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【DeFiプロジェクト解説】Chronos(クロノス)って何?【特徴・仕組み・機能・使い方・注意点】

2023年4月7日

こんにちは、yodaka(よだか)です。

  • Chronos(クロノス)って何?
  • 特徴仕組みを知りたい
  • 機能使い方を教えてほしい
  • 使うときの注意点リスクはあるの?

こんな悩みを解決する記事を用意しました。

Chronos(クロノス)とは、Arbitrumネットワークで稼働する仮想通貨の分散型取引所です。

Yodaka

本記事を読んで、クリプト界隈で生き延びる知恵を身につけていってください。

本記事を読むと分かること

  • Chronos(クロノス)とは何か?
  • Chronos(クロノス)特徴仕組み
  • Chronos(クロノス)機能
  • Chronos(クロノス)始め方・使い方
  • 使うときの注意点リスク

Chronosとは何か?

Chronos(クロノス)とは、

Arbitrumネットワークで稼働する仮想通貨の分散型取引所(DEX)

です。

Chronosのアプリを利用すると

  • 仮想通貨のスワップ
  • 仮想通貨の流動性提供
  • Bribing(veトークンを活用した”資産運用の最適化メカニズムの実装”および”利回り報酬のブースト機能”)

などを行うことができます。

最大の特徴

Solidlyのフォーク(派生系プロトコル)

という点です。

Solidlyとはざっくりまとめると

ve(3,3)というモデルを用いてユーザーにveトークンの適切な利用を促すことで、従来型のAMMにおける課題を解決しようとするDeFiプロトコル

です。

Solidlyのようなveトークンを活用したシステムは、従来型のAMMの課題を解決する可能性があるとして注目を集めています。

現在も様々な派生系プロトコルが作られていて、特にOptimismにおけるVelodromeはその成功例と言えるでしょう。

SolidlyArbitrumについては、以下の記事で詳しく解説しています。

Yodaka

開発・運営

Chronosがプロジェクトして本格的に稼働し始めたのは2023年3月

この時期に、Twitterやブログでプロジェクトの概要紹介オリジナルNFTの販売計画が発表されました。

ブログの1記事目では、Arbitrumネットワークにローンチすることも紹介されています。

Twitterのアカウント自体は2021年10月に開設されていますが、最初のツイートは2023年3月2日です。

現時点(2023年4月)の段階では、比較的新しいプロジェクトであると言えますね。

Yodaka

Chronosの特徴

Chronos(クロノス)にはどんな特徴があるの?

Chronos(クロノス)特徴は主に6つ

  • Arbitrumネットワークで稼働する
  • Solidlyの派生系プロトコル
  • 独自のLPインセンティブ
  • オリジナルNFTを用いたエコシステム
  • ゼロ・リベースモデルを採用
  • 2種類の流動性プール

順番に見ていきましょう。

Yodaka

Arbitrumネットワークで稼働する

ChronosArbitrumネットワークで稼働します。

https://l2beat.com/scaling/tvl

現在(2023年3月)、ArbitrumはイーサリアムのL2の中でトップクラスのTVLを誇り、最も期待の集まる領域の一つです。

特に、取引手続き完了のスピードが速いことイーサリアムのセキュリティレベルを継承できることがメリットです。

また、L2の中でも実用性の高いプロジェクトが数多く立ち上がってきているのも特徴の一つです。

DeFiに関わる方は、チェックしておいて損はない領域だと言えます。とは言え、イーサリアムネットワークを便利に使えるようにしようとする領域には多くの競合がいます。OptimismやLayer Zero関連の競合もチェックもしておきましょう。

Yodaka

Solidlyの派生系プロトコル

そもそも、Solidlyって何なの?

Solidlyは、Ethereumネットワークで稼働する仮想通貨の分散型取引所(DEX)です。

大まかな特徴は以下の通り。

Yodaka

Solidlyとは?

