今日は、yodakaです。
- Umani Financeって何?
- 特徴や仕組みを教えてほしい
- 機能や使い方を知りたい
- 使う時の注意点やリスクはあるの?
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
Umani Financeとは「Real Yield」を体現したDeFiプロジェクトの一つです。
【Umami Financeを深掘りして感じたReal Yieldで大事なこと】
✅Vaultは手堅いプロトコル&手堅いトークンに限定
✅報酬の支払いも手堅いトークン
✅ネイティブトークンの役割がシンプル
✅ネイティブトークンの需給調整システムがある
✅POLの活用(報酬支払やリスクヘッジ等)— yodaka(よだか)@Crypto×DeFi×NFT (@yodakablog) September 18, 2022
数あるDeFiプロジェクトが乱立する中、注目を集めているのが「Real Yield」という視点です。
これは、プロトコルの利用者に堅実な収益をもたらすDeFiの新しいモデルです。
これまでのDeFiプロトコルの課題を解決に導く可能性のあるUmami Finance。
本記事は、Umami Financeの情報を詳しくまとめました。
是非、最後まで読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。
本記事を読むと分かること
- Umani Financeとは何か?
- Umani Financeを使うメリット
- Umani Financeの機能・特徴
- Umani Financeのトークノミクス
- Umani Financeが稼働する仕組み
- Umani Financeの始め方・使い方
- 使う時の注意点やリスク
情報ソース
Umani Financeとは何か?
Umami Financeとは
ユーザーに堅実な利回りを提供することを目指すDeFiプロジェクト
です。
なぜ「堅実な利回り」が重要視されるの?
それは、従来型のDeFiプロトコルが提供する利回りの多くは実体の無いものだったためです。
これまで、DeFi経済圏において様々なプロジェクトが立ち上がってきました。
同時に各プロジェクトの競争が激化する中で多様な問題も起こるようになりました。
特に顕著だったものが
- 報酬が独自トークンで配布される
- 利回りを発生させているものの確たる正体がない
- 独自トークンはすぐに売却され、プロジェクトの寿命が短くなる
- 似たようなエコシステムを持つDeFiプロトコルが乱立する
- ユーザーは次々と新しいDeFiプロトコルを渡り歩く
- 開発者もユーザーも疲弊し、DeFi界隈の健全性が低下する
という流れが発生していたことです。
そんな中でUmami FinanceをはじめとしたいくつかのDeFiプロジェクトが提案したのが
Real Yield
というアプローチです。
Umami Financeの場合は、
- 報酬に独自トークンを使わず、デポジットしたトークンで支払う
- 利回りの実態があるプロジェクトを厳選して土台とする
というルールのもとで展開されています。
これまでの加熱しすぎたDeFiの流れに終止符を打ち、健全な流動性を生み出すプロジェクトと言えます。
運営・開発チーム
Umami Financeの運営・開発を手掛けるのは Umami Labs。
2021年末に本格的に指導開始したチームです。
プロジェクト運営の方針決定が明確で、トラブル発生時の対応が非常に早いことやユーザーへの補填を迅速に行うなどの対応にも信頼感があります。
参考記事:USDC Vaultの一時停止と預金者への払い戻し
公式ブログでは、プロトコルの収益や戦略の見直しなどについて積極的に発信しています。
特に、1週間に1回発信される収益やそれに伴う戦略の振り返るニュースレター記事が参考になります。
Umani Financeを使うメリット
Umami Finaceを使うメリットは以下の3つ。
- 実績のあるプロトコルを土台にもつ
- 資産運用のリバランスをしてくれる
- 時間と心の余裕が生まれる
実績のあるプロトコルを土台にもつ
Umani Financeは、イーサリアムのレイヤー2・Arbitrum上のUniswqpV3からの収益をユーザーにETHで再分配する仕組みです。
運用ベースとなるトークンも、BTC、ETH、USDCの3つに限定していて、リスクを下げた堅実な運用を心がけていることが分かります。
Uniswapは、DeFiプロトコルの中でもトップクラスの人気と需要を誇るため、即座に潰れるということは考えにくいです。
また、ネイティブトークンUMAMIの発行は行っているものの、報酬はUMAMIで支払われることはありません。
ネイティブトークンは、あくまでプロトコルの利用権としてシンプルに機能するだけ。
よって、ネイティブトークンが即座に売られて価値を落とすという構造に陥りにくくなっています。
補足
Umani Financeは、この他にも、ユーザーへ報酬分配用のプールはGMXで管理して、UMAMIトークンの価値を担保するためにkromatikaを利用しています。プロトコル自体の収益を保証する為の仕組みをシンプルな戦略で担保しているのです。詳しくは後述。
資産運用のリバランスをしてくれる
Umami Financeの運営チームは、定期的にUniswapV3での運用方針を調整しています。
通常、運用のリバランスを個人で行おうとすると
- 市場を観察し続ける時間が必要
- ポートフォリオの組み直しを頻繁に行うと手数料負けして資産が減る
- 1人のリサーチ力では、複数人数で運営しているチームには勝てない
などの問題が発生します。
Umami Financeは、ユーザーが持つこれらの問題を一手に引き受け、資産運用形態のリバランスをしています。
そのため、個人で資産運用をするのに苦労している人にとって、資産運用代行プロトコルとして機能するのです。
その詳細や実績は、公式ブログで読むことができます。
時間と心の余裕が生まれる
クリプト界隈はあらゆることの更新速度が異常なほど早いため、トレンドを追い続けるのは非常に大変です。
特に、DeFiプロトコルのリサーチや市場の動向を探り続けることは、範囲を絞り込んでも非常に神経をすり減らします。
Umami Financeは、普遍的に価値を持つ可能性が高いトークンとプロトコルに絞って運営されてるプロジェクトであり、適切な運営方針を打ち出すのも早いです。
現在、プロトコルはUniswap、トークンはBTC/ETH/USDCに絞って運用をしていますが、市場の状況が変化すれば、それすらも変えていく方針を示しています。
(実際、2022年8月には、USDCトークンでの運用の一部見直しが行われています。※USDCトークンでの運用そのものを停止したわけではない)
市況に応じて対応を柔軟に変えていくしなやかさがUmami Finaceの強みの一つですね。
Umani Financeの機能
Umami Financeにはどんな機能があるの?
