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【注目DeFiプロジェクト】Reflexer(リフレクサー)って何?【特徴・機能・仕組み・使い方・注意点】

2022年12月7日

こんにちは、yodakaです。

  • Reflexer(リフレクサー)って何?
  • 特徴仕組みを知りたい
  • 機能使い方を教えてほしい
  • 使うときの注意点リスクはあるの?

こんな悩みを解決する記事を用意しました。

Reflexerとは、特定の仮想通貨を担保にして新たな仮想通貨を発行するシステムの一つです。

Yodaka

本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。

本記事を読むと分かること

  • Reflexerとは何か?
  • Reflexer特徴仕組み
  • Reflexer機能
  • Reflexer始め方・使い方
  • 使うときの注意点リスク

Reflexerとは何か?

https://reflexer.finance/

Reflexerとは、イーサリアムネットワークで

仮想通貨ETHを担保にしてステーブルアセットRAIを発行する

ことができるシステムです。

仮想通貨RAI

ステーブルコイン(価格が安定するように設計された仮想通貨)

として設計されています。

Reflexerのユーザーは、発行したRAIを別のプロトコルで運用することでさらに高い利回りを獲得できる可能性があります。

ETHを使い易い状態に変換することで仮想通貨市場全体の流動性を高めることもできます。

Reflexerというプロジェクトを理解するためにはMakerDAOの仕組みを知ることも大切です。

ReflexerのDocsでは、このプロトコルはMCD(Maker DAO)のフォーク(派生系)であると記述されています。

Yodaka

MakerDAOをざっくり紹介すると

ETHを担保にしてステーブルコインDAIを発行するプロジェクト

です。

MakerDAOイーサリアムネットワークにおいて最大級の規模を誇るプロジェクトでもあり、DAI様々な場で実際の支払いに使うことができます。

詳しい解説は以下の記事を参考にしてください。

Yodaka

Reflexerも、MakerDAOのように仮想通貨のユースケースを広げていく可能性を秘めたプロジェクトの一つとして注目を集めているのです。

Reflexerはその機能としてMakerDAOとは異なる独特な仕組みを持っているため、今後のDeFi界隈でもユーザーに支持されて生き残っていく可能性があります。

本記事ではその特徴や仕組みについて詳しく解説していきます。

Yodaka

開発・運営チーム

Reflexerローンチ2021年2月17日

開発を手掛けるのはReflexer Labs

開発が始まったのは2020年の初め頃、とされています。(DeFiPrimeの記事より)

初めてのブログ記事は、2020年10月29日Stefan Ionescu氏によって投稿されていて、「ステーブルコインRAIのプロトタイプの紹介」がまとめられています。

その後も開発の状況やシステムのアップデートなどについて、まとまった情報が定期的に更新しています。

https://medium.com/reflexer-labs

また、Reflexer公式ページ内のフォーラムでは、プロトコルの稼働やエコシステム全体の関する提案・議論がなされています。

https://community.reflexer.finance/c/general/5

Reflexerプロジェクトの理念として「ガバナンスの最小化」を掲げているため、その理念に則った運営がなされている点は信用を置く要素の一つと言えるでしょう。

Yodaka

ローンチ当初から、将来的にDAO(自律分散型の組織)として機能していくことが計画されているため、プロトコルやエコシステム全体の設計もかなり入念に練り込まれてます。

YouTubeのReflexerDAOチャンネルでも、プロジェクトの概要やエコシステムの全体像アプリの使い方などを解説しています。

特に、アプリの使い方の手順は具体底に説明されていて、とても分かりやすいです。

Yodaka

Twitterアカウントでは、開発にあたっての最新情報などを発信しています。

特にRAIの価格については、このアカウントから詳細な分析が発表されることも多いため、プロトコルの利用者はフォロー必須です。

Reflexerの特徴

Reflexerにはどんな特徴があるの?

