こんにちは、yodaka(よだか)です。
- Insta Dapp(インスタダップ)って何?
- 特徴や仕組みを知りたい
- 機能や使い方を教えてほしい
- 使うときの注意点やリスクはあるの?
こんな悩みを解決する記事を用意しました。
Insta Dapp(インスタダップ)とは、様々なDeFiアプリを一括で管理・操作できるシステムです。
本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。
本記事を読むと分かること
- InstaDappとは何か?
- InstaDappの特徴や仕組み
- InstaDappの機能
- InstaDappの始め方・使い方
- 使うときの注意点やリスク
情報ソース
InstaDappとは何か?
InstaDappとは
様々なDeFiアプリをまとめて操作できるシステム
です。
DeFiに注目が集まるようになってから、様々なDeFiアプリが数多く立ち上げられてきました。
その過程で、各プロジェクトをアプリ毎に操作することの不便さがDeFiの課題として挙げられるようになりました。
また、各プロトコルで手続きを行うたびにガス代(手数料)が発生することも問題でした。
利回りを得ようとすると、手数料負けしてしまい収益を上げにくいという課題も出てきたのです。
さらに、複数のアプリを経由して資産管理をしているため、自身のポートフォリオの見直しも複雑になってしまうということも大きな課題となりました。
そこでInstaDappから提案されたのが
主要なDeFiアプリを一つのサイトからまとめて操作する
というアプローチです。
InstaDappは「複雑な管理を一括して行ってくれるDeFiのダッシュボード」としての役割を果たしているのですね。
InstaDappは、DeFiのランキングサイトDeFiLlamaでは、第10位のTVLを記録しています(2022年12月)。
様々なDeFiプロジェクトの中でも、主要なものの一つとして機能していることが分かります。
一定の需要があるプロジェクトとして、その特徴や機能をチェックしておくと良いですね。
DeFiプロトコルのレビューサイトDeFiSafetyでは、85%というスコアで評価されています。
この数値は、幾つかのリスクがあるプロトコルであることを示しています。
DeFi Safetyの安全基準では、この数値はPass(合格)と評価されるものに分類されます。
後ほど説明しますが、これはInstaDappが複数のDeFiアプリにまたがった利用を前提とするためです。各プロジェクトのリスクを継承するということを踏まえた評価になっています。
開発・運営チーム
InstaDappのローンチは2019年10月。
InstaDappはインドを拠点とする企業として運営されています。
創設者兼開発者は、ソウマイ・ジャイン(Sowmay Jain)氏とサミヤク・ジャイン(Samyak Jain)氏。
開発当時の2人の年齢は、それぞれ21歳と19歳。
界隈ではかなりの若さで、様々な企業から期待を集めました。
2019年10月には、パンテラ・キャピタル(Pantera Capital)を中心に240万ドル(2億7千700万円)の資金調達を達成しています。
【参考】Coindesk「我ら「DeFiネイティブ」——インド少年、著名投資家から約3億円調達」
InstaDappの特徴
InstaDappにはどんな特徴があるの?
InstaDappの主な特徴は4つ。
- DeFiアプリの一括管理
- マルチチェーン対応
- 各チェーンのアプリが異なる
- テストネットモード
順番に説明していきます。
主要なDeFiアプリを一括管理できる
InstaDappの最大の特徴は
主要なDeFiアプリの一括管理
です。
InstaDappは、この機能を実用レベルで実装して稼働を続けているプロジェクトの一つです。
DeFiアプリの管理を一つのアプリからまとめて行うことができる上、どのDeFiプロトコルで何を管理しているのかを簡単に確認できるため、複雑な管理を省くことができるという点で、他のDeFiアプリには無い強みを発揮しています。
また、InstaDappを経由して利用できるアプリは、既に何らかの形で優位性を確立しているものが多いため、ある程度信頼して利用することができるというメリットもあります。
InstaDappは、DeFiアプリの選別をしてくれているプロジェクトという側面も持っているのです。
連携先のアプリが本当に信頼できるかどうかは、ご自身でもきちんと確認することが重要です。
InstaDappが連携しているDeFiプロジェクトについて、自分自身でもリサーチしてみることで、仮想通貨のDeFi運用に関する知識を効率よく磨いていくことができるでしょう。
DeFiが発展していくにつれて、イーサリアム以外のチェーンでもInstaDappのような機能をもつアプリが開発・利用される可能性がありますね。
マルチチェーン対応
InstaDappは、基本的にはイーサリアムネットワーク上で稼働します。
しかし、その他の主要なブロックチェーンでの運用にも対応しています。
対応しているネットワーク(ブロックチェーン)は、以下の通り(2022年12月)。
利用できるチェーンが多数存在しているのは便利ですね。
チェーン毎に利用可能なDeFiプロトコルが異なる
複数種類のチェーンに対応しているInstaDappですが、全てのチェーンで同じDeFiアプリが使えるわけではありません。
例えば、上の画像だと、イーサリアムネットワークなら9種類のアプリが、ポリゴンネットワークなら3種類のアプリが利用可能なことを示しています。(2022年12月)
チェーンごとに利用可能なアプリが異なるため、利用する前に各チェーンの対応アプリを確認しておきましょう。
テストネットモードがある
InstaDappのテストネットモードでは、DeFiプロトコルのシミュレーション運用が可能です。
テストネットモードを起動すると、「1時間の間、100ETHを持っている状態」でInstaDappの機能をテスト運用することができます。
初心者がDeFiアプリの使用感を体感したい時に、とても便利な機能です。
利用にはウェブウォレットのアカウントが必要ですが、アカウントさえ作ってしまえば、あとは無料で機能を試すことができます。
InstaDappの利用を検討している方は、一度テストネットモードの利用を試してみましょう。
InstaDappが稼働する仕組み
InstaDappはどんな仕組みで稼働しているの?
