こんにちは、yodaka(よだか)です。
- Trader Joeって何?
- 特徴や仕組みを知りたい
- 機能や始め方を教えてほしい
- 使うときの注意点やリスクはあるの?
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
Trader Joeとは、Avalancheネットワーク上で稼働する仮想通貨取引システムのひとつです。
本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。
本記事を読むと分かること
- Trader Joeとは何か?
- Trader Joeの特徴や仕組み
- Trader Joeの機能
- Trader Joeの始め方・使い方
- 使うときの注意点やリスク
情報ソース
Trader Joeとは何か?
Trader Joeとは
Avalancheネットワーク上で稼働する仮想通貨取引システム
です。
仮想通貨のDeFi運用において主要な機能の殆どカバーしているため、AvalancheネットワークでDeFiを始めてみたいという方にとって有力な選択肢の一つとなるでしょう。
Trader Joeの掲げる理念は
ワンストップショップDeFiの提供
であり、今まで以上にDeFiユーザーを増やすことを目的の一つとしていることが分かります。
ユーザーガイドなどでもシステムの利用手順が丁寧に解説されていて、DeFiプロトコルの中でも特に初心者に優しい設計になっています。
開発・運営チーム
Trader Joeのローンチは2021年6月。
2022年11月現在、システムはバージョン2。
ローンチから順調に開発が進められてきているプロジェクトです。
システム開発の中心人物は@cryptofishxと@0xmurloc。
両名ともシステム開発のみならず、テクノロジー関連の情報発信もしています。アカウントをフォローして、2人の考えなどを知ることもクリプト界隈のリテラシーを高めるのに役立ちます。
↓↓↓@cryptofishxによるTrader Joeの新機能リリース告知。
Today marks a monumental day -- Trader Joe V2 aka the Liquidity Book has arrived.
The day we finally achieve our grand vision: to innovate on the frontiers of DeFi.
This is the story of how we went from fork to innovation.
Read on: https://t.co/RKG9YcXRhd pic.twitter.com/HrY3H7s5Vh
— fish 🔺 | 🌊📘 Joe V2 is LIVE (@cryptofishx) November 16, 2022
↓↓↓@0xmurlocによるデジタルノマドの解説。
Recently read some great digital nomad/productivity tips and wanted to share some of mine as a founder and semi-nomad;
A quick tldr about me:
- co-founder, manage 30+ fully remote
- family man with young child
- 3 continents this year1/
— Murloc 🔺 | 🌊📘 (@0xmurloc) October 17, 2022
テキストでのまとまった情報はSubstackのJoe ContentやMedium(Trader Joeのブログ)からアクセスすることができます。
ブログの1記事目は、2021年6月28日に公開されています。
この記事では、Trader JoeによるJOEトークンのマイニングやシステムのローンチに関する内容が書かれています。
その後も定期的に開発に関する情報が更新され続けています。
現在は、関連プロジェクトが増えてきたためSubstackでプロジェクト全体の発進を総合的に行う方向にシフトしています。
Trader Joeの特徴
Trader Joeはどんな特徴があるの?
