こんにちは、yodaka(よだか)です。
- Chicken Bonds(チキンボンド)って何?
- 特徴や仕組みを知りたい
- 機能や使い方を教えてほしい
- 使うときの注意点やリスクはあるの?
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
Chicken Bondsとは、レンディングプロトコルLiquityをベースにした仮想通貨取引システムの一つです。
本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。
本記事を読むと分かること
- Chicken Bondsとは何か?
- Chicken Bondsの特徴や仕組み
- Chicken Bondsの機能
- Chicken Bondsの始め方・使い方
- 使うときの注意点やリスク
情報ソース
Cicken Bondsとは何か?
Chicken Bondsとは
レンディングプロトコルLiquityをベースにした仮想通貨取引システム
であり、
Luquityが発行しているLUSDという仮想通貨を基軸として収益を発生
させています。
また、
取引に際して独自のNFTを発行する
という仕組みも兼ね備えています。
本記事では、これらの特徴について詳しく解説していきます。
Liquityとは?
Liquityとは?
Liquityとは仮想通貨の貸し出し用プロトコルの一つ。一定額の仮想通貨(主にETH)を担保として預けることで、米ドルと同じ価値を持つように設計されたLUSDという仮想通貨を借り入れることができる。
DeFiプロトコルの安全性をレビューするDeFi Safetyというサイトでは97%というスコアで評価されています。
Chicken Bondsを利用することで、Liquity内部で発生した報酬から収益を得ることができます。
また、Yearn FinanceのCurve LUSD Vaultからも収入を得ています。
以下の記事も参考にしてみて下さい。
開発チーム
Chicken Bondsの開発・運営にはLiquityの開発チームの一部が携わっています。
LiquityのDiscordチャンネルからChicken Bondsの開発チームにつながることができます。
Chicken Bonds公式ブログの1記事目は、2022年7月8日に挙げられています。
この記事では、ユーザーが所持するトークンの価値を高めるメカニズムについて説明されていて、この方針がChiken Bondsというプロジェクトの骨子となっていることが分かります。
また、Twitterではプロトコルの仕組みなどについて定期的に解説をしています。
Curious to know what determines a bond's lifetime on @ChickenBonds?
TLDR -
Chicken Bonds is designed to aim for an optimal rebonding time of 30 days.In case it takes longer, the built-in controller increases the accrual speed of $bLUSD to bring down the bonding time 🕐 pic.twitter.com/Pw0fBcOMkU
— Chicken Bonds (🥚, 🐔) (@ChickenBonds) November 2, 2022
Chicken Bondsの特徴
Chicken Bondsにはどんな特徴があるの?
大まかに以下の5つの特徴があります。
- LUSDの利回りを高める
- イーサリアムネットワーク上で稼働する
- Liquityが土台
- NFTが発行される
- 低コストで運用できる
順番に解説していきます。
LUSDの利回りを高める
Chicken Bondsの狙いの一つは
Liquityで発行されるLUSDの利用範囲をさらに広げること
です。
ものすごく単純に整理すると、このプロジェクトの流れは以下の5ステップです。
- Liquityプロトコルを経由して、Chicken BondsにLUSDを資産として預ける
- bToken(Bonded Token)を発行する
- bTokenに価値を持たせる仕組みを構築する
- bTokenに需要を発生させる
- bTokenの担保となるLUSDにも価値を発生させる
上記のうち①〜③がChicken Bondsプロトコルで行われることです。
イーサリアムネットワーク上で稼働する
Chicken Bondsは、イーサリアムネットワーク上で稼働しています。
イーサリアムネットワークは、現在(2022年11月)DeFiにおける最大級の規模を誇るブロックチェーンです。
その規模ゆえ、ネットワーク自体がすぐに潰れるという事態は考えにくいので、基盤となるチェーン自体のリスクは大きなものではないと判断できます。
しかし、イーサリアムネットワーク自体のデメリットである通信速度の遅さやガス代の高騰などのリスクは継承しているため、その点には対策やリスク管理が必要です。
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LiquityとYearnが土台
Chicken Bondsの収益をメインで支えているのはLiquityというプロジェクトです。