Umami Financeのアプリには4つの機能である
- Earn
- Vaults
- Buy
- Swap
を紹介します。
Earn
メインの機能。MARINATEとCOMPOUNDの2つがある。
手数料
【管理手数料】:TVLの2%
【パフォーマンス手数料】:APRの20%
Marinate(マリネート)
Marinate(マリネート)は、ステーキング機能です。
ユーザーはUMAMIトークンをステーキングして、報酬をETHで受け取ることができます。
報酬はほぼ毎日の頻度で排出され、「CLEAM REWARDS」で請求することができます。
引き出しができるのは毎月1日だけという点に注意してください。
COMPOUND(コンパウンド)
COMPOUND(コンパウンド)は、UMAMIの購入と再投資を自動的に行ってくれる機能です。
具体的には
- ユーザーはMarinate(マリネート)機能で報酬(ETH)を受け取る
- ETHを使ってUMAMIを購入する
- UMAMIをMarinate(マリネート)でステーキングする
という流れを自動的に行ってくれる機能です。
こちらの機能も引き出しが可能なのは毎月1日だけです。
ステーキングの原資を増加させることで、利回りを増加させることができます。
Vaults
Vaultsでは、GMXにおけるUMAMI Finance所有のプールの状況を見ることができます。
このプールに預け入れもできた良いですが、現在は戦略見直しのため一時停止中となっています。
Buy
UMAMIトークンを購入するのには、ETHが必要です。
ここでは、BANXAという取引所を仲介してArbitrum対応のETHを購入することができます。
UMAMI購入用のETHをすぐに準備したい時に便利な機能です。
他の取引所で購入した方が割安な場合もあるので、価格を比較してから購入すると良いです。
Swap
これは、Uniswapの機能です。
UniswapでETHをUMAMIにスワップ(またはUMAMIをETHにスワップ)したい時に使います。
Umani Financeのトークノミクス
ネイティブトークンUMAMI
UMAMIはUmami Financeが発行するネイティブトークンです。
UMAMIの機能は以下の2つ。
ガバナンス
UMAMIをステークしたユーザーには、Umami Financeの運営に参加する権利が与えられます。
具体的には、UMAMIのステーカーにはプロトコルの主要な決定に対する投票権が与えられます。
多くの資金を預け入れているユーザーほど、プロジェクトに成長してほしいはずなので、保有とプロジェクト推進をうまく関連づけているシステムと言えますね。
料金の生成
Umami Financeを利用するための権利。
現在、Umami Financeのプロトコルを使用してETHを得るために使えるトークンはUMAMIだけです。
トークンの配給
UMAMIトークンの総排出量は1,000,000で配分は以下の図の通りです。
①Non -Circulating(非流通):360,409【プロジェクトチーム/プロトコルが保有しているトークン。プロジェクトチームの財源や機能させていないV1ステーキングコントラクトなど】
②Circulating(流通):639,591【一般ユーザーが利用・保有しているトークン。MARINATEなどで実際にステークされている分とまだステークされていない分の合計】
総供給量の3分の1をプロトコル側が、3分の2をユーザー側が保有するバランスになっていますね。
Umani Financeが稼働する仕組み
Umiami Financeはどんな仕組みで稼働しているの?