Trader Joeの特徴は主に4つ。
- Avalancheネットワーク上のメインプロジェクト
- Liquidity Bookを採用しているAMM
- DeFiの主要機能を網羅している
- NFTの取引ができる
順番に見ていきましょう。
Avalancheネットワーク上のメインプロジェクト
Trader JoeはAvalancheネットワークで稼働するシステムの中では、主要なプロジェクトの一つとして欠かせない存在です。
DeFiプロトコルのランキングサイトであるDeFi Llamaでは、Avalancheネットワークのプロジェクトの中で第3位のTVL(資金の預け入れ量)を誇ります。(2022年11月)
Avalancheネットワークは振興チェーンのひとつですが、セキュリティの堅牢性の高さや開発チームの先見性の高さなどから、最も成長が期待されるブロックチェーンの一つとしてその名を連ねています。
特に、独自のコンセンサスアルゴリズムである「アバランチコンセンサス」は、既存のDeFiの課題点(手数料の高さ・通信速度の遅延・セキュリティの脆弱性など)を解決すると評価されています。
つまり、Avalancheは
DeFiにおいて強みを発揮しやすいブロックチェーン
であると言えます。
今後も伸びていく可能性が大いに期待されているAvalancheネットワーク。
その中でも主要なプロジェクトしての地位を占めているTrader Joeもまた、今後の成長が期待されていると捉えることができます。
DeFi Llamaの解説はこちらから。
Liquidity Bookを採用しているAMM
Trader Joeが従来型のDeFiプロジェクトと異なるのは「Liquidity Book」を採用していることです。
つまり、取引に関するトークンの価格を設定する仕組みに特徴があるということです。
Liquidity Bookの特徴は
- 集中流動性
- 効率的な流動性管理ができる
- 流動性ポジションをオーダーメイドできる
この中でも注目すべきは「流動性ポジションをオーダーメイドできる」という点です。
これは
流動性提供する価格帯をピンポイントに複数選択できる機能
です。
ユーザーはこの機能を活用することにより、効率的に流動性提供の手数料を獲得する可能性を高めることができます。
この機能はUniswapなどの従来型のシステムには存在しなかったものであり、
今後のDeFiプロトコルのより良い在り方を探っていくための挑戦
であるとも言えます。
以下の動画を見るとLiquidity Bookの集中流動性のイメージを掴むことができます。
従来型の流動性提供についてはUniswapなどのDeFiプロトコルについて学ぶことをお勧めします。
参考
DeFiの主要機能を網羅している
Trader Joeは、DeFiにおける主要な機能を網羅しています。
具体的には、仮想通貨の
- トレード
- 流動性提供
- ファーミング
- ステーキング
- レンディング
などの機能があります。
Avalancheネットワークを利用してDeFiを始める際は、まずTrader Joeについて学んだり利用してみたりすると、一通りの機能や仕組みを知ることができるように なっています。
Avalanche DeFiの初心者に優しいシステムを構築しているのですね。それぞれの詳しい説明は記事の後半でまとめています。
NFTの取引ができる
Joe Pegsというシステムを介して、NFTの売買ができます。
これはAvalancheネットワーク上に作成されたNFTのマーケットプレイスです。
今後、Avalancheネットワークが発展していくとJoe PegsでのNFT取引も盛んになっていくことが予想されます。
Trader Joeが稼働する仕組み
Trader Joeはどんな仕組みで稼働しているの?
それでは、Trader Joeが稼働する仕組みを詳しく解説します。
補足
今回は、Trader Joeの根幹を支えるLiquidity Bookというシステムの中から、システムの稼働に伴う主要な点を取り上げて解説します。Liquiditiy Bookの詳細な解説はこちらの記事やWhitePaperも参考にしてみて下さい。
流動性ビンによる集中流動性
集中流動性とは
流動性プール内で取引されるトークンの価格帯を一定範囲内に留めるように設定すること
です。
この機能によって、以下のメリットを得ることができます。
- 少ない資本でも深い流動性を持ったプールを仮想的に構築できる
- 安定した価格帯でトークンが取引される可能性が高まる
- 市場と大幅に乖離した価格でトークンが取引されることを防ぐ
- 流動性プールの利用者を増やすことができる
近年のDeFiプロトコルではUniswapなどで実装されています。
集中流動性を実装することで、流動性提供者は
効率よくスワップの金利手数料などを得られる可能性を高める
ことができます。
Uniswapの集中流動性についてはこちらから。
Trader Joeはそれを一歩押し進めて、「ビン型の集中流動性提供」を実装しています。