  • Solidly仮想通貨の分散型取引所(DEX)
  • イーサリアムネットワーク稼働する
  • ve(3,3)モデルを土台として、従来型のAMMの課題を解決しようとしている
  • ve(3,3)モデルで解決できるとされているのは、AMMにおける資本の非効率性
  • veトークンを活用したエコシステムの形成が特徴
  • Bribing機能で、報酬を受け取る流動性プールを選んだり、利回り報酬をブーストさせたりすることができる
  • 様々なフォーク(派生系プロトコル)が存在する

これらの中でも、特に

ve(3,3)モデルを最初に実装したDeFiプロトコルとして評価されている

という点が大きな特徴です。

2023年に入ってから、Solidlyのフォーク(派生系プロトコル)が増加しています。

特に、ArbitrumネットワークにおけるRAMSESSolidLizardなどがその代表です。

様々なフォークが生まれるということは、システムの強靭さや可能性に期待が集まっているということです。

Chronosに興味がある方は、これらの競合プロトコルの動向にも注意を向けておくと良いでしょう。

Yodaka

独自のLPインセンティブ

Solidlyのようなve(3,3)モデルでは

トークン価格が下落するとLPのインセンティブが低下し、TVLの低下を招く

という課題があります。

Chronosは、従来型のve(3,3)モデルの改善案として

maturity-adjusted LP positions

という方式を提案しています。

その仕組みは以下の通り。

  • ユーザーは流動性提供をしてLPトークンを受け取る
    →流動性提供の報酬はCHRトークン
  • LPトークンをステーキングしてmaNFT(maturity-adjusted LP positions NFT)を受け取る

maNFT

  • トークン
  • 金額
  • 時間経過

を追跡します。

この流動性ポジションは1週間ごとに0.33倍ずつLP報酬のブースト率を高めます

ブースト率最大2倍まで高まります。

つまり、

6週間かけて徐々にブースト報酬が高まっていく(最大2倍)

という仕組みになっているのです。

この仕組みを採用するメリットとしては

  • 長期保有のLPポジションが過剰な手数料を受け取ることによってプールのバランスが崩壊することを防ぐ
  • 新規参入者へのインセンティブが早期の段階で高まる

などが挙げられます。

maNFTプロトコルにロックされないため、NFTマーケットプレイスなどで転売可能です。

また、資産を引き出すとブースト率は解除されます。

しかし、maNFTのまま転売することで報酬のブースト率を維持できるため、純粋なLPポジションよりも高い価値を持つことになると考察されています。

maNFTが転売され続ける限りは、ChronosのプロトコルのTVLが維持されるため、資産の流動性が保たれる設計になっています。

ただし、このシステムを実装しても問題が全て無くなるわけではありません。

課題やリスクについては、記事の終盤で考察します。

Yodaka

オリジナルNFTを用いたエコシステム

Chronos

The Lost Keys of Chronos (chrNFT)

というオリジナルのNFTを利用したエコシステムを立ち上げています。

このNFTは5,555個のNFTコレクションとしてローンチされていて、販売収益プロトコルの初期流動性に充てられます。

chrNFTは、フェーズ1のプライベートミントでは0.3ETHで、フェーズ2 (3/29)のホワイトリストミントでは0.325ETHでミントされました。

フェーズ2で売れ残った場合は、パブリックミントにて0.35ETHでミントされる予定でしたが、フェーズ2にて完売しました。

その時点で1901人のホルダーが確認されています。

chrNFTの収益源は以下のように紹介されています

  • 全スワップ手数料の20%を獲得する
    ・chrNFTステーカーへの報酬"スワップ手数料の20%"は、最初の3ヶ月間は変わらない
    ・この数値は取引ボリュームの増加に伴って、10%に達するまで徐々に減少する(3ヶ月毎に5%ずつ減少)
    →最終的にプロトコル料金の10%を獲得することになる
  • 元のMinterは二次販売から2%のロイヤリティを獲得する
  • 二次販売の1%はchrNFTステーキングプールに送られる
  • フェアローンチCHRエアドロップに含まれることを保証される
    ・MintされたchrNFTは、ロックされたveCHRとアンロックされたCHRトークンの組み合わせをエアドロップで受け取る
    ・各chrNFTは、(現状の試算では)約800CHRトークンを受け取る
    ・報酬は、CHR(8週間)とveCHR(2年間)に分割される
  • Discordサーバーでの独占的な役割と利益が与えられる

chrNFTのミントについてまとめた記事はこちらから。

Yodaka

以下のサイトなどでchrNFTの販売が行われています。

Yodaka

chrNFTの販売サイト

ゼロ・リベースモデルを採用

Chronosはトークン価格のリベースを行いません。

この方針は「ゼロ・リベースモデル」と呼ばれます。

リベースとは?