それでは、InstaDappが稼働する仕組みを詳しく解説します。
DeFiスマートレイヤー
InstaDappの立ち位置は、
各DeFiプロトコルの中継地点
というイメージです。
この構造は「DeFiスマートレイヤー」と呼ばれます。
まず初めに、ユーザーはInstaDappのアカウントを所有します。
そのアカウントにウェブウォレットを接続し、InstaDappを中継して各 DeFiプロトコル(アプリ)を操作することになります。
InstaDappのシステムが拡張されることで、ユーザーは成長し続けるDeFiエコシステムに単一の窓口からアクセスすることが可能になります。
近年、特に注目されているのが、ブロックチェーンのL2(レイヤーセカンド)と呼ばれる技術です。
これは、各ブロックチェーンのベースとなるシステムは維持したまま特定の目的(セキュリティ向上や通信の高速化など)に特化した新たなブロックチェーンです。
ArbitrumやOptimismを始めとしたイーサリアムのL2(レイヤーセカンド)は、要注目の分野です。
InstaDappがL2への対応を実装していることからも分かるように、今後も新たなシステムへの対応や拡張性が期待されます。
ネイティブトークンINST
INSTはinstaDappが発行するネイティブトークンです。
INSTは、ガバナンストークンとしての機能を持ちます。
プロトコルの開発やシステム向上の際に行われるコミュニティの投票において、投票権としての役割を果たします。
総発行量は1億。
トークンの配分比率は以下の通り。
- 55%:コミュニティのメンバー
- 23.79%:運営チームのメンバー
- 12.07%:投資家(4年間かけて徐々にロック解除)
- 7.85%:将来のチームメンバーとエコシムテムのパートナーシップ
- 1.27%:アドバイザー
参考
InstaDappの機能
InstaDappには、どんな機能があるの?
InstaDappの主な機能は以下の7つ。
- Dashboard
- Instadapp Lite
- Assembly
- Protocols
- Utilities
- DSA Tools
- Simulation
順番に解説していきます。
Dashboard(操作と管理)
Dashboardからは、対応しているDeFiアプリの操作ができます。
また、各アプリでの運用状況や各資産(仮想通貨)の運用内容なども一目で分かるようになっています。
InstaDappの主な操作は、このDashboardで行うことになります。
(このスクリーンショットでは、テストネットモードでDeFiアプリを操作しています)
Instadapp Lite(派生系アプリ)
Instadapp Liteは、InstaDappが提供する派生系プロジェクトです。
別のアプリが起動し、さらに収益性の高いと見込まれる運用方法を実施することができます。
DeFiステーキングでより高い利回りを狙いたい方は、このアプリの利用を検討してみるのも良いでしょう。
Assembly(詳細確認・細かい設定)
Assemblyは、InstaDappを経由して使用しているDeFiアプリの詳細を確認する機能です。
Assmblyをクリックすると別のウィンドウが開いて、各DeFiアプリの運用状況を確認したり、細かなパラメータを調整したりすることができます。
また、間接的に利用することになるDeFiアプリについても、その運用状況を確認することができます。
Protocols(関連アプリの確認)
Pritocolsからは、InstaDapp経由で利用可能なDeFiアプリの確認ができます。
対応アプリはネットワーク別で切り替わるため、自分が利用したいネットワークを選択してから確認するようにしましょう。
Utilities(便利機能)
Utilitiesは、平たく言うと「便利機能」のことです。
ReFinanceとAutomationという2つの機能があります。
ReFinanceは
借入残高の入れ替え
ができます。
例えば、AaveでETHを借りている状態をCompoundで借りている状態に変更するなどのことができます。
金利を比べて、よりお得な方で運用したいときに活用したい機能です。
Automationは
債務ポジションが危険になったときに、自動的に債務の返済をするように設定するシステム
のことです。
担保の価値が下がった場合に精算されてしまうというリスクを未然に防ぐことができます。
DSA Tools(アカウントの管理)
DSA Toolsは、主にアカウントの操作を行う機能です。
DSA(DeFi Smart Account)とはInstaDapp用のアカウントを意味します。
