こんにちは、yodakaです。
- Lido(リド・ライド)って何?
- 特徴や仕組みを教えてほしい
- 機能や使い方を知りたい
- 使う時の注意点やリスクはあるの?
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
Lido(リド・ライド)は、仮想通貨のリキッドステーキングができるプロジェクトです。
仮想通貨のDeFi運用において、リキッドステーキングは必ず知っておきたい知識です。
Lido(リド・ライド)について理解を深めることは、高利回りの仮想通貨運用を実現するヒントになります。
本記事を読むと分かること
- Lidoとは何か?
- リキッドステーキングの仕組み
- Lidoの機能
- Lidoの関連プロジェクト
- Lidoの始め方・使い方
- 使う時の注意点やリスク
情報ソース
Lidoとは何か?
Lidoのアプリでは
仮想通貨の「リキッドステーキング」
ができます。
これは、イーサリアムのマイニングに関する課題(後述)を解決するための取り組みでもあります。
ものすごく簡単にいうと
- Lidoに仮想通貨を預けてその証明書(stETH)をもらう
- その証明書をさらに別のDEXで運用できる
のです。
つまり、Lidoの強みは
利回りを得るポイントが2回発生する
ということ。
例えば、LidoでETHをステーキングして、その証明書(stETH)をCurveで運用するなどという方法が挙げられます。
マネーレゴ(他のDEXと組み合わせて利回りを高めていくこと)の構築が重要なDeFiの世界において、Lidoは大変人気です。
DeFiプロトコルのランキングサイト「DeFiLlama」では、第2位にランクインしています。(2022年8月)
サポートしているネットワークは
- Ethereum
- Solana
- Terra
- Kusama
- Polkadot
です。
中でも、Ethereum(ETH)は仮想通貨界隈でも第2位の人気を誇るため、Lidoの人気を高める要因の一つになっています。
開発元
Lidoの開発を手掛けるのはLido DAO。
つまり、既存の会社などとは異なり、自律分散的な組織で中央管理者を設けずにプロジェクトの開発が行われているということです。
DAOという形態で開発をすることで、今後のイーサリアムのアップデートに柔軟に対応できるというメリットがあります。
公式ブログの1記事目が公開されたのが2020年10月15日。
現在に至るまで、その開発状況がこまめに70記事以上にわたって配信されています。
2022年3月には、米国の大手VCであるa16zの主導で約80億円の投資も受けています。
We are pleased to welcome a16z to the Lido family.
— Lido (@LidoFinance) March 3, 2022
【参考記事①(CoinPost):参考記事②(a16z.com)】
独自トークン:LDO
Lidoは、独自トークンとしてLDOトークンを発行しています。
このトークンは、LidoDAOの議決権を得るために必要なトークンです。
LDOトークンの所持者がDAOの運営に積極的に関わるほど、多くのメリットを得られる仕組みづくりに役立っています。
ポイント
- Lidoはリキッドステーキングが可能なDeFiプロトコル
- 他のDEXと組み合わせて、運用効率の高いマネーレゴを組むことができる
- 2020年10月ごろからLido DAOにて開発開始
- 大手VCから80億円以上の投資を受けている
- stETHとLDOトークンを発行している
リキッドステーキングとは?
リキッドステーキングってどんな仕組みで行われるの?