これは
- 流動性プール内でトークンの取引が行われる価格帯を細かく分ける
- どの価格帯から取引が行われるようにするのかの優先順位を設置する
という仕組みです。
狙ったところに流動性提供をするイメージは、以下の動画が分かりやすいです。
Uniswapなどとの違いは
ユーザー自身が優先順位を設定できる
という点にあります。
流動性提供において、カスタマイズの自由度がより高まっていると言えますね。
変動手数料
プロトコルの利用手数料は基本的には
1回の手続きにつき0.3%
が発生します。
しかし、仮想通貨の価格は値動きが激しいため、大きな価格変動を受けると手数料が変動するように設定されています。
この機能は、プロトコルが長く生き残るためには必須の機能です。
手数料が常に固定されていると、トークンの価格に不均衡が生じた時にアービトラージなどによってプロトコルに預け入れられている資金が一気に引き抜かれてします可能性があるからです。
Trader Joeは、ユーザーに長く使われ続けることを目指した設計になっているのですね。
ネイティブトークンJOE
Trader JoeはネイティブトークンJOEを発行しています。
JOEは、プロトコルのユーティリティトークン・ガバナンストークンとして機能します。
ユーティリティトークンとしてのJOEは、xJOEに変換してステーキングすることで
プロトコルのスワップ手数料収入の一部を獲得する
ことができるようになります。
プロトコルのスワップ手数料は0.3%で、このうちの0.05%はJOEの保有者に分配されるという仕組みです。
ガバナンストークンとしてのJOEは
コミュニティの意思決定の時の投票権
として機能します。
票の重みは以下の通り。
- 1JOE=1票
- xJOEとしてステーキングされたJOE=1票
- JOE/AVAXファームにステーキングされたJOE=2票
3つ目の項目だけ2票分あるのは、「JOE/AVAXファームへのステーキングがハイリスクであるため」と説明されています。
Joeトークンの配分計画は以下の通り。
- 50%:流動性提供者
- 20%:運営チーム
- 20%:コミュニティの財源
- 10%:(今後必要になると予測される)戦略マネージャー
初めから投資家などへの配分を含めていない点が特徴ですね。
2022年5月にテラの崩壊を受けて仮想通貨全体の価値が急落した後は、JOEの価格も横ばいが続いている状態です。
Trader Joeの機能
Trader Joeにはどんな機能があるの?
Trader Joeの主な機能は7つ。
- Trade
- Pool
- Farm
- Launch
- Lend
- Stake
- NFT
順番に解説していきます。
Trade
仮想通貨のトレード(交換)ができます。
スワップ料金(交換にかかる手数料)は0.3%です。
Avalancheネットワーク内でそれなりに大きな流動性を確保しているプールもあるため、他のスワッププロトコルと比較して市場価格から大きく乖離しない価格でトークンのスワップができる可能性があります。
Pool
仮想通貨の流動性提供ができます。
一定額の仮想通貨をプロトコルに預け入れることで、金利手数料を得ることができます。
Avalancheは振興チェーンということもあって、APRが全体的にやや高めな傾向にあります。
流動性提供をすることで、更に資産の運用先を別のことに展開していくこともできます。(その分、リスクも高まることに注意)
ご自身の戦略を練って、リスクに見合った賢い運用をしましょう。
Farm
仮想通貨のファーミングができます。
流動性提供をして獲得した「流動性提供の証明トークン」をプロトコルにロックすることでさらに収益を得ることができます。
当然、リスクも高まるため自分自身でしっかりと精査してから、預け入れをする必要があります。
ファーミングを見据えて流動性提供をするのもアリですね。
Launch
別のプロトコルのローンチに際して貢献した分のトークンに見合った額のトークンを引き出すことができます。
他のプロトコルに資金提供する見返りとして、別のトークンを発行してもらうことができるというイメージです。
資金提供したいプロジェクトがあれば、Launch機能を活用してみると良いでしょう。
Lend
一定額の仮想通貨を預け入れることで、別の仮想通貨を借りることができます。
一般的に、借り入れた仮想通貨は別のプロトコルで運用します。
借入の金利は個別に設定されているため、別のプロトコルの金利を確認しながらマネーレゴを組んでいきましょう。
Stake
JOEトークンのステーキングをすることができます。
JOEトークンにはsJOE/rJOE/veJOE/xJOEという4種類の派生トークンが存在し、これらのトークンから発生する利回りを獲得することができるというシステムです。
これらは、Trader Joe関連のプロジェクトで獲得できるトークンです。
関連プロジェクトと結びつきながらエコシステムを形成しているのですね。
参考
Substack|Joe Content