自身のアカウントに別のアカウントのデータを移行したり、別のアカウントにデートを移行したりすることができます。
また、ネイティブトークンINSTに関する捜査の一部をここから行うことができます。
Simulation(テストモード)
Simuationは、運用のお試し機能です。
シミュレーションモードを起動すると、
1時間のあいだ、100ETHを持っている状態でテスト運用を行う
ことができます。
InstaDappの使用感を体験するために非常に有用な機能です。
InstaDappの始め方・使い方
InstaDappを実際に使ってみたい。
それでは、InstaDappの始め方・使い方を解説していきます。
準備①「ウェブウォレット」
InstaDappを利用する準備として
ウェブウォレットのアカウント・運用に用いる仮想通貨
が必要です。
ウェブウォレットのアカウントの作り方は以下の記事を参考にして下さい。
参考
準備②「仮想通貨」
続いて、運用に必要な分の仮想通貨を準備します。
すでに何らかの仮想通貨を持っているという方は、それをInstaDappでの運用に転用できる場合もあります。
基本的には、イーサリアムネットワーク自体のガス代(手数料)となるETHが必要なので、運用に必要な仮想通貨としてETHを選択するのが無難でしょう。
仮想通貨の購入や送金の方法は、以下の記事で具体的に解説しています。
仮想通貨の買い方・送金
InstaDappのアプリに接続する
- InstaDappのアプリ画面から「Connect」を選択。※初めて使う時は、アカウント作成に少額の手数料がかかります。
- アカウントが反映されていれば接続完了です。
接続が完了したら、Dashboardなどから各DeFiアプリを使ってきましょう。
使うときの注意点やリスク
InstaDappを使う時に気をつけることはあるの?
では、最後にInstaDappを使うときの注意点やリスクをまとめます。
全てのDeFiプロトコルを扱うわけではない
InstaDappを通して操作することができるのは、一部のDeFiアプリに限定されています。
つまり、新規のプロジェクトや利回りの高い穴場のプロジェクトについては、自分でリサーチして操作する必要があるということです。
DeFiの活性化に伴って注目を集めてきたイーサリアムネットワークについては、扱えるDeFiアプリを増やしつつありますが、その他のチェーンについては、本格的な扱いがこれからアップデートされていく予定です。
対応チェーンのリスクを継承する
InstaDappからの一括操作機能は大変便利ですが、操作しているDeFiアプリやその土台となっているブロックチェーンのリスクも継承するということは覚えておく必要があります。
InstaDappは他のDeFiアプリが存在することを前提に設計されたシステムであるため、ご自身が本アプリを通して操作しているDeFiアプリやブロックチェーンの特性やリスクなどにつついても入念に調べるようにしましょう。
以下のリンクから、IndstaDappで利用可能な各ネットワーク(チェーン)の 解説を見ることができます。
プロトコルが緊急停止したときのマニュアルが文書化されていない
InstaDappは、アプリ(プロトコル)が緊急停止したときのマニュアルが文書化されていません。
これは、技術的な知識のないユーザーが緊急時にアプリを操作できなくなる可能性があることを意味します。
システムなどに何らかのトラブルが起こって資金が引き出せなくなることのないように緊急時の対応をご自身で確認しておくか、一定期間引き出せなくなってしまっても問題のない額で運用をするなどの対策を講じておきましょう。
参考
DeFi特有のリスクと対処法については、以下の記事も参考にしてください。
あわせて読みたい
まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
DeFiアプリをまとめて操作することができるInstaDappについて紹介しました。
本記事の内容が参考になれば幸いです。
本記事のまとめ
- InstaDappは、主要なDeFiアプリをまとめて操作できるシステムの一つ。
- 主要なDeFiプロジェクトの一つで、今後も機能の拡張が予定されている。
- 対応しているチェーンは、Ethereum/Plygon/Arbitrum/Optimism/Avalanche/Fantom(2022年12月)。
- チェーン毎に使用可能なDeFiアプリは異なる。
- 各チェーンのリスクを継承する。
- テストネットモードを使うと無料でDeFiの体験ができる。
情報ソース