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【DeFiレンディングプロトコル解説】Morpho(モルフォ)って何?【特徴・機能・仕組み・始め方・注意点】

2023年1月12日

こんにちは、yodaka(よだか)です。

  • Morpho(モルフォ)って何?
  • 特徴仕組みを知りたい
  • 機能使い方を教えてほしい
  • 使うときの注意点リスクはあるの?

こんな悩みを解決する記事を用意しました。

Morphoとは、DeFiレンディングを効率よく行うためのプロジェクトです。

Yodaka

本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。

本記事を読むと分かること

  • Morphoとは何か?
  • Morpho特徴仕組み
  • Morpho機能
  • Morpho始め方・使い方
  • 使うときの注意点リスク

Morphoとは何か?

https://www.morpho.xyz/

Morpho役割は、

レンディングプールのオプティマイザー
(DeFiレンディングを効率よく行うための補助)

です。

Morphoユーザー

お得な金利でDeFiレンディングを行うことができる可能性

があります。

これまで、CompoundやAaveのような大型DeFiレンディングプロトコルでは、資金の利用が非効率(金利に乖離がある)であることが課題でした。

例えば、↑のように借り手の金利に対して貸し手の金利が少なくなっているのが分かります。

大型のレンディングプロトコルでは、金利を算出する方法が決まっている以上、この金利差を小さくすることが困難なのです。

このような状況では、貸し手のメリットが少ないと言えますね。

Yodaka

そこで、Morphoが提案したのが

貸し手と借り手のP2Pマッチング

です。

「貸したい人」と「借りたい人」をたくさん集めて、それそれの条件に合う相手をマッチングさせているというイメージですね。

Yodaka

【参考】Morpho's Proxy Scheme(取引きの手順がより詳しく解説されています)

Morpho

ユーザーと大型レンディングプロトコルの仲介

を引き受け、

レンディングプール+オーダーブック(板取引)の仕組み

を実装したのです。

仮想通貨のオーダーブック/板取引)の解説はこちらから。

Yodaka

Morphoが提供するアプリによって、(理論上は)資本効率100%のレンディングプールが実装されるため、借り手と貸し手の間に余分な金利差が広がることを予防できるのです。

その結果、

CompoundやAaveを直接利用するよりも、Morphoを介した方がお得な金利でレンディングを行うことができる

ため、Morphoが注目されるようになったのです。

https://defillama.com/protocol/morpho

冬相場である2022年後半からも、TVLを伸ばしているプロジェクトの一つです。

Yodaka

開発・運営チーム

https://www.morpho.xyz/

Morphoの開発・運営を手掛けるのは、Morpho Labs

Morpho Labsは、ソフトウェアの開発リサーチを行う企業です。

2022年7月には、Morphoの開発にあたって、複数の大手企業から合計で1800万ドルの資金調達を達成しています。

公式ブログでは、システムの稼働に関する情報などを発信しています。

また、Twitterアカウントでは、プロジェクトの最新情報を発信しています。

Morphoの情報をキャッチアップしたい方は、Twitterアカウントをフォローしておくと良いでしょう。

Yodaka

Morphoの特徴

Morphoにはどんな特徴があるの?

Morphoの特徴は、主に8つ

  • イーサリアムネットワークで稼働
  • 貸し手借り手P2Pマッチング
  • 価格オラクルプール依存
  • 6種類ウォレットに対応
  • Morpho自体は利益を得ていない
  • データ分析ツール豊富
  • 多方面からの資金調達
  • 入念な監査

順番に見ていきましょう。

Yodaka

イーサリアムネットワークで稼働

Morpho

イーサリアムネットワーク上で稼働するプロトコル

です。

イーサリアムネットワークは、DeFiにおいて最大級の流動性を誇るブロックチェーンであるため、チェーン自体の信頼性は他のチェーンと比較して高いと判断できます。

2023年1月現在で、イーサリアムチェーンのTVL(ロックされている資産の総額)は、第1位

DeFi全体でロックされている資産の半分以上はイーサリアムネットワークにあります。

https://defillama.com/chains

Morphoは、現状、最も手堅いチェーン上で稼働しているプロトコルであると言えます。

Yodaka

貸し手と借り手のP2Pマッチング

Morphoのシステムは、貸し手と借り手を結びつけるように設計されています。

簡単に言うと、ユーザーは自分の資産を

貸したい人から借りることができたり、借りたい人に貸してあげることができる

ということです。

これによって、Morphoが扱う資産は、(理論上)100%利用されていることになります。

ユーザーはMorphoに貸し注文や売り注文を出す。そして、それらが希望通りになるように捌いていくのがMorphoの役割です。

でも、全てのユーザーの希望が思い通りになるの?