ここからは、Lidoの主要な機能である「リキッドステーキング」について解説してきます。
【参考:Primer|Ethereum Liquid Staking】
概要をまとめると以下の通り。
- 将来、イーサリアム2.0への移行に伴い、イーサリアムのマイニング報酬がPoS形式になる
- ステーキングのためにロックされたETHは、イーサリアム2.0への完全移行後まで引き出すことができず、ETH保有者のとってのリスクとなる
- また、イーサリアムのマイニングに参加するためには最低32ETHが必要なため、マイニングに参加できるユーザーが限定される
- 少額のETHしか持っていない人でもマイニングに参加できるようにするプロトコルが必要
- Lidoが発行するstETHは別のDEXでETHと同じように運用可能なので、Lidoユーザーはリスクを減らして流動性を提供しつつETHのDeFi運用ができる
- Lidoプロトコルは、手数料として発生した収益の10%を得る
ETHとstETHの流れと利益分配を見ていきましょう。
何だかよく分かりません…
これだけだと少し分かりにくいので、順を追って流れを解説します。
- ユーザーがLidoプロトコルにETHを預ける
- LidoプロトコルはstETHを発行しユーザーに渡す
- LidoプロトコルはETHをまとめてイーサリアム本家のビーコンチェーンにステーキングする
- イーサリアム本家はマイニング報酬をETHでLidoDAOに支払う
- LidoDAOは、受け取ったステーキング報酬(ETH)を分配する
利益は、以下の流れで決定・分配されます。
- バリデーター(Validators)とオラクル(Oracle)の間でデータの検証が行われる
- オラクルがLidoにETHの分配を算出して、Lidoに送信する
- Lidoが利益を分配する
マイニング報酬の内訳も示されています。手数料(network fee)が、Lidoの財源とノードオペレーターのアカウント用であることが分かります。
マイニング報酬の内訳
- 90%:stETHの増加報酬
- 5%:Lidoの財源
- 5%:ノードオペレーターのアカウント
【Lidoのオラクル(Oracle)についての解説はこちらから】
Lidoの関連プロジェクト
Lidoで発行したトークン(主にstETH)を運用できるプロジェクト等を5つ紹介します。
MakerDAO
MakerDAOのアプリでは、ステーブルコインDAIを発行することができます。
DAIは、主にステーブルコインを担保として発行されるタイプのステーブルコインです。
DAIは、実際にオンライン決済で使ったり、他のDEXで運用したりすることができます。
MakerDAOは、仮想通貨を実用例を作り上げるために大きな役割を果たしてきました。
DeFiの経済圏の中で圧倒的に強力なポジションをとっているのがMakerDAOというプロジェクトなのです。
【MakerDAOの解説はこちらから】
Aave
Aaveは仮想通貨の銀行です。
Aaveの強みは、仮想通貨のレンディングサービス。
預け入れた資産を担保にして、仮想通貨を借りることができます。
借りたお金をさらに別のDEX で運用して、資産運用の効率を高めるために使うDEXです。
【Aaveの解説はこちらから】
Curve
Curveは、ステーブルコインの交換を低い手数料で行うことができるDEXです。
ステーブルコインの交換をするならCurve一択と言って良いほど、有名なプロジェクトです。
また、流動性の提供をすることもできます。
流動性提供をしたことによって発行されたトークンをConvexなどのDEXで運用することで、さらに高い利回りを生み出すために利用することもできます。
【Curveの解説はこちらから】
Balancer
Balancerは、ポートフォリオの自動調整をおこなってくれるDEXです。
従来のDEXでは見られなかった、ユーザーの手間を省くという部分に焦点を当てているのが特徴です。
DEXのランキングサイト「DeFi Pulse」でも、常にTOP10入りしているほどの人気を誇ります。
Balancerでは、主要な仮想通貨(ビットコイン・イーサリアム・USDC等)を預け入れることで10%以上の年利を得ることも可能です。
長期的な投資リターンを得ることを狙うなら、利用を検討したいDEXの一つです。
Zapper
Zapperは、仮想通貨やNFTなどのポートフォリオ管理アプリです。
DeFi運用を行う上では必須級のアプリの一つです。
ウォレットを接続することで、自分の持つ資産の総額や内訳・変遷を確認することができます。
また、人気のあるNFTのコレクションやDeFiプロトコルの確認なども可能で、かなり多機能なアプリです。
Lidoの始め方・使い方
準備:仮想通貨のウォレットを作り(MetaMaskなど)、ETHを用意する
MetaMaskのウォレットアカウントの作り方や仮想通貨の購入方法は、以下の記事を参考にして下さい。
参考
ウォレットと仮想通貨が用意できたら、早速Lidoを使っていきましょう!
