- Liquity(リクイティ)って何?
- Liquity(リクイティ)の特徴や仕組みを知りたい
- Liquity(リクイティ)の機能や使い方を教えてほしい
- 使うときの注意点やリスクはあるの?
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
Liquity(リクイティ)とは、無利子で仮想通貨を借りられるシステムのひとつです。
本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。
本記事を読むと分かること
- Liquity(リクイティ)とは何か?
- Liquity(リクイティ)の特徴や仕組み
- Liquity(リクイティ)の機能
- Liquity(リクイティ)の始め方・使い方
- 使うときの注意点やリスク
情報ソース
Liquity(リクイティ)とは何か?
Liquityとは
仮想通貨ETHを担保にしてステーブルコインLUSDを借り入れるためのプロトコル
です。
一般的には「レンディングプロトコル」と呼ばれる類のプロジェクトですね。
従来型のレンディングプロトコルは、
- 借り出しの利率が高い
- 最低担保比率が高く、多くの担保の預け入れを求められる
- システムが中央集権的
などの点が課題であるとの意見がありました。
それらに対する解決策の一つとして立ち上げられたのがLiquityというプロジェクトです。
Liquityの大きな特徴として
- 無利子で借入ができる
- 最低担保率が110%
- 中央管理者のいないプロトコル
などが挙げられます。
本記事では、これらの特徴について詳しく解説していきます。
また、DeFiプロジェクトの安全性を評価するDeFi Safetyというサイトでは、安全性において97%という評価を受けています。
その他のレンディング系のプロジェクトについては、以下の記事も参考にしてみて下さい。
その他のレンディングプロトコル
開発・運営チーム
Liquityの創設者は、Robert Lauko。
彼を中心にプロトコルの開発が進められてきました。
You Tubeの動画などで、Liquityのシステムや理念について解説しています。
Twitterでの更新頻度はそれなりに高いので、Liquityの利用者はこちらをメインでチェックしておくと良いでしょう。
What is Liquity? pic.twitter.com/5Mj7buR2uB
— Liquity (🥚, 🐔) (@LiquityProtocol) August 17, 2022
また、運営サイドのブログでも2021年の7月から、開発メンバーたちによる情報発信が行われています。
ブログでの発信頻度はそれほど高くありませんが、大きな動きがあった時には詳しい内容の記事が挙げられています。
Liquity(リクイティ)の特徴
Liquityにはどんな特徴があるの?
Liquityの主な特徴は以下の6つ。
- イーサリアムネットワーク上で稼働する
- ETHを担保にしてLUSDの借入ができる
- 無利子で借入ができる
- 最低110%の担保率で借入ができる
- トランザクション手数料は0.5%
- 中央管理者がいない
順番に解説していきます。
イーサリアムネットワーク上で稼働する
Lquityはイーサリアムネットワーク上で稼働するプロトコルです。
イーサリアムネットワーク自体は、数あるブロックチェーンの中でも最大級の規模と通貨の流動性を誇っています。
また、DeFiが本格的に認知されるきっかけとなったチェーンでもあります。
これらの理由から、
イーサリアムネットワークはDeFiを行う上で有力な選択肢の一つ
として挙げることができます。
ただし、仮想通貨やDeFiそのものは金融資産としてはハイリスクな部類です。リスク管理はご自身で責任を持って行いましょう。
ETHを担保にしてLUSDの借入ができる
Liquityでは、ステーブルコインであるLUSDを発行することができます。
正確には
預け入れたETHの額に応じたLUSDを借り入れること
ができます。
LUSDとは
米ドルと同価値を持つように設計されているステーブルコイン
です。
ユーザーはLiquityで借り入れたLUSDを別のプロトコルで賢く利用することで、資産を増やせる可能性があります。
ステーブルコインの解説はこちらから。
無利子で借入ができる
Liquityは無利子で借入ができます。
従来型のレンディングプロトコルでは、借入に一定額の利子が発生していました。
そこで、DeFi界隈で最大規模のTVLを誇るMakerDAOなどとの差別化をするために、Liquityは無利子の貸し出しという戦略を採用したのです。
MakerDAOの解説はこちらから。
参考
Docs|Borrowing
最低110%の担保率で借入ができる
Liquityは最低担保比率が110%の状態から借入が可能です。
この数値は、他のレンディングプロトコルと比較しても圧倒的な低さであり、借入のハードルを下げていると言えます。
また、プロトコルの利用には
最低でも2,000LUSDを借りる必要がある
ため、ユーザーはそれに相当する額のETHを準備する必要があります。