ユーザーの希望通りにならない資産はどうなるのか?という点については、後ほど解説します。

Yodaka

価格オラクルはプール依存

オラクルとは、

ブロックチェーン上に構築されたアプリに外部からの情報をもたらすもの

のことです。

つまり、価格オラクルとは、仮想通貨の価格を知らせてくれるものという意味です。

Morphoで取引される仮想通貨の価格は、

元となっているプロトコル(CompoundやAave)のプールにおける価格を参照

しています。

そのため、元となるDeFiプロトコル内での仮想通貨の価格が何を基準にして決定されているのかを知っておくことは、とても重要です。

代表的な価格オラクルには、Chainlinkなどがあります。

価格オラクルの解説は、こちらから。

Yodaka

6種類のウォレットに対応

Morphoは、6種類のウォレットに対応しています。

Morphoで利用可能なウォレットの一覧は、以下の通り。

  • MetaMask
  • WalletConnect
  • Ledger
  • Trezor
  • Sequence
  • D’CENT

仮想通貨のウォレットの解説はこちらから。

Yodaka

Morpho自体は利益を得ていない

Morphoは、ユーザーから利用手数料を取っていません。

つまり、Morpho自体は無料で使えるということです。

正確には、プロトコル料金をオンにする機能自体は備えていますが、現在のところ稼働していないということです。

今後、システムの利用者が増え、運用が軌道に乗ってくるとプロトコルの利用料金が発生する可能性はあります。

初期参加者が利用しやすい仕組みになっているのですね。

Yodaka

【参考】MorphoのDocs|Morphoはどのように収益を生み出しているのか?

データ分析ツールが豊富

MorphoのDocsには、データ分析のためのツールが豊富に紹介されています。

資産の自己管理が前提であるDeFiの世界では、ユーザー自身もデータ分析ツールを最大限活用することが求められます。

紹介されているツールは、以下の通り。

ツールを活用して、リスク管理をしましょう。

Yodaka

多方面からの資金調達

https://www.morpho.xyz/

Morpho Labsは、2022年7月に大手企業などから総額1800万ドルの資金調達を成功させています。

開発資金の確保ができていることにより、チームが安定的にプロジェクトの開発・運営を行うことができます。

変化の激しいブロックチェーン業界では、開発の後ろ盾があることは特に重要なのです。

Yodaka

入念な監査

https://www.morpho.xyz/

Morphoは、複数の会社に監査レポートの作成を依頼しています。

そして、監査の結果を受けて、プロトコルの改善を実行しています。

現在のところ、プロトコルに大きな問題は見らませんが、定期的に監査を受ける体制自体は継続しています。

特筆すべきは、

フラッシュローン攻撃への耐性を備えていること

です。

レンディングプロトコルの穴を突く可能性があるフラッシュローン攻撃を予防していることで、資金管理の安全性が高めていると評価できます。

監査レポートは、MorphoのDocsから確認することができます。

Yodaka

Morphoが稼働する仕組み

Morphoどんな仕組みで稼働しているの?

それでは、Morpho稼働する仕組みを詳しく解説します。

Yodaka

貸し手と借り手のマッチング

Morphoで注文の処理が行われる手順は以下の通り。

  • 可能な限り、ユーザー同士の注文同士で処理する
  • 処理しきれなかった分は、Morphoのプール内で処理する

大まかにはこれで分かるけど、、、

もう少し詳しく見ていきましょう。

Yodaka

取引成立の流れを場合ごとに見ていくと、以下のようになります。

  • 貸し手と借り手の注文量が一致→取引成立
  • 貸し手と借り手の注文量が一致しない→注文を分散させてマッチングさせる
  • 注文を分散させても処理できない場合→Morphoの基本プールで処理

具体的にはどうなるの?

それでは、①〜③までが必要なケースで起こる流れを想定してみます。

Yodaka

具体的に以下のような場合を考えてみましょう。

  • Aさんは「100ETHを持っていて、10,000USDCを借りたい」。→1ETH=1USDCのレートを希望している。
  • Bさんは「5,000USDCを貸し出したい」。
  • Cさん、Dさん、Eさんは、「1,000USDCを貸し出したい」。

B、C、D、Eさんのうちから、Aさんに対して最もお得に貸し出してくれる人から順に注文が成立します。(Aさんが希望する価格からあまりにかけ離れていた場合は、注文が通ることはありません)