仮想通貨の貸し出し用プロトコルの一つであるLiquityは
ETHを担保にLUSDというステーブルコイン(価格を安定させる仕組みを持った仮想通貨)を発行
しています。
また、預け入れられた資産の一部は、
Yearn Financeを経由してCurveのLUSDプールで運用
されています。
つまり、ChickenBondsで資産運用をする場合は、
LiquityとYearnとCurve、そしてLUSDの動向に気を配ること
の最低限のリスク管理のラインとなります。
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NFTが発行される
Chicken BondsにLUSDを預け入れると、限定のNFTが発行されます。
預け入れた資産の総額やChicken Bonds関連のプロジェクトに預け入れている資産の総額などでNFTのイラストが変化するように設計されています。
預け入れている資産の量が多いとレアリティの高いNFTが発行されやすくなります。
- 資産を預け入れたばかりの頃は「卵」のイラスト
- 資産を一定期間預けて、報酬を請求すると「ニワトリ」のイラスト
- 資産を引き抜くと「ヒヨコ」のイラスト
というように、ユーザーの状態によって異なる段階のNFTが発行されます。
重要なのは、
このNFTが預かり証として機能する
という点です。
これらのNFTはX2Y2やLooksRareなどのNFTマーケットプレイスに出品することもできるため、直接Chicken Bondsを利用していないユーザーにも金銭的な価値のあるNFTとして販売できる可能性があるのです。
NFTに価値を持たせるという点では、面白い取り組みですね。
低コストで運用できる
Liquityを主体としてLUSDの借り入れを行なっている方にとっては、更なる利回りの獲得方法としてChicken Bondsは選択肢の一つになるでしょう。
Chicken Bondsは、
預け入れた資金を元本割れすることなく(一部の例外を除いて)いつでも引き出せる
ため、Liquityだけで資産運用するよりも利回りを増やすことができます。
その分、リスクは高まるため、自身のリスク許容度を見極めて運用の判断をする必要があります。
また、Chicken Bondsと似たようなプロジェクトにOlympus DAOがありますが、そちらと比べると比較的低コスト資産の運用ができます。
しかし、長期的な運用利回りの点ではChicken Bondsの実績が不足しているため、Chicken Bondsの長期的な運用と収益を上げる実績やハッキング体制などが評価されることで、低コスト運用が実績を伴った現実的な強みとして作用するようになるでしょう。
Chicken Bondsが稼働する仕組み
Chicken Bondsはどんな仕組みで稼働しているの?
それでは、Chicken Bondsが稼働する仕組みを詳しく解説します。
Chicken Bondsのシステムを理解するためには
2つのプール(収益源)と3つのバケット(資産管理)
に分けて考えると分かりやすいです。
2つのプールから収益を得る
2つのプールはプロトコル外部の収益源を意味します。
Chicken Bondsが収益の源泉にしているのはLiquityでの比較的安定性の高いステーブルプールとYearnでのややリスクの高いCurve LUSDプールです。
安定性の高いプールで堅実な利益を出しつつ、リスクと利益をやや高めたもう一つのプールで利益を増やす
という戦略を採用しています。
この戦略は、最近のDeFiプロトコルにおいてはしばしば見られるようになってきた戦略です。
この戦略を採用すると、
ある程度実績のあるDeFiプロトコルでの運用を代行することで、巨額の資本を持たない投資家に対しても参加のハードルを下げることができる
というメリットがあります。
例えば、Umami Financeなどもこの戦略を採用しています。
3つのバケットで資産管理
3つのバケットは、プロトコル内部での資産管理システムを意味します。
バケットは「Pending」「Reserve」「Permanent」に分かれています。
- Pending:入金されたトークンの保持とBondedトークンの振り分け
- Reserve:Bondedトークンの一部と利回りの取得
- Permanent:Bondedトークンの残りの受け取りと保管
NFTの発行
Chicken Bondsに資金を預け入れることで、絵柄の変化するNFTが発行されます。
NFTにはレアリティが設定されていて、プロトコルに預け入れる額が多いほどレア度の高いNFTが発行されるシステムになっています。
NFT自体は「預かり証」として機能します。
X2Y2やLooksRareなどのNFTマーケットプレイスで販売・購入することも可能です。
補足
Chicken Bondsがより多くのユーザーに利用されるようになれば、NFTの取引のみで資産運用も可能になるかもしれません。また、このNFTがゲームで使えるようになったり、保有していることで追加の報酬が手に入るようなエコシステムの拡大が進めば、更なる値上がりも期待できます。
今後、これらのNFTが実際に使用可能な仕組みが出来上がってくるとNFT自体を所有するインセンティブも高まりますね。NFTの所有者はコミュニティの開発状況も定期的にチェックしましょう。
Chicken Bondsの始め方・使い方
Chicken Bondsを使うには、どうすれば良いの?