①Lidoのステーキングのページで「Connect wallet」をクリック。
②「使用するウォレット」を選択。
③「ステーキングする数量」を入力。
④「Submit」をクリック。
stETHを獲得したら、早速別のDEXで運用を開始しましょう。
有力なプロジェクトを探し始めるにはこちらから。
使う時の注意点・リスク
まずは、リキッドステーキングの6つのリスクを紹介します。
【参考:Primer|Ethereum Liquid Staking】
- スマートコントラクトのセキュリティ
- ビーコンチェーン技術的なリスク
- ビーコンチェーンが不採用になるリスク
- DAOのスレッショルドキー管理のリスク
- スラッシングリスク
- ETHがロックされるリスク
スマートコントラクトのセキュリティ
LIdoのシステムに何らかの欠陥や脆弱性があると、悪意あるハッカーはその部分を狙って攻撃を仕掛けることができます。
その対策として、LidoDAOは「バクバウンティプログラム」を実施しています。
これは、システムのバグを見つけて報告した人に報酬を与えるという取り組みです。
【Lidoのバグバウンティプログラムの詳細はこちらから】
ビーコンチェーンの技術的なリスク
ビーコンチェーンとは、アップデート後のイーサリアム2.0のネットワークのこと。
ステーキングされるETHはビーコンチェーン上にロックされます。
ビーコンチェーン上(≒イーサリアム2.0)で何らかのエラーが発生すると、stETHの価値や数量が大幅に下落するリスクがあります。
ビーコンチェーンが不採用になるリスク
ビーコンチェーンは開発中のシステムです。
今後、何らかの理由でビーコンチェーンがイーサリアム2.0に採用されなかった場合、ステーキングされたETHの価値がステーキングされていないETHよりも下落する可能性があります。
DAOのスレッショルドキー管理のリスク
プロトコルの安全性を担保するため、LidoDAOの管理権限は分散化しています。
しかし、分散管理が絶対に安全というわけではありません。
あくまで、「管理権限を単一で管理をする場合と比べて安全性が高い」ということを覚えておきましょう。
スラッシングリスク
スラッシングリスクとは、PoS形式のマイニングを採用するブロックチェーンにまつわるリスクです。
マイニングを行う際にバリデーター(検証者)が不正を行ったと判定されると、ペナルティを課せられるシステムになっています。
バリデーターが結束して不正を働こうとすれば、理論上は不正なトランザクションを通すことができてしまいます。
ETHがロックされるリスク
ステーキングしたETHは、アップデート後まで引き出すことはできません。(引き出し先がイーサリアム2.0のネットワーク上と決まっているため)
そのため、バリデーターのスラッシングによってstETHの価値が下がり、しばらくの間トークンの交換価格が低下したとしても、それに対して何もできないことを意味します。
ここからは、Lidoに関連する注意点を2つ紹介します。
手数料が高い
Lidoを利用する手数料は「報酬の10%」。
これは、他のDeFiプロトコルと比較すると、かなり高めの数値です。
自身の持っている資金の量やそこから得られる利回りを考えて、不要な損をしない運用を心がけましょう。
基本的には、ごく少額から始める運用では手数料負けしてしまうことが多いです。
中央集権化が加速するという懸念
Lidoが目指すのは、分散化と中央集権化の架け橋になることです。
少額のETHでも、ステーキングに参加して利回りを得られるようにするプロトコルの設計は、多くのユーザーに利回りを得るメリットをもたらします。
しかし、その一方で、現在Lidoが保有するETHは全ETH量の4分の1近くを占めています。
この割合は、他の取引所などの保有率を抜き去って圧倒的に巨大なシェアです。
これは、コミュニティ全体の方針を決める際のガバナンス投票で、Lidoに非常に大きな権限が集中している状態とも言えます。
分散化を目指すプロジェクトにイーサリアムコミュニティの権限が集中してしまっているという事実を認識しておく必要があります。
もっとも、これについては意見が分かれる部分でもあり、小さな決定権(ユーザー達)の集まりが、総意(Lido)総意を形成しているという意見もあります。
DeFi特有のリスクについては、以下の記事を参考にしてください。
あわせて読みたい
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
イーサリアムの進展に期待する方にとっては、Lidoは非常に有益なプロジェクトと言えます。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
- Lidoは、仮想通貨のリキッドステーキングができるプロジェクト
- 関連するトークンは「stETH」と「LDO」
- ETHを預け入れてstETHを発行し、利回りの良いマネーレゴを組むことができる
情報ソース