リベース(rebasing)は通貨の供給量を調整して価値を維持するために使用される方法の一つ。ある時点での通貨の価格を新しい基準として設定し、その後の価格変動は新しい基準に基づいて計算する。これにより、供給量を減らすことなく価値を維持することができる。仮想通貨の世界ではよく使われる方法。

Chronosのブログなどでは、リベースは長期的にトークンの価格に悪影響を与える方法であると考察されています。

そのため、エコシステム全体の長期的な成長を見越して「リベースを行わないモデル=ゼロ・リベースモデル」を採用しているのです。

しかし、初期のveCHRロッカーのリスク軽減のために、

  • CHR初期供給量の5%はエアドロップボーナスとして確保する
  • 1500CHR~を2年間ロックして、ロックポジションの20%をveCHRNFTとして与える

という仕組みも併せて採用しています。

さらに、サポート機能”The counter-cyclical effect”を取り入れています。

この機能は、CHRの価格が下落した時にveCHRのAPRを上昇させるというものです。

複数の仕組みを組み合わせて、プロトコルを稼働させているのですね。

Yodaka

2種類の流動性プール

ChronosのAMMは、2種類の計算式を使い分けています。

流動性プールの価格調整計算式は以下の通り。(X,Yはトークンの価格。kはプール内の資産価格の総計)

  • Stable pair(価格の安定したトークンのペア)
    X³Y+Y³X≧k(Curveのモデルを踏襲)
  • Volatile pair(価格変動の激しいトークンのペア)
    X×Y≧k(UniswapV2のモデルを踏襲)

従来型の計算式を用いているVolatile Pair(価格変動の激しいトークンのペア)のプールについては、ve(3,3)システムにおける資本の効率の最適化が進むことによって深い流動性を実現できるかどうかに注目したいですね。

Yodaka

Chronosが稼働する仕組み

Chronos(クロノス)どんな仕組みで稼働しているの?

それでは、Chronos(クロノス)稼働する仕組みを詳しく解説します。

Yodaka

Chronosのトークノミクス

Chronosのトークノミクスの核は、2種類のトークン”CHRveCHR”を利用したシステムです。

CHRトークン

CHRはChronosのネイティブトークンです。

ユーザーに流動性を追加してLPトークンをプラットフォームにステークするインセンティブを与えます。

トークンの発行上限量5,000万

CHRトークンの分配は以下の通りです。

  • 18%:veCHR プロトコルエアドロップ
  • 28%:veCHR ユーザーへのエアドロップ
  • 9%:CHR/veCHR  chrNFTをミントしたユーザーへのエアドロップ
  • 18%:エコシステムの助成金
  • 4%:DEXの流動性
  • 5%:マーケティング
  • 18%:チーム

【参考】ChronosのDocs|初期供給の内訳

veCHRトークン

veCHRは、CHRトークンを変換することで獲得できるトークンです。

CHRトークンをChronosのプロトコルにロックすることでveCHRトークンを獲得することができます。

ロック期間はユーザーが選択することが可能で、最長で2年間まで設定することができます。

veCHRのユーティリティは以下の通り。

  • ゲージ投票:毎週行われるゲージ投票に参加し、流動性提供プールの報酬比率を調整する
  • ガバナンス権:ガバナンスに参加し、プロトコル改善の提案に投票する
  • 手数料収入:一定期間毎に投票されたプールから生成されたスワップ手数料の最大90%を獲得する
    10〜20%はchrNFTステーカーに支払われる
  • Bribing収入:各期間ごとに投票したプールのBribingの100%を獲得する

【参考】ChronosのDocs|プロトコルのトークン

Chronosの機能

Chronosにはどんな機能があるの?