Reflexer特徴は主に4つ

  • イーサリアムネットワーク上で稼働する
  • 非ペッグ型のRAIトークン
  • ChainLink・Uniswapと深く関わる
  • 広範囲のエコシステム

順番に見ていきましょう。

Yodaka

イーサリアムネットワーク上で稼働する

Reflexerはイーサリアムネットワーク上で稼働するプロトコルです。

イーサリアムネットワークはDeFiにおいて最大級の流動性を誇るブロックチェーンであるため、チェーン自体の信頼性は他のチェーンと比較して高いと判断できます。

2022年12月現在で、イーサリアムチェーンのTVL(ロックされている資産の総額)は、第1位。

DeFi全体でロックされている資産の半分以上はイーサリアムネットワークにあります。

https://defillama.com/chains

Reflexerは、現状、最も手堅いチェーン上で稼働しているプロトコルであると言えます。

Yodaka

非ペッグ型のRAIトークン

Reflexerが発行するRAIトークンは、

その価格が特定の法定通貨にペッグされていません

通常、ステーブルコインと名付けられた仮想通貨は、特定の法定通貨(米ドルなど)を同じ価格になるように調整される仕組みになっています。

https://coinmarketcap.com/ja/currencies/usd-coin/

例えば、USDCは1USDC=1米ドルとなるように設計されています。

しかし、RAIは違います

RAI

敢えて特定の法定通貨にペッグしないように設計することで、その価格に柔軟性を持たせている

のです。

つまり、RAI

価格変動が織り込まれたステーブルコイン

なのです

https://coinmarketcap.com/ja/currencies/rai/

これは、

RAIが仮想通貨ETHとの価格補完をすること

を目的にしていることと関係があります。

RAIトークンの仕組みについては後ほど詳しく解説します。

Yodaka

ChainLink・Uniswapと深く関わる

Reflexerの価格フィードオラクルはChain Linkです。

引用:https://chain.link/

Chain LinkからはETHとUSDの価格情報データを参照することで、プロトコル内部の価格データ(主にRAIトークン)を調整する仕組みになっています。

また、UniswapのRAI\/ETHプールにおけるデータも参照しています。

Uniswap info「RAI/ETHプール」

UniswapDeFiプロトコルの中ではトップクラスに利用されているものの一つです。

Reflexer信頼性の高い2つの情報データを組み合わせて、RAIトークンの価格調整などを行っているのですね。

Yodaka

広範囲のエコシステム

Reflexerというプロジェクトの目的の一つに、

ETHの価格を補完する

というものがあります。

これは、価格変動の激しい仮想通貨の市場において、トークンを安定的に使えるようにするための大切なシステムの一つです。

そのため、エコシステムの設計が入念に作り込まれています。

ReflexerのDocsを見ると、その広範なエコシステムを細部まで知ることができます。

様々なプロジェクト相互に関連性を持ちながら、プロトコルの稼働を維持しているのですね。

Yodaka

参考

ReflexerのDocsGEBの概要図

Reflexerが稼働する仕組み

Reflexerどんな仕組みで稼働しているの?

それでは、Reflexer稼働する仕組みを詳しく解説します。

Yodaka

RAIトークンの発行

RAI発行の流れは非常にシンプルです。

  • ユーザーがETHをSafe(RAIを発行・管理するシステム)に預け入れる
  • SafeがユーザーにRAIを発行する

RAIを発行する際に中止しなければならないのは、以下の2点

  • 発行しなければならない最低量のRAIが設定されている
  • 最初担保比率を上回ってRAIを発行することはできない

闇雲にRAIを発行できないように設定されているのですね。最低発行量はほかのDeFiプロトコルと比較して、比較的少額からの利用が可能になっている点も特徴です。

Yodaka

RAIトークンのユースケース

RAIが何に使われるのかというと

  • ETHの価格変動に伴うアービトラージ
  • 他プロトコルでのイールドファーミング

が挙げられます。

実際にRAIを支払に使うわけではないので、この辺りは少し高度な話になります。

ざっくりまとめると

RAIを使って利益を出せる仕組みを駆逐していくこと

自体がRAIの価値を保つ土台となっているのです。

これは、イーサリアムベースの金融市場が安定的に存在することが前提となっています。

RAIの価格安定メカニズム

RAIはその価格を安定させるために

市場の評価価格に対してプロトコル内部での価格を調整する仕組み

を取り入れています。

金利の調整をしてRAIの価格を目標値に戻すシステムです。

Yodaka

【価格が上昇した時→金利を上げる】

  • RAIの市場価格が上昇すると,,,
  • RAIの貸し出し金利下げて安く借りられるようにする
  • RAIの借り手が増える
  • RAIの発行量が増えて、相対的にRAIの価格が下がる