それでは、Umami Financeが利益を上げる仕組みを説明します。
Umami Financeのシステムを理解するには3つの仕組み
- 収益を上げるVault
- POLの活用
- UMAMIトークンの需給調整
を理解する必要があります。
収益を上げるVault
これは、UniswapV3の流動性提供から獲得する収益です。
BTC、ETH、USDCのプールに狙いを絞って、堅実な取引手数料の獲得を実現しています。
堅実なプロトコルの堅実なトークンに限定した戦略ですね。
POLの活用
POLとはProtocol-owned Liquidityの略語で、「プロトコルが所有する流動性提供プール」を意味します。
Vaultとは別に、TracerやGMXやUniswapで別のプールを展開しています。
その資金は、プロトコル所有の資金から生み出しています。
POLから得た利益の2分の1はマリネーターの報酬分配に充てられます。
また、TracerやGMXにてBTCとETHのショートポジションを持つことで、相場変動リスクの75%をヘッジする戦略も併せて展開しています。
Tracer,GMX
仮想通貨用の有力なDEXの一つ。レバレッジを効かせた取引などが可能で、上手く活用すると高い収益を実現できる。高いAPRが魅力。
UMAMIトークンの需給調整
kromatikaというプロトコルを利用して、UMAMIトークンの需給バランスの調整もしています。
kromatikaとは、Uniswapに指し値注文を出すことのできるアプリです。
kromatikaを通して、UniswapにおけるUMAMIをETHやUSDCで買い支えたり、流通の少なくなったUMAMIトークンを売って市場に流すことを繰り返しながら、UMIAMIトークンの価値が一定の範囲内に収まるように微調整をかけているのです。
ネイティブトークンの価値が下がらないようにする設計は非常に重要ですね。
Umani Financeの始め方・使い方
【準備①】仮想通貨のウォレットを用意する(MetaMaskなど)→アプリに接続する
MetaMaskのウォレットアカウントの作り方や仮想通貨の購入方法は、以下の記事を参考にして下さい。
参考
①公式サイトの「CONNECT」をクリック。
②接続するウォレットを選択。
③(初めての場合は)SWITCH TO ARBITRUMをクリック。
完全に一から始める場合は、購入する仮想通貨はETHです。
【準備②】ArbirtrumにETHをブリッジする
以下の記事を参考にしてください。
UMAMIトークンを準備する
【Arbitrum上のUniswapでスワップする場合】
- NetworkをArbitrumに切り替える
- スワップしたい数量を入力してスワップする
BANXAを仲介して、公式サイトから買う方法もあります。
【Umami Financeの公式サイトから購入する場合】
- BUYを選択
- 購入したい数量と購入に使う通貨の種類を入力
- CHECKPUT ON BANXAをクリックして、決済手続きへ
MARINETE
①公式サイトのトップページから「EARN」→「MARINATE」を選択。
②「DEPOSIT欄」で預け入れる数量を入力。
③「APPROVE」をクリック。
COMPOUND
①公式サイトのトップページから「EARN」→「COMPOUND」を選択。
②「DEPOSIT欄」で預け入れるトークンの数量を入力。
③「APPROVE」をクリック。
使う時の注意点やリスク
Umami Financeを使う時の注意点やリスクはあるの?
それでは、最後にUmami Financeを使う時のリスクや注意点をまとめます。
あくまで運用委託
Umami Financeが行っているのは「運用委託」に近い性質のサービスです。
つまり、市場の動きを見て自分で調整することが好きな人にとっては、手数料が取られる分、損失が発生してしまうというデメリットがあります。
短期的に大きな利益を上げるという目的には不向きなプロジェクトです。
手数料は割高
手数料
【管理手数料】:TVLの2%
【パフォーマンス手数料】:APRの20%
これは、自動運用というメリットを考えても、やや割高な手数料です。
純粋に利益を求めるのなら、他のDEXと組み合わせながら高いAPRを実現できるようなマネーレゴを組む必要があります。
現在、プロトコルのパフォーマンスは4%程度のAPRであることとDeFiのリスクの高さを考えると、「このプロトコル単体での運用リターンに見合わない」という結論です。
ステーキング報酬がETH以外になる可能性がある
現在のところ、ステーキング報酬はETHで支払われることになっていますが、Docsには「将来的には、ETH以外の支払いの可能性もある」と記載されています。
これは、ネガティブにもポジティブにも解釈することができます。
ETHが価値を失えば、別のトークンで報酬を支払うことにするという解釈もできますが、ETHよりも価値の低い(と思われる)トークンでの報酬支払いになるという邪推もできます。
いずれの場合にせよ、リスクの一つとして認識しておくことは大切です。
引き出しは毎月1日だけ
プロトコルから資金を引き出せるのは、毎月1日だけです。
すぐに引き出す必要のある資金を投入するべきではありません。
安全策をとるなら、少なくとも半年〜1年間は手をつけない資金で運用することを考えるのが賢明でしょう。
DeFi特有のリスクについては、以下の記事を参考にしてください。
あわせて読みたい
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
- Umami FinanceはReal Yieldを体現したプロジェクトの一つ
- 手堅いプロジェクトと手堅いトークンを土台にしている
- 報酬支払いも手堅いトークン(wETH)
- Arbitrum上で稼働する
- 関連するプロトコルはUniswap/Tracer/GMX/kromatika
- 基本的な機能はステーキング
- ネイティブトークンの役割がシンプルかつ需給調整のシステムがある
情報ソース