Chronos主な機能は主に3つ

  • Swap
  • Liquidity
  • Bribing
Yodaka

※プロトコルが稼働を開始したら、追記します。

Chronosの始め方・使い方

Chronosを実際に使ってみたい。

Chronosは現在、稼働の準備段階にあるプロジェクトです。今後、稼働が始まったら追記していきます。

Arbitrumネットワークで稼働することは決定しているため、準備を整えておくことはできます。ローンチ後に早速触ってみたい方は、以下の手順を参考にして下さい。

Yodaka

①仮想通貨のウェブウォレットを作成する

まずは、仮想通貨を扱うウォレットアカウントを作成しましょう。

Chronosのアプリは、MetaMaskなど複数のウォレットに対応しています。

ウェブウォレットのアカウント作成については、以下の記事を参考にして下さい。

Yodaka

ここからは、MetaMaskを使用した方法で解説を進めていきます。基本的な操作手順は同じなので、お好みのウォレットを使ってください。

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②仮想通貨を購入・送金する

続いて、運用に必要な分の仮想通貨を準備します。

すでに何らかの仮想通貨を持っている方は、それを運用に転用できる場合もあります。

基本的には、イーサリアムネットワーク自体のガス代(手数料)となるETHが必要なので、運用に必要な仮想通貨としてETHを選択するのが無難でしょう。

仮想通貨の購入送金の方法は、以下の記事で具体的に解説しています。

Yodaka

③Arbitrumネットワークにブリッジする

https://bridge.arbitrum.io/

次に、購入したETHをArbitrumネットワークで使えるようにします。

この記事(→)では、Arbitrum Bridgeを利用したブリッジの方法が紹介されています。

Hop .Exchangeなどのブリッジプロトコルでもブリッジが可能です。

仮想通貨のブリッジについては、以下の記事を参考にしてください。

私が実際に利用しているブリッジプロトコル(Hop.Exchange)も併せて紹介します。

Yodaka

 ④Chronosのアプリと接続する

※アプリが稼働したら、追記します。

使うときの注意点やリスク

Chronosを使う時に気をつけることはあるの?

では、最後にChronosを使うときの注意点リスクをまとめます。

Yodaka

LP報酬がネイティブトークン

ChronosのLP報酬はネイティブトークンであるCHRです。

そのため、流動性提供に用いられるトークンの価格が下落してしまうと、それに伴ってCHRトークンの価格も下落してしまう可能性があります。

Chronosが提案する新しいタイプのve(3,3)モデルは、あくまで”ve(3,3)モデルが市場に受け入れられて稼働すること”を前提としています。

ve(3,3)モデルについて理解することがリスク管理方法の一つとして挙げられます。

ve(3,3)モデルを採用したDEXであるSolidlyの解説は以下の記事にまとめています。

Yodaka

Arbitrumのリスクを継承する

ChronosはArbitrumネットワークで稼働するプロトコルです。

そのため、その価値やセキュリティなどはArbitrumネットワークの発展状況に依存します。

リスク管理のためにはArbitrumに関する情報を定期的に確認することがリスク管理につながります。

そして、Arbitrumの土台はEthereumです。

この点についても基礎的な知識を身につけておくことがリスク管理の最も良い方法の一つです。

競合プロトコルが複数存在する

ChronosはSolidlyのフォーク(派生系プロトコル)です。

Chronos以外にもRAMSESSolidLizardなどのフォーク(派生系プロトコル)が多数存在します。

しかも、それらのDeFiプロトコルはArbitrumネットワークで競合しているため、シェアの奪い合いになります。

ve(3,3)モデルは、OptimismネットワークにおけるVelodromeの成功を受けて注目されている仕組みの一つでもあるため、今後もve(3,3)モデルを改良したDeFiプロトコルが開発される可能性があるということは、念頭に置いておくのが賢明です。

DeFi特有のリスクについては、以下の記事も参考にしてみて下さい。

Yodaka

まとめ

最後まで読んでくださってありがとうございます。

ve(3,3)モデルを改良したDeFiプロトコルであるChronosについて解説しました。

Yodaka

本記事の内容が参考になれば幸いです。

本記事のまとめ

  • Chronosとは仮想通貨の分散型取引所(DEX)
  • Arbitrumネットワークで稼働する(予定)
  • 仮想通貨のスワップ・流動性提供・Bribingができる
  • Sollidlyの派生系プロトコル
  • 時間経過でLP報酬がブーストされるmaNFTを実装するve(3,3)モデルの発展系として展開することを目指している
  • The Lost Keys of Chronos (chrNFT)というオリジナルNFTを活用したエコシステムをデザインしている

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