【価格が下落した時→金利を下げる】

  • RAIの市場価格が下落すると,,,
  • RAIの貸し出し金利上げてRAI借入のコスト高める
  • RAIの借り手が減る
  • RAIの発行量が減り、相対的にRAIの価格が上がる

市場でお金を動かす人たちが自然に行うであろう行動に基づいて、価格が戻るようにしているのです。この仕組みを機能させるために「特定の通貨にペッグしない」という設計にしているのです。

Yodaka

担保の精算

多くのDeFiプロトコルで採用されているように、Reflexerでも精算メカニズムを導入しています。

RAIを発行した時に設定した担保比率を下回るほどにトークンの価格が限度した場合(ETHの暴落・RAIの暴騰)、担保の精算が発生します。

具体的には、RAIの価格に対して不足している分のETHがプロトコルによって回収され、その後はオークションにかけられます。

オークションを実行するユーザーはキーパーと呼ばれます。(通常、事前に設定されている)

ユーザーは担保比率が精算ラインに引っかからないようにRAIを発行し過ぎないことが大切です。

参考

ReflexerのDocs|精算エンジン

ReflexerのDocs|オークションモジュール

ReflexerのDocs|キーパーの概要

ネイティブトークンFLX

FLXはReflexerが発行するネイティブトークンです。

FLXの役割は主に2つ

  • RAIの価値の保険(FLXステーキング)
  • 他プロトコルとの橋渡し

①RAIの価値の保険とは、FLXのステーカーがリスクを負うことでRAIの価値を保つ防衛ラインの働きのことです。

FLXのステーキングをするユーザーは、UniswapのETH/FLXプールのLPトークンをステーキングすることになります。

もしも、ReflexerのSafeプロトコルにて担保(ETH)が不足した場合は、以下の流れで担保の補填が行われます。

  • Safeプロトコルで担保(ETH)が不足する
  • UniswapのETH/FLXプールでFLXをETHに交換する
  • 交換されたETHがSafeプロトコルに補充される

Safeプロトコルで担保が不足した時の対策の第一段階ですね。

Yodaka

参考

ReflexerのDocs|FLXステーキング

Reflexerの機能

Reflexerにはどんな機能があるの?

ここからはReflexer主な機能を簡単に紹介します。

Yodaka

アカウントの作成

まず初めに、アカウントを作成する必要があります。

ウォレットをサイトに接続すると「App」画面「Create Account」の表示が出るので、そこをクリックしてアカウントの作成をすることができます。

MetaMaskなどのウェブウォレットのアカウント登録手続きに必要な少額のETHがあれば、誰でもアカウントを作成することが可能です。

また、MakerDAOBalancerのプロキシを持っている方は、それを利用することもできます。

RAIの発行(借入)