当然、低い担保比率では清算のリスクも高まるため、あまりにも低い担保比率での借入は推奨されていません。
LiquityのDocsでは、安定運用のためには
150%程度の担保を用意すること
が推奨されています。
参考
トランザクション手数料は0.5%
Liquityの利用にかかる手数料は、基本的にはトランザクションを通す時だけです。
1回の手続きで発生する手数料は0.5%であり、ETH建てで支払い
をします。
継続的な手数料の支払いを求められることはありません。
例えば
預入と引き出しを1回ずつ行う場合は合計1%の手数料が発生する
ということになります。
借り入れたLUSDを別のプロトコルで如何に上手く運用するかがポイントですね。
中央管理者がいない
Liquityの興味深い特徴の一つとして
ガバナンスが存在しない
という点が挙げられます。
つまり、
コミュニティの参加者たちがLiquityの運営や開発に携わることができない構造
になっているのです。
これは、中央集権的な組織が関わることでプロトコルの独立性が妨げられることを防ぐというLiquityのビジョンがあるからです。
多くのDeFiプロジェクトはガバナンスを持つことで、コミュニティやシステムの開発・運営状況を改善して行く仕組みを採用しています。
その中において、Liquityのように設計された当初からガバナンスを持たないプロジェクトは稀です。
できる限り人の意志や目論みを排除して、市場の在り方に任せる方が健全であるというビジョンに基づいた仕組みなのです。
派生系プロジェクトがある
Liquityは大元のプロトコル自体を抜本的に操作できないため、その外側でエコシステムを形成しようとしています。
そのためには、Liquityが発行するLUSDに利用価値をもたらす必要があります。
現在、LiquityはLUSDの利用にインセンティブをもたらすプロジェクトを派生させています。
その一つがChicken Bonds(チキンボンド)です。
これは、LUSDの利回りを増加させる仕組みを形成しようとする興味深いプロジェクトの一つです。
Chicken Bondsの解説はこちらから。
Liquity(リクイティ)が稼働する仕組み・機能
Liquity(リクイティ)はどんな仕組みで稼働しているの?
それでは、Liquity(リクイティ)が稼働する仕組みと機能を詳しく解説します。
LUSDの発行・借入
ユーザーはETHをプロトコルに預け入れることで、LUSDというステーブルコインを発行することができます。
正確には「借入」という形をとっているため、預け入れた担保以上の額を発行することはできません。
- 最低担保比率は110%から借入が可能
- 最低発行料は2,000LUSDから
となっています。
LUSDを発行する際には、担保比率を設定することができるため、ある程度余裕を持った数値に設定することで精算のリスクを下げることができます。
担保の精算
最も注意しなければならないのは
ETHの価格が暴落した時
です。
担保の価値が担保比率を下回った場合、プロトコルで自動的に精算が行われ、不足分のETHは精算されます。
つまり、預け入れているETHの一部がプロトコル側に回収されることになります。
レンディング系のプロトコルに共通する機能の一つですね。
LQTYの発行
LiquityはLQTYというトークンを発行しています。
発行上限数は1億。
LQTYはセカンダリートークンという位置付けであり、プロトコルにステーキングすることが可能です。
注意しておかなければならないのは
LQTYはガバナンストークンではない
ということです。
LQTYを入手する方法は以下の3つ。
- LUSDの入金
- Liquityのフロントエンドを通じて、Liquityのプールへの入金を促進する
- UniswapのLUSD:ETHプールへの流動性提供
フロントエンド
ユーザーがシステム等と直接やり取りをする場や要素のこと。ウェブサイトやアプリなどにおいては直接目に触れる部分のことを指し、クリックや文字の入力などの操作がそれにあたる。
対義語はバックエンド。ユーザーの目に触れない部分や要素を意味する。内部でのデータ処理やデータの保存・データの出力などがそれにあたる。
何らかの形でLiquityに貢献すると配布される仕組みになっています。
参考
Docs|LQTY Rewards and Distribution
Docs|LQTY Staking
リカバリーモード
リカバリーモードはLiquityの最終防衛機能です。
プロトコル全体の担保比率が150%を割ると預け入れられている担保に対して自動的に精算プロセスが発生します。
担保比率を150%以上に保つことでリカバリーモードでの精算を回避することができますが、
プロトコル全体の復旧手段としてリカバリーモードが設定されているのですね。
参考
Docs|Recovery Mode
Liquity(リクイティ)の使い方
Liquity(リクイティ)を実際に使ってみたい。
それでは、Liquity(リクイティ)を使うときの手順を解説します。
準備
まずはウェブウォレットと仮想通貨ETHを準備します。
以下の記事で具体的な方法を解説しています。参考にしてください。