必要な手順は以下の通りです。
- 仮想通貨のウェブウォレットを作る
- 仮想通貨ETHを用意する
- LiquityやUniswapなどでLUSDを調達する
- Chicken BondsにLUSDを預け入れる
順番に解説していきます。
仮想通貨のウェブウォレットを作る
Chicken Bondsはイーサリアムネットワーク上で稼働するのでそれに対応したウェブウォレットであれば利用可能です。
最もメジャーなウェブウォレットにはMetaMaskなどがあります。
MetaMaskのアカウント作成については、以下の記事で紹介しています。
参考
仮想通貨ETHを用意する
Liquityなどを利用してLUSDを入手したい場合は、担保となるETHが必要です。
仮想通貨取引所に口座を開設して、ETHを購入しましょう。
大きな額で購入する予定であれば
ETHの現物取引ができる取引所(Bitbank/BitFlyerなど)を選ぶ
と取引手数料を抑えられるのでおすすめです。
私は国内の取引所では、Bitbank/BitFlyer/Concheckなどをメインで利用しています。少額運用のうちは大手の取引所の中からセキュリティ面重視で選ぶのが良いです。
以下の記事では、ビットコインを例に仮想通貨の現物取引の方法を具体的に解説しています。ETHの場合も購入手順は同じですので、参考にしてみて下さい。
参考
LiquityやUniswapなどでLUSDを調達する
続いて、LUSDを調達します。
大まかに分けて以下の2種類の方法があります。
- Liquityで借りる←担保となるETHが必要
- Uniswapなどでスワップ(交換)する←交換のための仮想通貨が必要(ETH以外でもOK)
方法①LiquityでLUSDを借り入れる←Liquityの公式サイトへ移動して手続きをします。
方法②Uniswapなどでスワップ(交換)する←既に他の(イーサリアムネットワーク上の)仮想通貨を持っている方はこちらの方法も可能です。
Uniswapの機能や使い方は、以下の記事で詳しく解説しています。
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Chicken BondsにLUSDを預け入れる
Chicken Bondsのトップページから「Bond」を選択。
今回は、Liquity経由でLUSDの預け入れをします。
「Pending bonds」から「Go to Bonds」を選択すると預入の手続きを実行することができます。
さらに具体的な戦略が公式ブログで紹介されています。
参考
Chicken Bonds公式ブログ|どんな戦略が可能か?
使うときの注意点やリスク
Chicken Bondsを使う時に気をつけることはあるの?
では、最後にChicken Bondsを使うときの注意点やリスクをまとめます。
精算による出金遅延
プロトコルの基盤となるLiquityが何らかの理由から巨額の精算を行うことになった場合、一部のユーザーに対して出金の遅延が生じるリスクがあります。
これは、精算が発生してLiquityプロトコルがプール内のETHを一時的使い果たした時に起こる現象です。
このタイミングでChicken Bondsのユーザーが資産の引出しを行なった場合、Chicken Bondsのプロトコル内に必要な量のETHが一時的に不足することによって、引き出しが一旦停止になる可能性があります。
ただし、ETHの利益がLUSDをカバーできるようになるまで回復すれば、引き出しは通常通りできるようになります。
ETHの精算&価格の下落
ETHの市場価格が急激に下落すると、Chicken BondsもLiquityでの精算の影響を受けます。
具体的には、プロトコル内部のReserveやbLUSDによって負担されます。
保険的な機能としてプロトコル内部にはそれらの精算被害を緩和する9%の「バッファー(余剰資金)」が設定されています。
bLUSDの価格への懸念
bLUSDの価格は、不安定になる要因があります。そもそも仮想通貨の価格は不安定です。
これは仮想通貨全般に共通して言えることです。
技術面で何らかの落ち度が発見された場合、トークンの価格が一気に下落する可能性があります。
スマートコントラクトのリスク
Chicken Bondsの開発・運営チームは、外部監査を積極的に受けたり、プロトコルのセキュリティを高めるためのテスト運用などを取り入れています。
それでも、セキュリティは絶対ではありません。
イーサリアムネットワーク上の全てのdAppsと同じように、プログラムの不具合やバグ、システムの穴をついたハッキングのリスクには常に晒されているということを覚えておきましょう。
大手のDEXであっても、ハッキング被害に遭ってしまうのがDeFiのリスクです。
Yearnのリスクを継承する
Chicken BondsはLiquityだけでなく、Yearn Finandceも利用しています。
つまり、より安全な運用を求めるのであれば、Yearn Financeがどのような性質のプロジェクトであるのかを知っておくと良いでしょう。
ざっくり言うとYearn FinanceはDeFi版のインデックスプロジェクトです。数あるDeFiプロジェクトの中からユーザーにとって最適な利回りを出すものを見つけてきて、資産運用を代行してくれるプロトコルです。
参考
DeFi特有のリスクについては、以下の記事も参考にして下さい。
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まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
LUSDの利用可能性をさらに広げるChicken Bondsについて解説しました。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
- Chicken BondsはLUSDの利回りを高めるためのプロジェクト
- イーサリアムネットワーク上で稼働する
- LUSDの需要を高めることが目的
- プトロトコルにLUSDを預け入れると独自のNFTが発行される
- 独自NFTは「預かり証」として機能し、NFTマーケットプレイスで転売可能
- 収益の主な土台はLiquityとYearnとCurve
情報ソース