アカウントを作成するとRAIを発行できるようになります。

「App画面」から「Creare a Safe」を選択することで、RAIの発行手続きを進めることができます。

画像の赤枠で囲んだ部分(Inportant Notes内)には、現時点でのRAIの最低発行量が2919であると表示されています。

Yodaka

FLXのステーキング

https://app.reflexer.finance/#/earn/staking

「Earn」「Staking」を選択することで、FLXのステーキングを行うことができます。

ユニスワップのETH/FLXプールにLPトークンをステーキングして、報酬をFLXで受け取ることができます。

FLXのステーカー

ReflexerのSafeプロトコルが担保不足になった時に、ここから資金が補填される

というリスクを負うことになります。

ステーキングの解除には21日かかります

すぐに資金が引き出せるわけではないという点にも注意です。

Yodaka

報酬の請求

https://app.reflexer.finance/#/earn/incentives

「Earn」「Incentives」からReflenxer関連のプロジェクトに資金を提供したり、それらからの報酬を請求したりすることができます。

どのようなプロジェクトが関連しているのかを調べることで、Reflexerのエコシステムを構築するために必要な仕組みを理解することにも繋がります。

Yodaka

Reflexerの始め方・使い方

Reflexerを使ってみたい。

それでは、Reflexerの始め方・使い方について解説します。

Yodaka

準備

まずはウェブウォレットと仮想通貨ETHを準備します。

以下の記事で具体的な方法を解説しています。参考にしてください。

Yodaka

ウォレットをサイトに接続する

①アプリのトップページから「Connect Wallet」を選択。

「接続するウェブウォレット」を選択。

ウォレットアドレスが反映されていれば、接続完了です。

アカウントを作る

①「App」ページから「Create Account」を選択。

ガス代(手数料)などをチェックしてから「承認」をクリック。

「Close」をクリック。

④通常、数分の待ち時間が発生します。

⑤アカウントの作成が完了すると、ページの表示が変わります。(Etherscanで手続き完了の確認をすることもできます)
画像では赤枠の中が「Create Account」から「Create a Safe」に変わっています。

RAIを発行する

「App」から「Create a Safe」をクリック。

担保のタイプを選択。

預け入れる量発行する量を入力。

Reivew Transacionをクリック。

「Confirm Transaction」をクリック。

FLXのステーキングをする

「Earn」「Staking」から「預け入れる量」を入力。

赤枠の部分をクリック。

【報酬を請求する場合】

「Claim Reward」をクリック。

使うときの注意点やリスク

Reflexerを使う時に気をつけることはあるの?

では、最後にReflexerを使うときの注意点リスクをまとめます。

Yodaka

イーサリアムのリスクを継承する

Reflexerはイーサリアムネットワークで稼働するプロトコルです。

そのため、その価値をイーサリアムネットワークの状況に依存します。

イーサリアムの開発状況やネットワークの拡大などを定期的に確認することがリスク管理につながります。

価格オラクルのリスク

ブロックチェーン自体は、あくまで記録媒体であるため、外部からデータを取り入れる必要があります。

この外部データを提供する役割を果たすものは「オラクル」と呼ばれます。

ReflexerがRAIの価格を調整する時に参考にしているのは、ChainLinkのデータから得られるETHの価格です。

Reflexerのオラクルは「ChainLink」ということですね。

Yodaka

つまり、ChainLinkのデータに不具合が生じた場合は、RAIの価格に歪みが生じる可能性があるのです。

また、UniswapV2のRAI/ETHプールにおける価格も参考にしています。

ChainLinkとUniswapの両方からデータを取り入れているため、この2つのシステムの動向にも注意を払う必要があります。

精算のリスク

RAIはETHを担保にして発行されるため、双方のトークンの間に大幅な価格の乖離が生じると預けているETHが精算されてしまいます。

具体的には、ETHの市場価格の暴落というケースが考えられます。(RAIの暴騰も可能性としては存在する)

精算を避けるためには

担保に対して発行できる上限までRAIを発行しないことで精算のリスクを下げる

という対処法があります。

仮想通貨は価格変動の激しい市場なので、余裕をもって資産運用をすることが大切です。

Yodaka

RAIのユースケースが難解

RAIのユースケースは、実際の支払いに使われるわけではありません。

つまり、RAIで何か具体的な物やサービスを購入できるわけではないのです。

あくまで、RAIを使った金融市場で利益を上げる仕組みに基づいたことがRAIの価値を支える土台です。

現実の生活に基づいたユースケースが確立していないことをリスクと捉えるのならば、運用は控えめにしておいた方が良いでしょう。

DeFi特有のリスクについては、以下の記事も参考にしてみて下さい。

Yodaka

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございます。

ペッグされないステーブルコインRAIを扱うプロジェクトであるReflexerの紹介をしました。

Yodaka

本記事の内容が参考になれば幸いです。

本記事のまとめ

  • ReflexerはステーブルコインRAIを発行・運用するシステム。
  • MakerDAOの派生系プロトコルとして開発された。
  • RAIは仮想通貨ETHを担保にしてを発行される。
  • イーサリアムネットワークを基盤として稼働する。
  • RAIは価格の変動するステーブルコイン。
  • 市場の行動原理を利用してRAIの価格を調整する仕組みをもつ。
  • ChainLinkとUniswapのリスクを継承する。

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