ウェブウォレット作成
仮想通貨の買い方
フロントエンドを選択する
Liquityのシステムを利用する方法は現在、19種類存在します。
これらの中から、ユーザーが適切に利用できるものを選ぶことができます。
今回は、Liquity.Appを選択します。
Liquity.appのトップページから「利用するウェブウォレット」を選択。
LUSDの借り入れ
ETHを預け入れて、LUSDの借入を行います。
Open Troveを選択すると手続きが進行します。
LUSDの運用
派生系プロジェクトのChicken Bondsを利用することができます。
LUSDの運用利回りを高めたい方は、選択肢の一つとして検討してみても良いかもしれません。
【Chicken Bondsの解説はこちらから】
LUSDをStability Poolへ入金する
LUSDをプロトコル(Stability Pool)に預け入れます。
預入れた報酬としてLQTYを受け取ることができます。
Stability Poolに預け入れられたLUSDはプロトコルの精算メカニズムに深く関わっています。
精算が発生するとStability Poolに預け入れられているLUSDがバーンされ、Troveで精算された分のETHがStability Poolに回収されます。
参考
Docs|Stability Poolと精算
LQTYのステーキング
プロトコルにLQTYを預け入れて運用利回りを高めることができます。
トークンのロックアップ期間は無いため、ユーザーはいつでも資金を引き出すことができます。
参考
Docs|LQTYのステーキング
使うときの注意点やリスク
Liquity(リクイティ)を使う時に気をつけることはあるの?
では、最後にLiquity(リクイティ)を使うときの注意点やリスクをまとめます。
担保の清算リスク
Liquityはレンディングプロトコルです。
担保にしているETHの価格が暴落して借り入れているLUSDの価値を下回った場合、精算が発生します。
そのため
- 極端に低い担保比率での借入はしない
- ETHの値動きを確認する
などの対策が必要です。
イーサリアムのリスクを継承する
Liquityはイーサリアムネットワークで稼働するプロトコルです。
そのため、その価値をイーサリアムネットワークの状況に依存します。
イーサリアムの開発状況やネットワークの拡大などを定期的に確認することがリスク管理につながります。
The Merge is coming: UPGRADE YOUR CLIENTS!
• The Bellatrix upgrade is scheduled for epoch 144896 on the Beacon Chain – 11:34:47am UTC on Sept 6, 2022
• The TTD value triggering The Merge is 58750000000000000000000, expected between 10-20 Sep 2022MORE: https://t.co/CdW89oSoE6
— Ethereum (@ethereum) August 29, 2022
LUSDの価格の安定メカニズム
米ドルペッグのステーブルコインであるLUSDですが、その担保としているETHは法定通貨ではないため、価格の不安定さに晒されています。
価格安定メカニズムの説明もされていますが、物事に絶対はありません。
ETHの過去の価格を確認して、最低価格を下回らないように調整しましょう。
また、プロトコル自体のバグやハッキングのリスクにも晒されているため、巨額の資産を預け入れないことが賢明な判断だと言えます。
派生系プロジェクトは発展段階
Liquidityは様々な派生プロトコルを抱えています。
今後の発展可能性が期待されるプロジェクトですが、多くの人に利用されてるまでにはまだまだ時間がかかるフェーズにいると考えられます。
初期DeFiプロトコルで現在最大手のDEXであるMaker DAOやUniswapなどもここまで成長するのに4年以上かかっています。
派生系プロジェクトの開発状況も併せてチェックすると良いでしょう。
派生系プロジェクトの一つにChicken Bondsがあります。
こういったプロジェクトが多くのユーザーに利用されるようになると、Liquityのユーザーにも大きなインセンティブが生じるはずです。
DeFi特有のリスクについては以下の記事も参考にしてみて下さい。
あわせて読みたい
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
LUSDのレンディングプロトコルであるLiquityについて解説しました。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
- Liquityはイーサリアムネットワークで稼働するレンディングプロトコル
- ETHを担保にしてLUSDを借り入れることができる
- 最低110%という低担保比率からの借入が可能
- プロトコルを利用するには最低でも2,000LUSDを借り入れる必要がある
- 精算のリスク管理は必須
情報ソース