NFT
関連サイトであるJoe PegsにアクセスしてNFTの取引ができます。
AvalancheネットワークでNFTの取引をする際に、利用できるNFTマーケットプレイスの一つです。
主要なサイトの一つでもあるため、ここからNFTの取引の幅を広げていくのも良いでしょう。
Trader Joeの始め方・準備
Trader Joeを実際に使ってみたい。
それでは、Trader Joeの始め方・準備を説明していきます。
準備
まずはウェブウォレットと仮想通貨AVAXを準備します。
以下の記事で具体的な方法を解説しています。参考にしてください。
ウェブウォレット作成
本記事では、MetaMaskを利用した方法で解説していますが、Trader Joeは様々なウォレットに対応しているため、既に別のウォレットアカウントを作成済みの場合は、それらを使うことも可能です。
仮想通貨の買い方
仮想通貨AVAXは国内の取引所では扱っているところが少ないため、海外の取引所(Binanceなど)で購入する方法もあります。
その場合は、以下のような流れになります。
- 海外の取引所に口座を作る
- 国内の取引所でBTCやETHなどの主要な仮想通貨を購入する
- 海外の取引所の口座に送金する
- 海外の取引上でBTCやETHを用いてめあての仮想通貨を交換する
- 個人のウェブウォレットに送金する
- DeFi運用で利用するサイトにウェブウォレットを接続する
手順は多いですが、作業自体にかかる時間は初心者でも半日もあれば完了します。
ウェブウォレットとサイトを接続する
①Trader Joeのトップ画面などから「Connect Wallet」を選択。
②接続するウェブウォレットを選択。
③ウォレットアドレスが反映されていれば、準備完了です。
以下のユーザーガイドのページでは詳しい使い方が解説されています。
使うときの注意点やリスク
Trader Joeを使う時に気をつけることはあるの?
では、最後にTrader Joeを使うときの注意点やリスクをまとめます。
Avalancheのリスクを継承する
Trader JoeはAvalancheネットワーク上で稼働するシステムです。
そのため、Avalancheというシステム自体に問題がある場合、それらのリスクを継承することになります。
DeFiに特化したチェーンとして、多くの際立った強みを発揮する可能性があるAvalancheネットワークですが、2022年9月にはシステムの脆弱性が指摘されて修正することもありました。
Avalancheについて詳しく知ることがリスク管理の最も良い手段の一つとなります。
Avalancheの解説についてはこちらから。
TVLの大きさ
DeFiプロトコルのランキングサイトDeFi LlamaではTrader JoeのTVL(プロトコルに預け入れられている資産の総額)は61位で、資産の総額は約9,500万ドル相当。
ランキング10位圏内のプロトコルのTVLは10億ドルを突破しているため、これはDeFiプロトコル全体の中では決して高い数値とは言えません。
TVLの大きさと分散管理がなされているかどうかという点は、プロトコルの安定性を保証する大切な要素です。
安定期な運用という視点から考えると、現時点(2022年9月)では、Trader Joeでのトークン運用はややハイリスクな部類です。
自身がコントロールできるだけの額の資産を用いるようにしましょう。
JOEトークンの有益性
Trader Joeの発行するJOEトークンには、際立った所有インセンティブがありません。
確かに、ステーキング報酬を獲得したり、ガバナンストークンとしての重み付けを変化させたりするなどの工夫はあります。
しかし、それは他のDeFiプロジェクトと大きな差異を生んでいるわけではありません。
実際に、現実世界に還元されるようなメリットがあれば、JOEトークンを保有し続けたいという動機づけになるため、JOEトークンも含めた資産運用を考えている方は、JOEトークンの機能追加や関連プロジェクトの開発状況を追っていくと良いでしょう。
DeFi特有のリスクについては以下の記事も参考にしてみて下さい。
あわせて読みたい
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
Avalancheネットワークの重要プロジェクトであるTrader Joeについて解説しました。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
- Trader Joeは仮想通貨取引用のシステム
- Avalancheネットワーク上で稼働する
- 主要なAvalanche系のプロジェクトの一つ
- トレード・流動性提供・ファーミング・ステーキングなどのDeFiにおける一通りのことができる
- ユーザーガイドの内容が充実していて初心者にも比較的使いやすい
- 新機能Liquidity Bookを採用している点で、他のDeFiプロトコルとの差異を生んでいる
情報ソース