ここでは、B 、C 、D、Eさん全員がAさんの希望するレートで貸し出すことができたと仮定して、説明を進めていきます。

Yodaka

全員の希望が通ったとしても、Aさんが借りたい10,000USDCには、まだ2,000USDC足りません。

その不足分を埋めるのが、Morphoの基本プールで管理されている資金です。

MorphoプロトコルにはA~Eさん以外にも多くのユーザーがいます。

その中には、余剰分の資金が生じます。

別の場で発生した余剰分の資金を一時的に管理しているのが、Morphoの基本プールです。

残りの2,000USDC分の金利は、Morphoプロトコルが算出した金利で支払われます。

【参考①】Fallback Mechanisms(注文を処理する流れ)
【参考②】Matching Engine(注文成立の優先順位をつける流れ)
【参考③】Morphoのブログ「Matcing Engineの解説

デルタメカニズム

デルタメカニズムとは、過剰な注文を処理するための仕組みです。

Morphoプロトコルは、貸し手や借り手の注文を一旦引き受けるという形式を取っているため、以下のようなケースが想定されます。

  • 貸し手に対して過剰な借り入れ注文が入る
  • 借り手に対して過剰な貸し出し注文が入る

この場合、過剰な注文Morphoの基本プールで一時的に処理します。

注文に対する金利の乖離は、金利を調整することによって緩和しています。

【参考】Delta Mechanism

精算

Morphoで資金を借りるときは、精算のリスクがあることを知っておく必要があります。

仮想通貨のレンディングは、

指定された担保を預け入れて、任意の仮想通貨を借りる

という形式を取っています。

担保の価値が暴落すると、預け入れていた担保の一部又は全てがプロトコルに回収されます。

この流れを精算と呼びます。

Morphoでの清算は、元となるプロトコルのシステムを基盤にしているため、CompoundやAaveの精算メカニズムを知っておく必要があります。

技術面に詳しい方は、Morphoの開発者用Docsも読んでおくと良いでしょう。

Yodaka

ガバナンストークンMORPHO

Morphoは、ガバナンストークンであるMORPHOを発行しています。

ガバナンストークンとは、プロジェクトの運営やシステム開発などにおける投票権として機能するトークンのことです。

トークンの総供給量10億で、すでに一部のトークンは配布が開始されています。

ガバナンストークンを多く所有しているほど、プロジェクトの意思決定における権限を強めることができます。

また、Morphoは段階的にその権限を薄めていくことを想定したロードマップを発表しています。

Morphoの発展に可能性を感じる方であれば、MORPHOトークンの運用が選択肢に入ってきますね。

Yodaka

【参考】MORPHOトークンとガバナンスの解説

Morphoの機能

Morphoにはどんな機能があるの?

Morpho主な機能6つ

  • Dashboard(運用状況の確認)
  • 貸す(Supply)
  • 引き出す(Withdraw)
  • 借りる(Borrow)
  • 返済(Repay)
  • 報酬の請求(Claim)

一つずつ説明します。

Yodaka

Dashboard(運用状況の確認)

「Dashboard」

資産の運用状況を確認する機能

です。

貸し出しと借入の状況を確認できるので、自身のポートフォリオを構築するのに役立ちます。

特に、借入に関しては「Borrow Capacity(借入可能な額)」が分かるので、ポートフォリオのリバランスを考える時に便利です。

【参考】MorphoのDocs|DashBoard

貸す(Supply)

「Supply」

仮想通貨の貸し出し機能

です。

貸し出している間は、金利を得ることができます。

報酬の請求は「Claim」から行うことができます。

引き出す(Withdraw)

「Withdraw」

預けていた仮想通貨を引き出す機能

です。

借りる(Borrow)

「Borrow」

仮想通貨を借り入れる機能

です。

特定の仮想通貨を担保にして預け入れる必要があるため、指定された仮想通貨を用意しなければなりません。

借りている間は金利が発生するので、返済する時にはその分を上乗せする必要があります。

一般的には、借りた仮想通貨を金利の高い別のDeFiプロトコルで利用することなどを見越して借入をします。

Yodaka

返済(Repay)

「Repay」

借り入れた仮想通貨を返済する機能

です。

「借り入れた時から返済の瞬間までに発生した金利」を上乗せして返済する必要があります。

報酬の請求(Claim)

