利用されるようになれば、この問題も解決されていくと期待されています。

また、開発をオープンソースで行っていることも特徴で、開発に関わる情報が常時公開されています。

【zkSyncの解説はこちらから】

StarkNet

https://starkware.co/starknet/

StarkNetは、StarkWare Industriesが開発を務めるプロジェクトです。

zk-Rollupを採用しており、現在、α版で開発段階です。

同社が開発したStarkExというレイヤー2スケーラビリティエンジンは、既にイーサリアムメインネット上で稼働していて、大きな成果を上げています。

StarkNetは、イーサリアムのRollupパイオニアであるStarkWare Industriesが開発を進めるプロジェクトとして注目されています。

【StarkNetの解説はこちらから】

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございます。

イーサリアムのL2、Rollupについてお伝えしました。

今後のイーサリアム開発に向けて、要注目の領域である「Rollup」

Yodaka

正しい知識を身につけて、仮想通貨界隈で生き残る知恵を磨いていきましょう。

本記事の内容が参考になれば幸いです。

本記事のおさらい

  • Rollupは、ブロックチェーンを便利に使えるようにするための技術
  • 近年、イーサリアムの台頭とともに注目されるようになってきた
  • Rollupには「Optimistic Rollup」「zk-Rollup」の2種類がある
  • 2022年8月現在も、様々なプロジェクトの開発が進んでいる

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