「Claim」

貸し出しの報酬を請求する機能

です。

MORPHOトークンの請求もここから行うことができます。

【参考】MorphoのDocs|Claim

各機能の詳細Docsにまとめられています。

Yodaka

あわせて読みたい

MorphoのDocs|アプリのガイド

Morphoの開発者用Docs|各機能の詳細

Morphoの始め方

Morphoを実際に使ってみたい。

それでは、Morpho始め方を解説します。

大まかに4つのステップに分けられます。

①ウォレットの作成
②仮想通貨の購入・転送
③アプリとの接続

(④仮想通貨のスワップ)
⑤レンディングの実行

Yodaka

①仮想通貨のウェブウォレットを作成する

まずは、仮想通貨を扱うウォレットアカウントを作成しましょう。

Morphoのアプリは6種類の接続方法に対応しています。

ウェブウォレットのアカウント作成については、以下の記事を参考にして下さい。

Yodaka

ここからは、MetaMaskを使用した方法で解説を進めていきます。基本的な操作手順は同じなので、お好みのウォレットを使ってください。

Yodaka

②仮想通貨を購入・送金する

続いて、運用に必要な分の仮想通貨を準備します。

すでに何らかの仮想通貨を持っているという方は、それをの運用に転用できる場合もあります。

基本的には、イーサリアムネットワーク自体のガス代(手数料)となるETHが必要なので、運用に必要な仮想通貨としてETHを選択するのが無難でしょう。

仮想通貨の購入送金の方法は、以下の記事で具体的に解説しています。

Yodaka

③ウェブウォレットとアプリを接続する

https://aave.morpho.xyz/?network=mainnet

Morphoのアプリにアクセスして、「Connect Wallet」をクリック。

②「利用するウォレット」を選択。

ウォレットアドレスが反映されていれば、接続完了です。

④必要なトークンを入手する(スワップなど)

貸し出したり、借り入れたりする際に、特定の仮想通貨が必要になりますが、利用する取引上によっては、特定の仮想通貨を購入できない場合もあります。

国内の取引所で入手できないトークンを入手するには、スワップ系のプロトコルを利用してトークンを交換する必要があります。

トークンの交換(スワップ)には様々な方法があり、それぞれに異なる特徴メリット・デメリットがあります。

私が使用・リサーチしたアプリを紹介した記事を貼っておくので、利用の際の参考にしてみてください。

Yodaka

⑤レンディングを実行する

「利用するDeFiプロトコル」を選択します。
現時点で利用できるのは、CompoundAaveです。(2023年1月)

金利やプロトコルのリスクなどを考えた上で、戦略を組みましょう。

Yodaka

使うときの注意点やリスク

Morphoを使う時に気をつけることはあるの?

では、最後にMorphoを使うときの注意点リスクをまとめます。

Yodaka

イーサリアムのリスクを継承する

Morphoは、イーサリアムネットワークで稼働するプロトコルです。

そのため、その価値をイーサリアムネットワークの状況に依存します。

イーサリアムの開発状況やネットワークの拡大などを定期的に確認することがリスク管理につながります。

精算のリスク

Morphoで資金を借りるときは、精算のリスクがあることを知っておく必要があります。

仮想通貨のレンディングは、指定された担保を預け入れて、任意の仮想通貨を借りるという形式を取っています。

担保の価値が暴落すると、預け入れていた担保の一部又は全てがプロトコルに回収されます。

この流れを精算と呼びます。

精算を完全に防ぐ方法はありません。

しかし、精算のリスクを下げる方法はあります。

  • 担保に対して過剰に借りすぎない
  • 担保の価格を日頃から確認して、暴落の気配を感じたら資金を引き上げる
  • 引き上げるラインを決めておく

これらは基本的なことですが、事前に自分で決めたルール通りに資産運用をすると大きなリスクを回避することができます。

以下のデータ分析ツールも活用しましょう。

Yodaka

あわせて読みたい

MorphoのDocs分析ツールの紹介

新興プロジェクトとしてのリスク

Morphoは、新しく始まったプロジェクトの一つです。

すでに大きな勢力を持っているDeFiプロジェクトと基盤として稼働している点や、入念な安全監査を定期的に受けているという点などは事実ですが、それらが絶対的な安全面の保証にはなりません。

プロトコルのバグ思わぬ攻撃に見舞われるリスクは常に付きまといます。

生活に必要な資金まで注ぎ込むことはお勧めしません。

失っても致命的なダメージにならない額で運用するようにしましょう。

DeFi特有のリスクについては、以下の記事も参考にしてみて下さい。

Yodaka

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございます。

レンディングプールのオプティマイザーであるMorphoについて開設しました。

Yodaka

本記事の内容が参考になれば幸いです。

本記事のまとめ

  • Morphoレンディングプールのオプティマイザー
  • DeFiレンディング資本効率を高めるシステムを提供している。
  • レンディングプール+オーダーブックの仕組みで資本効率を高めている。
  • 貸したい人と借りたい人のマッチングを行う。
  • ユーザーから預かった資産を取りまとめてCompoundAave代行運用する。
  • ガバナンストークンは、MORPHO
  • 貸し手と借り手の金利が乖離することを予防する様々なメカニズムを導入している。

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